NINE

　この映画のオリジナルは、フェデリコ・フェリーニの映画『８ 1/2』に着想を得たミュージカルなのだそうだ。今回は初の映画化でやはりミュージカルである。しかも、これだけの女優陣をそろえての作品、さすがに豪華だった。



　グイド・コンティーニ（ダニエル・デイ・ルイス）はイタリアが世界に誇る映画監督だが、9作目にしてスランプに陥り、まったく脚本が書けなくなってしまう。彼はついに新作の記者会見から逃げ出し、海辺のホテルに身を隠す。しかし、現実逃避しているまもなく、浮気相手の女（ペネロペ・クルズ）に乗り込まれ、妻（マリオン・コティヤール）にはそっぽを向かれと女性関係でごたごたする。そうしているうちに、新作のプロデューサーにホテルを突き止められ、映画製作の戦場に連れ戻されるのだが……。


　ニコール・キッドマンとダニエル・デイ・ルイス

　この映画は女優さんの見本市のような作品だった。5人ものアカデミー賞受賞者を使って、歌って踊ってのシーンは、美しくゴージャスの一語につきる。しかし、ストーリーがそれほど面白いものでもないので、なんとなく不満が残った。というのも、グイドという主人公があまりにも情けないからだ。いわゆるプレイボーイなのだが、女に甘えるタイプ。それは少年時代のマザコンにルーツがあった。


　ペネロペ・クルズ

　ダニエル・デイ・ルイスは、女性に言い寄られるタイプのダメ男そのものだった。やはりうまい役者だ。
　女優陣は、ニコール・キッドマンが品よく美しく描かれているのに対して、ペネロペ・クルズは衣裳もエロティックだった。彼女は生来の色っぽさを持っている人だと思った。


　マリオン・コティヤール

　またマリオン・コティヤールはグイドの妻という普通っぽい女性から変身して、ダンスシーンはびっくりするぐらい妖艶だった。マリオンは一番演技の時間も多く、色々な役柄を演じることのできる個性的でおもしろい女優である。


　ソフィア・ローレン

　それから、久々に見たソフィア・ローレンが美しく、最後に女優さんが全員並ぶシーンがあるのだが、やはり貫禄があった。貫禄とは自分に自身があるということなのだろうか。素敵な人だと思う。


　ケイト・ハドソン

　ダンスシーンがとても華やかで、ファーギーやケイト・バドソンががんばっていた。

　今をときめく女優さんたちが一堂に会することはめったにないので、深く考えずに観て楽しんだらいいのかもしれない。けれども、もう少し映画としておもしろくならなかったのだろうか。ストーリーがあってないような映画なので、やはり舞台のミュージカルのほうが向いているように思った。

監督：ロブ・マーシャル　　　　　　脚本：アンソニー・ミンゲラ　　　　　　　　出演：ダニエル・デイ・ルイス、
マリオン・コティヤール、　ペネロペ・クルズ、　ニコール・キッドマン、　ソフィア・ローレン、　
ケイト・ハドゾン、　ファーギー、　ジュディ・デンチ
2009年　　アメリカ

コメント 27

そそう。
わたしも舞台が観てみたくなりました♪
ソフィア・ローレンの存在感は圧巻！でしたね〜。
なんか、もぉすごかった☆
by ジジョ (2010-04-06 02:46) 

ｘｍｌ＿ｘｓｌさんへ
nice！ありがとうございます♪



by coco030705 (2010-04-06 10:14) 

ジジョさんへ
nice&コメントありがとうございます♪

ほんとにソフィア・ローレンの存在感ってすごかったです。
姉御って感じ。並々ならぬプライドがあるんでしょうね。
女優さんたち、それぞれに魅力的でよかったわ。
by coco030705 (2010-04-06 10:17) 

yuki999さんへ
nice！ありがとうございます♪

by coco030705 (2010-04-06 21:35) 

仰るように、ストーリーは面白くないですね。
その分、注目した個々の女優の歌とダンスが見事だっただけに、最後に皆一緒に披露して欲しかったです。
by hash (2010-04-06 21:51) 

hashさんへ
コメントありがとうございます♪

全員でダンスはやはり無理だったんでしょうか？
それにしても女優さんという職業は、色々なことを
こなさなければいけない、非常にハードな仕事ですね。
ただきれいなだけじゃだめなんですね。すばらしい仕事だと
思います。
by coco030705 (2010-04-06 22:04) 

hashさんへ
nice！も、ありがとうございます♪
by coco030705 (2010-04-06 23:02) 

オリジナルの『８ １/２』自体が分かりやすい話ではないので、ミュージカル化しても大衆受けする映画にするのは難しいのかもしれません。
でもこの映画を観ている間は案外『８ １/２』を思い出しませんでした。むしろ『オール・ザット・ジャズ』が頭をよぎりました。
by 丹下段平 (2010-04-07 01:07) 

これだけの女優を揃えていると、一般向け映画に全く気のないワタシもやや注目してしまいますねw　でもプレイボーイの話ってのがワタシ的にはダメなんだよなぁ・・・・。
マリオン・コティヤールは「インセプション」での活躍も期待してますw
by tomoart (2010-04-07 02:26) 

丹下段平さんへ
nice&コメント＆TBありがとうございます♪
『８ １/２』は私も観ましたが、よくわかりませんでした。
でも今観たら、案外理解できるかもと思います。

『オール・ザット・ジャズ』ですか！なるほど。ロイ・シャイダー、ジェシカ・ラング
なんかがでてましたね。あれはおもしろかったですね。

by coco030705 (2010-04-07 02:30) 

tomoartさんへ
nice&コメントありがとうございます♪

この映画は、俳優さんが全てすばらしい人ばかりでした。
ダニエル・デイ・ルイスも素敵な人なのに、映画では活かされていなかったのが残念。女たらしでも、許せるわって思わせるほど魅力的な人に描かなきゃいけなかったんじゃないでしょうか。
マリオンはこれからも活躍が期待できますね。
by coco030705 (2010-04-07 02:36) 

そういえば、フェリーニっぽい雰囲気が漂ってますねぇ

by gillman (2010-04-07 09:59) 

gillmanさんへ
nice&コメントありがとうございます♪

若いときはフェリーニの「8　1/2」がよくわからなかったんですが、
今なら理解できるかもしれないと思います。再見してみるつもりです。
by coco030705 (2010-04-07 19:08) 

タケルさんへ
nice！ありがとうございます♪

by coco030705 (2010-04-07 19:11) 

ぼんぼちぼちぼち さんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2010-04-07 20:18) 

女優さんの写真がずらーっで、すてきでした。ケイト・ハドソンがかわいい。
フェリーニの小さい頃の自伝映画「アマルコルド」は、わかりやすくて、滑稽な
場面もあり、おもしろかったけど、「８ 1/2」は、イマイチ、わからなかった。
そうね、今ならわかるかもしれない。Cocoさんの説明で内容がよーくわかったから。マザコンね、困りますよね。

by TaekoLovesParis (2010-04-07 22:03) 

Taekoさんへ
nice!＆コメントありがとうございます♪

ほんとに女優さんたち素敵でしたよ。きれいなだけじゃなく、色々なことを
こなさなければならない、ハードな職業です。人に感動を与える職業って
すばらしいですね。

フェリーニは、たくさんは観ていないんですが、「道」「カリビアの夜」「甘い生活」
あたりが好きです。昔はイタリア映画界ががんばっていたんですね。
by coco030705 (2010-04-07 22:48) 

フェリーニの８1/2は、難解な映画の多いフェリーニの映画の中でも
トップクラスの難解さでしたが、今思えばそんなストーリーだったんですね。
ニコール・キッドマンとペネロペ・クルスが競演、何となく興味をそそります。
知人が見てやはりちょっと期待はずれだったと言ってました。

まあ、ストーリーはあきらめて目の保養のために見ようと思っています（笑）。
by aranjues (2010-04-07 23:07) 

aranjuesさんへ
nice!＆コメントありがとうございます♪

まことに美しい人たちは眺めるだけでも気持ちのいいものです。
この中で、私はマリオンが好きだったんですが、ペネロペ・クルズは
女性から見ても、色っぽかったです。素顔に近い場面もあったんですが、
やはりきれいでかわいかったですよ。

でもやっぱり映画はストーリーが良くなきゃ、感動しません。
by coco030705 (2010-04-07 23:17) 

こんばんは。
グイドは本当に甘えん坊でマザコンですよね(^^ゞ
ただ、子供の頃は厳しい学校に行っていたのを考えると
育てられ方よりは持って生まれたものなのかなあと感じました。
女性たちが華やかに心情を披露していく反面、
グイドがどんどん苦悩に落ちていくところが興味深かったです。
でも、何と言っても一番は女優たちの歌とダンスですよね☆
by non_0101 (2010-04-08 00:22) 

nonさんへ
nice!＆コメントありがとうございます♪

グイドの子供の頃をやっていた少年がとてもかわいかったですネ。（＾＾）
男の人って、等しくマザコンなんだと思うんですけど、
もう少し、監督としてのグイドの魅力を描いて欲しかったです。
でもそんなことしてたら、女優さん達のダンスシ-ンが短くなっちゃいますものね。
難しいですね～。
これだけの女優さんを集めただけでも、すごいと思わないといけませんね。
by coco030705 (2010-04-08 01:38) 

こんばんは。
女優陣全員にそれなりに見せ場を用意しないといけないんだろうし、
ストーリーの部分には物足りない感じがしましたね。
あまり考えずに、単純に歌とダンスを楽しむ！と割り切って見ると、
ペネロペ・クルスもソフィア・ローレンも良かったし、楽しめました。
by トミュウ (2010-04-10 23:08) 

トミュウさんへ
nice!＆コメントありがとうございます♪

そうですね。これだけの女優さんを集めたら、1人ひとり見せ場を
つくらないと承知してもらえませんよね。
そういう意味では、きちんと女優さん全員にいい演出がなされていたと
思います。

でも、肝心のダニエル・ディ・ルイスの演出の仕方がうまくなかったのが、
彼がいい俳優だけに残念な感じがしたんですよ。

こんど「８1/2」を観て、比較しようと思っています。
by coco030705 (2010-04-11 02:05) 

Norryさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2010-04-20 22:42) 

Soraさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2010-04-29 09:22) 

たしかに映画としてもう少し面白くならないものかと感じました。

ミュージカルは詳しくないので『シカゴ』みたいに楽しめるかと思ったら

明るいのはCMで使われていた「シネマイタリアーノ」のみ。

ニコール・キッドマンのシーンがもっと欲しかった！
by ジーコ (2010-05-04 21:01) 

ジーコさんへ
お久しぶりです！お元気ですか。
nice&コメントありがとうございます♪
ニコールの役は、はじめキャサリン・ゼダ・ジョーンズに依頼が来たらしいんですが、出番が少ないのでキャサリンが断ったんですって。それでニコールにお鉢がまわったとのことですよ。
by coco030705 (2010-05-04 21:14)