SSブログ

マリー・ローランサン展 [アート・カルチャー]

 マリー・ローランサンは大好きな画家だ。今回の美術展は、ローランサン生誕125周年を記念し、長野の蓼科にある世界的に有名な「マリー・ローランサン美術館」所蔵の油絵、水彩、版画など約90点の作品を通し彼女の生涯を回顧する展覧会である。会場は、大阪天保山のサントリーミュージアムである。

 エコール・ド・パリを代表する女性画家、マリー・ローランサン(1883-1956)。彼女はベルエポックのパリに育ち、ピカソを中心としたエコール・ド・パリの画家たちと交流しながら画家の道を歩みはじめる。当初はキュビズム的な傾向の作品を描いてた。

Mローランサン2.jpg
 自画像(1908年)

 これなどは、ローランサンのイメージとはまったく違うキュビズムの画風なので、大変驚いた。このほか、やはりキュビズムの手法で、パブロ・ピカソの横顔を描いた絵もあった。どんな天才も、自分の画風を確立するのに、いろいろな道を通るのだなと思った。 


 ローランサンの色はバラ色・灰色・青色など淡い色調である。そして優美な女性たちを描き続けた。彼女は独自の作風を確立し、自立した女性画家として初めて認められた女性でもあるのだそうだ。

Mローランサン3.jpg
Mローランサン4.jpg
 らっぱをもって(1929年)

 まさに、ローランサンの色と形。彼女の画風とは裏腹に、生活の中では詩人アポリネールとの情熱的な恋と別れを経験し、(アポリネールの有名な詩「ミラボー橋」は、ローランサンとの別れの後書かれたものだそうだ。)その後、ドイツ人男爵と結婚したが、戦争によってスペインへの亡命生活をよぎなくされる。そして、スペインで貴族の女性の援助をうけていたのだそうだ。そしてその女性とは「きわめて親密な仲」であったということだ。その後、ドイツ人男爵とは離婚。かなり波乱に満ちた生涯をおくった人だった。

Mローランサン1.jpg
 モンテスパンとラヴァリエール(1952年頃)

 上の3枚の写真のような作品が数多く展示されていて、その美しさにうっとりし夢見心地となった。写真をあまりアップできなかったのが、残念だ。

 ローランサンは、一冊だけ「夜の手帳」という詩集もだしている。そのオリジナル版も展示されていた。↓は、私が偶然古本屋で以前買っていた、翻訳版の詩集「夜の手帳」である。ロマンチックな詩と短いエッセイが書かれている。古い本なので、中の絵が白黒なのが残念だ。

080508_1005~01.jpg

 展示を見終わってから、ミュージアムショップで図録をはじめ、絵葉書や一筆箋、クリアファイルなどを買い込んで、5000円ほど使ってしまった。[あせあせ(飛び散る汗)] 大阪のサントリーミュージアムでの展示は5月11日(日)まで。

 ところで、サントリーミュージアムは大阪港に面して建っている。外観は以下のような感じだ。

080507_1339~01.jpg080507_1338~01.jpg

080507_1154~01.jpg

 この日はいいお天気で気持が良かった。
 
nice!(3)  コメント(9)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 3

コメント 9

TaekoLovesParis

Cocoさん、くわしいレポートで楽しく読みました。
安藤忠雄の設計なので、いつか行ってみたいと思っているサントリーの
天保山美術館。名前が山だから、山の麓かと思っていたら、大阪港に
面しているんですね。

蓼科の「ローランサン美術館」は行ったことがあります。そこで、
上の自画像のような茶系のキュビズムっぽい初期の作品を見て、
こういう絵の時代もあったんだ、と意外でした。
この自画像、きりっとして、意志の強い人、と伝わってきますね。

やはり、ローランサンの良さは、Cocoさんが書いていらっしゃるとおり、
「淡い色調の優美な女性」ですよね。グレー+ピンク+白の配色の服装
は、ローランサン的って感じがします。

恋や戦争体験、いろいろな方々との出会いで、、波乱に満ちた生涯
だったんですね。きっと、それらの体験が絵にも表れているのでしょう。
私が、パリで見た絵5,6点は、結構、グレーが強くて、力強いものだった
ので、今、ここを読んで考えると、辛い時代のものだったんでしょうね。

ここにCocoさんが載せてくださったのは、ずっと見ていると、やさしい
気持ちになるきれいな絵ばかりですね。

by TaekoLovesParis (2008-05-08 22:44) 

coco030705

Taekoさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
ローランサンは自画像を何点か描いているんですね。
最初の展示に、油絵のオーソドックスな自画像がありました。
でも、アップする写真がなくて記事に入れられなかったんですけど。

若いころは白と黒を多用してえがいていたようです。それがだんだん
グレーが画面の大半を占めるようになり、彼女独特の色彩へと変化していくさまを、順番に見ることができてよかったとおもいます。

図録を眺めて、しばし夢の世界に遊んでおります。

次回は「ガレとジャポニズム展」ですので、ぜひまたここに来たいと思っています。




by coco030705 (2008-05-09 00:33) 

Sora

色合いや雰囲気が優しいですね。影と光のバランスが心地良い作品です。
自画像からは強さや厳しさを感じますが、他の作品と同じように、ふっくらとした口角の上がった唇が印象的です。
素敵な作品を見ると絵を描きたくなります。
老後はアトリエで絵を描いたり、お茶を楽しんだりしたいなぁと夢見てしまいました(^-^*)
港も素敵ですね。
by Sora (2008-05-10 03:15) 

coco030705

Soraさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
そうなんですよ。ローランサンの絵は、Soraさんがおっしゃってるように、
「光と影のバランス」がすばらしいのです。ですから、単なる少女趣味的な
絵とならず、人の心をとらえるものがあるのだと思います。
私も絵を描きたいです。(中学のとき、絵画部でした。)
by coco030705 (2008-05-10 08:52) 

とくさん

はじめまして、蕎麦、納豆つながりでやってまいりました。    長野の蓼科にある「マリー・ローランサン美術館」は10年以上前仕事ですが、4年連続、4月後半にイベントで行ってました。世界的に有名なんですね。。。猫に小判でした。
久々に、ローランサンに触れ、知ることができたなあ、と感謝であります。
by とくさん (2008-05-10 13:57) 

coco030705

とくさん様へ
ようこそ。 私も長野の「マリー・ローランサン美術館」へ一度行ってみたいと
思っております。素敵なんでしょうね。

by coco030705 (2008-05-10 19:35) 

とくさん

車山高原のペンションに行って、
ビーナスラインを走り、
チェリッシュさんのコンサートあり
のイベントでした。
確かに、すごい所蔵量だったので、
もののわからぬ私には、その量もあり、
ありがたさが少なかったかもしれませんね。
by とくさん (2008-05-11 16:11) 

coco030705

とくさん様
車山高原は行ったことがあります。
チェリッシュのコンサートなんて、懐かしい感じですね。
やはりローランサン美術館は所蔵量がすごいんですね。
ぜひ行かなくちゃ!と思いました。
by coco030705 (2008-05-11 17:20) 

coco030705

sakikopさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2008-05-16 17:25) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0