イヴの総て(AFI選出アメリカ映画勇気と感動のベスト100) [外国映画]
先日、BSで「AFI選出アメリカ映画勇気と感動のベスト100」という番組を見た。過去のすばらしい映画が、100作品紹介されていた。今でも語り継がれる名作は、やはり見ておかなければいけないと思った。これからは、番組で取り上げられていた作品の中から、好きな映画をピックアップして、追々楽しんでいきたいと思っている。今回は「イヴの総て」をみてみた。
「イヴの総て」は映画界の内幕を描いた作品で、バックステージものの最高作といわれている。オープニングは美しい女優が、ある賞を受賞するところからはじまる。彼女は、イヴ・ハリントン(アン・バクスター)。8ヶ月前に、田舎からニューヨークへやってきたのだ。イヴは楽屋の出入口で大女優マーゴ(ベティ・デイヴィス)の出待ちを続け、彼女の友達に気に入られる。そしてとうとうマーゴの家の住み込み秘書となったのだった。そこからイヴは劇作家や有名批評家に取り入り、だんだんとのし上がっていくのだった。
映画界の裏側とはこういうものなのかと思い、興味がつきなかった。アン・バクスターは楚々とした貧しい女の子から、次第に正体を現して怖い女に変身していった。
アン=イヴは最初、みすぼらしいコートと帽子姿で登場するが、美人なのとヘヤスタイルが決まりすぎているので、(古い映画はこういうことがよくある)田舎出身には見えなかった。劇の中盤までは、観客もイヴの一生懸命さや地味な服装に好感をいだくだろう。しかし、だんだんと彼女の怖さが見えてくる。その変わりようがとても興味深かった。
マーゴという大女優を演じたのがベティ・デイヴィスである。決して美人ではないが、個性的で面白い女優だ。大きなギョロッとした目が印象的だった。最初は、マーゴのわがままで横柄な性格が鼻持ちならない感じがする。しかし、恋人との喧嘩のときのセリフの応酬の見事な様子や、わがままに見えても、どこか人がよく、騙されてしまう人物像に、次第に寛容な気持ちにさせられた。
ベティ・デイヴィスは実際に、きつい口調と傲慢さで有名で、たびたび共演者やスタッフを困らせていたらしい。このマーゴ役は、彼女がモデルとの噂があったとのこと。ベティは2度のアカデミー賞主演女優賞に輝いている。87年には「八月の鯨」でリリアン・ギッシュと共演して話題を呼んだ。私はこの作品は未見なので、ぜひいつか観てみたいと思っている。
それから駆け出しの女優の役で、若き日のマリリン・モンローが出演しているのもおもしろかった。モンローはとてもかわいくて、まだ清純な感じでオーラもそんなにないが、やはり魅力的だった。モンローファンなら、この映画は必見かもしれない。
60年前の映画なので、さすがに女性のヘヤスタイルや服装に時代を感じたが、内容はまったく古さを感じさせなかった。人間社会の常というのか、誰かを利用して頂点に立っても、利用した人間に反対に利用されるのだということや、自分と同じような人間は、あとからまた出てくるということを描いていた。
脚本の良さと俳優達の熱演、そして描かれた人物像のおもしろさが際立つ作品だった。
原題:ALL ABOUT EVE 監督:ジョセフ・L・マンキウィッツ
出演:ベティ・デイヴィス、 アン・バクスター、 ジョージ・サンダース、 ゲイリー・メリル、 マリリン・モンロー
1950年 アメリカ DVD
「イヴの総て」は映画界の内幕を描いた作品で、バックステージものの最高作といわれている。オープニングは美しい女優が、ある賞を受賞するところからはじまる。彼女は、イヴ・ハリントン(アン・バクスター)。8ヶ月前に、田舎からニューヨークへやってきたのだ。イヴは楽屋の出入口で大女優マーゴ(ベティ・デイヴィス)の出待ちを続け、彼女の友達に気に入られる。そしてとうとうマーゴの家の住み込み秘書となったのだった。そこからイヴは劇作家や有名批評家に取り入り、だんだんとのし上がっていくのだった。
映画界の裏側とはこういうものなのかと思い、興味がつきなかった。アン・バクスターは楚々とした貧しい女の子から、次第に正体を現して怖い女に変身していった。
アン=イヴは最初、みすぼらしいコートと帽子姿で登場するが、美人なのとヘヤスタイルが決まりすぎているので、(古い映画はこういうことがよくある)田舎出身には見えなかった。劇の中盤までは、観客もイヴの一生懸命さや地味な服装に好感をいだくだろう。しかし、だんだんと彼女の怖さが見えてくる。その変わりようがとても興味深かった。
マーゴという大女優を演じたのがベティ・デイヴィスである。決して美人ではないが、個性的で面白い女優だ。大きなギョロッとした目が印象的だった。最初は、マーゴのわがままで横柄な性格が鼻持ちならない感じがする。しかし、恋人との喧嘩のときのセリフの応酬の見事な様子や、わがままに見えても、どこか人がよく、騙されてしまう人物像に、次第に寛容な気持ちにさせられた。
ベティ・デイヴィスは実際に、きつい口調と傲慢さで有名で、たびたび共演者やスタッフを困らせていたらしい。このマーゴ役は、彼女がモデルとの噂があったとのこと。ベティは2度のアカデミー賞主演女優賞に輝いている。87年には「八月の鯨」でリリアン・ギッシュと共演して話題を呼んだ。私はこの作品は未見なので、ぜひいつか観てみたいと思っている。
それから駆け出しの女優の役で、若き日のマリリン・モンローが出演しているのもおもしろかった。モンローはとてもかわいくて、まだ清純な感じでオーラもそんなにないが、やはり魅力的だった。モンローファンなら、この映画は必見かもしれない。
60年前の映画なので、さすがに女性のヘヤスタイルや服装に時代を感じたが、内容はまったく古さを感じさせなかった。人間社会の常というのか、誰かを利用して頂点に立っても、利用した人間に反対に利用されるのだということや、自分と同じような人間は、あとからまた出てくるということを描いていた。
脚本の良さと俳優達の熱演、そして描かれた人物像のおもしろさが際立つ作品だった。
原題:ALL ABOUT EVE 監督:ジョセフ・L・マンキウィッツ
出演:ベティ・デイヴィス、 アン・バクスター、 ジョージ・サンダース、 ゲイリー・メリル、 マリリン・モンロー
1950年 アメリカ DVD
昔の女優さんは美人でゴージャスですね。
by hash (2010-05-18 00:27)
xml_xslさんへ
こんにちは。nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2010-05-18 00:31)
hashさんへ
こんにちは。nice! &コメントありがとうございます♪
ほんとうに昔の女優さんは美人が多いですよね。グレース・ケリー、イングリット・
バークマン、オードリ・ヘップバーン等々。フィルムの中でいつまでも燦然と輝いている感じですね。すばらしいです。
by coco030705 (2010-05-18 00:36)
plotさんへ
こんにちは。nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2010-05-18 00:37)
随分昔の作品をご覧になってますね。
これは残念ながら観てません。面白そうな作品ですね。
by 丹下段平 (2010-05-18 02:09)
丹下段平さんへ
こんにちは。nice! &コメントありがとうございます♪
まえから観たいと思っていたのですが、TVがきっかけで観ることが
できました。古い作品はTSUTAYAでも手に取るのですが、やはり
最近のものを借りてしまいます。BSの番組をみてよかったです。
これからも、随時レビューしていきますね。
「イヴの総て」はおすすめですよ。
by coco030705 (2010-05-18 11:03)
こんにちは。
名作ですね~!
私は名作をほとんど観ていない人なので、どれも名前しか知りません。
cocoさんのレビューでいつか観てみたい作品をチョイスしてみたいです☆
by non_0101 (2010-05-18 21:03)
nonさんへ
こんにちは~!nice! &コメントありがとうございます♪
私も今まで、そんなにクラシック作品は観ていないんですが、
BSの番組がきっかけになりました。
この映画は白黒ですが、おもしろかったですよ。
やはりAFIが選んだだけあるなと思います。これからも、
過去の名作を楽しんでいきたいと思います。
by coco030705 (2010-05-18 21:18)
タケルさんへ
こんにちは。nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2010-05-19 11:21)
りぼんさんへ
こんにちは。nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2010-05-19 17:58)
ベティ・デイビス、好きだったんですよー!
「何がジェーンにおこったか?」こわーい映画ですが、すごく印象に残りました。
友達と夢中になって何回目か見たほどです。2度目以降は、ストーリーがわかってるから、ベティ・デイヴィスとジョン・クロフォード、2人の演技に注目してみました。私は初め、ジョン・クロフォードの方が役柄も好きだったんですが、何回か見てるうちに、ベティ・デイヴィスの方が好きになりました。友達は最初から、「ベティ・デイヴィスがいい」って言ってたんですけどね。
それで、前の映画「イヴの総て」が見たいと思って見たんですよ。名作座に見に行きました。何がジェーン、、よりだいぶ前の映画なので、「若い!美しい!」と驚きました。でも、ベティは、貫禄があるんですよね。
「イヴの総て」は、父も昔、映画館で見たと言ってました。そういう年代の映画なんですよね。
そのあとのベティ作品、「ふるえて眠れ」Hush,Hush,sweetCharlotte,Charlotte don't you cryっていう主題歌を友達と歌ったり、、ベティ・デイヴィスを大好きで、定期入れに写真を入れていた友達は、40歳で氾濫万丈の人生を終えたんですけどね。
by TaekoLovesParis (2010-05-19 20:00)
Taekoさんへ
こんばんは。nice! &コメントありがとうございます♪
そうですか、私もこの映画を観て、ベティ・デイヴィスがとてもいいと思いました。
主役のアン・バクスターが、かすんでしまうくらい存在感がありましたね。
「何がジェーンにおこったか?」もぜひ観てみたいです。
お友達、若くして亡くなられたんですね。きっと映画好きで素敵な方だったんでしょうね。ご冥福をお祈りします。
by coco030705 (2010-05-19 20:37)
舞台裏に興味があるので、劇場の裏側が見える映画も好きです。
2004年の「オペラ座の怪人」や2000年の「耳に残るは君の歌声」
1936年の映画「ブルグ劇場」などです。
なので、映画界の裏側も見てみたいです。
マリリン・モンローの出演作品は「ナイアガラ」以前の作品は見たことがないので、清純な感じの彼女を見てみたいです(^^)
by Sora (2010-05-19 23:27)
shinさんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪
tasuchanさんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2010-05-19 23:47)
Soraさんへ
こんばんは。nice! &コメントありがとうございます♪
舞台裏っておもしろいですよね。私も「オペラ座の怪人」や「耳に残るは君の歌声」は好きです。
1936年の「ブルグ劇場」は未見ですので、機会があったら観てみますね。
by coco030705 (2010-05-19 23:51)
こんばんは。
映画界の内幕ものと言えば、「サンセット大通り」が面白かったなぁ・・・
と思い出したのですが、
調べてみると、両作品ともに同年のオスカーにノミネートされていて、
作品賞は「イヴの総て」が受賞しているんですね。
とても興味深いです。
「イヴの総て」も、cocoさんの記事を読んで、ぜひ観たいと思いました(^^。
by Naka (2010-05-21 00:35)
Nakaさんへ
こんばんは。nice! &コメントありがとうございます♪
そうだったんですか。、「サンセット大通り」もAFI選出の映画に
入っていましたので、追々みてみますね。
この作品もお時間ございましたら、ぜひ。
by coco030705 (2010-05-21 02:20)
COCOさんへ
こちらにも、nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2010-07-04 19:52)