SSブログ

NINAGAWA 十二夜 [演劇]

 久しぶりに松竹座で観てきました。主役の菊之助の早変わり(一人二役のため)、歌舞伎と現代劇を織り交ぜたような舞台装置、共演者が豪華だったことなど、とても楽しめた舞台でした。

十二夜.jpg


 双子の兄妹・斯波主膳之助(しばしゅぜんのすけ)と琵琶姫(びわひめ)(菊之助の早変わりで二役)は、嵐のために遭難。琵琶姫は獅子丸(ししまる)と名乗り、大篠左大臣(おおしののさだいじん)(錦之助)に小姓として奉公する。

 琵琶姫が奉公した左大臣は織笛姫(おりぶえひめ)(時蔵)という公家の姫君に惚れている。織笛姫に相手にされない左大臣は、獅子丸(琵琶姫)に恋の使いを命じるが、獅子丸を女と知らぬ織笛姫は獅子丸に一目惚れ。しかし、(琵琶姫)は左大臣に密かな恋心を抱いていた。

 一方、洞院鐘道(とういんかねみち)(左團次)は、姪の織笛姫と安藤英竹(あんどうえいちく)(かん雀)を添わせようと画策。織笛姫の居候同然の身の上である洞院を、目の敵にしているのは織笛姫のもとで働いている丸尾坊太夫(まるおぼうたゆう)(菊五郎)。坊太夫は、主人の織笛姫を慕っていた。これを知った洞院や安藤は、腰元の麻阿(まあ)(亀治郎)や捨助(すてすけ)(菊五郎)を仲間に引き入れ、織笛姫が書いたようにみせかけた偽の恋文使って、坊太夫の恋心を弄ぶ。そうとは知らぬ坊太夫は、すっかり洞院たちの企みに乗せられてしまう。

 そんな中、九死に一生を得て、左大臣の屋敷へと向かう琵琶姫の兄、主膳之助は織笛姫と出会う。主膳之助を獅子丸と思い込む織笛姫が、その思いを打ち明けるところに、左大臣や獅子丸が現れて…。さて、互いにもつれた恋の行方は……。


 蜷川さんの演出なので、もっと現代的な舞台になっているのかと思ったのですが、歌舞伎の様式美を崩すことなく現代的な要素も取り入れていました。特に、客席がうつるように、何場面かは舞台のバックが鏡のようなものになっているのがおもしろかったです。このお蔭で、3階席で観ていた私も、役者さんが花道から出て歩いてくる様子を見ることができました。

 幕開けに、満開の枝垂桜の大木の下に、クラシックな洋装の子供が3人現れ、チェンバロの演奏に合わせてイギリスの昔っぽい歌を歌うところが、本来の歌舞伎にはなく、シェイクスピアを髣髴とさせる、蜷川さんならではの演出でした。

 役者は、菊之助をはじめ、菊五郎、時蔵、段四郎、左團次、亀治郎、かん雀などすばらしいメンバーでした。菊之助は今を盛りの美しさに加え、役者としての実力も伴ってきたように思います。またワキで出演した亀治郎も女形で、気の強い腰元の役で、コミカルさを存分に演じていて、舞台を盛り上げていました。

 観終わって、歌舞伎の様式美のすばらしさを再認識しました。波の絵を描いた布を、人間が動かして静かな海や荒れ狂う海を表現する有様。早変りの演出。衣裳はあんなにたくさんの色を使っているのに、それがまったくけんかしないで華やかさを演出している様子。大道具、小道具のおもしろさ。花道での観客と近距離での芝居、独特の化粧や台詞回しなど。どれをとっても一朝一夕には創れないものです。これこそ伝統の力なのかもしれません。これからも歌舞伎を楽しみ、そして守っていきたいものです。

 「NINAGAWA 十二夜」は今年の春、シェイクスピアの本場ロンドンでの公演で、スタンディングオベーションをあびたとのこと。それもうなずけます。いいものはやはり誰が観てもいいのだと思います。もしお時間があればぜひ、ご覧になってください。

nice!(8)  コメント(11)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 8

コメント 11

coco030705

xml_xslさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2009-07-25 01:53) 

non_0101

こんにちは。
歌舞伎は昔、一度だけ見たことがあるのですけど、記憶に無いくらいです。
cocoさんの記事を読んでいると、今なら楽しめるのかなあと思えてきます。
“歌舞伎の様式美”も実際の舞台を観てみると理解できるのかな(^^ゞ
いつかもう一度体験してみたいです☆
by non_0101 (2009-07-25 07:23) 

TaekoLovesParis

NINAGAWAの十二夜、一昨年、歌舞伎座で見ました。
歌舞伎座なので、歌舞伎を蜷川が演出するというふうに思って見ました。
前から2番目の席だったので、幕があがったとたんの鏡に自分の顔が映って、
慌てて下を向いてしまいました。でも3階から花道が見えるという効果が
あるんですね。
幕開けで、洋装の子供たちが歌いながら通りすぎていく場面は、まさに蜷川
演出のシェークスピアと思いましたよ。あとおっしゃってるように布の波も印象に
残ります。
亀治郎の「まあ」役は、コミックでとってもおもしろかったですね。私のときも
大うけでした。
ロンドン公演の予定ときいていましたが、成功に終わったと聞いて、うれしい
です。

by TaekoLovesParis (2009-07-25 10:16) 

coco030705

nonさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
東京はたくさん劇場があるので、毎月歌舞伎がどこかで上演されていて、
うらやましいです。勘三郎のコクーン歌舞伎なんかは、わかりやすくて、
勘三郎がサービス精神いっぱいなので楽しいと思いますよ。
ぜひまた歌舞伎におでかけくださいませ~☆


by coco030705 (2009-07-26 21:21) 

coco030705

Taekoさんへ
nice&コメントありがとうございます♪

2年も前に「NINAGAWA 十二夜」をご覧になっていたとは、
さすがTaekoさん。東京は何でもはやいので、うらやましいかぎりです。
菊之助これからも楽しみですね。女形と立役の両方できる役者は、
少ないですものね。
亀治郎はほんとうにうまい役者です。こういう人が脇をかためてくれると、
主役も安心して芝居ができるでしょうね。
先日、ロンドン公園の様子がTVで放映されていました。ロンドンの方も
よろこんでいましたよ。シェイクスピアを見慣れた方々が、こうして
評価してくださるのは、とても嬉しいことですね。
またぜひ東京で歌舞伎を見たいと思っております。
by coco030705 (2009-07-26 21:32) 

coco030705

WIZARDさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2009-07-26 21:33) 

coco030705

DSilberlingさんへ
nice! ありがとうございます♪

by coco030705 (2009-07-27 22:09) 

aranjues

蜷川演出の歌舞伎、、、見物でしょうね。
機会があれば是非観たいです。
遠征しないと無理そうですが。
by aranjues (2009-07-28 11:08) 

coco030705

aranjuesさんへ
nice&コメントありがとうございます♪

残念ながら「十二夜」は27日まででした。(涙)
評判がいいから、御園座でもやるかもしれませんね。

大阪では今年はビアフェスティバルはないのでしょうか。
この間、サントリーとキリンが合併(?)するというニュースが
世間をにぎわしていましたね。どうなるんでしょう。2社のそれぞれの
味は守られるんでしょうか。

また大阪にいらしてください!
by coco030705 (2009-07-28 21:53) 

coco030705

gillmanさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2009-08-12 13:03) 

coco030705

Soraさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2009-08-19 13:14) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0