繕い裁つ人 [日本&アジア映画]
中谷美紀が頑固に生きる洋装店の美しい仕立て職人を好演。魅力的な神戸のロケ地も楽しめるいい映画である。
市江(中谷美紀)が仕事場にいる様子
神戸の街が見渡せる坂の上に小さな仕立て屋「南洋裁店」があった。店主の市江(中谷美紀)は洋装店を祖母から受け継ぎ、贔屓客だけを相手に、一点ものの洋服を何度も手直しし、一生着れるように補修することと、祖母のデザインを流用した洋服を少しだけつくって友人の牧(片桐はいり)の経営する店に卸していた。その評判を聞き、神戸大丸の社員藤井(三浦貴大)が市江のもとに足繁く通いだし、市江を説得して洋服をブランド化して売り出すことを提案する。しかし、市江はその提案を断固拒否するのだった。
南洋装店(実際は川西市の旧平賀邸)
市江と藤井の関係がなかなかおもしろく、藤井は最初は商売根性で市江の説得にあたるのだが、だんだんと「頑固じじい」のような市江の生き方そのものに惹かれて行く。
牧(片桐はいり)の雑貨店NAIFS(ナイーフ)神戸に実在のお店
市江は年に一度、「夜会」を催す。それは山の上の庭園で開かれるダンスパーティーで、招待客は全員先代の祖母の顧客であり現在は市江のお客様だった。皆が着るドレスは祖母の作品のドレスやスーツ。それを市江が手直しして何年もの間皆は大切に着ているのだった。その夜会に、藤井も特別に給仕として参加させてもらった。しかし藤井は市江が、祖母のドレスに手を入れることで一生終えるのではなく、市江自身のオリジナルデザインを発表したいはずだと信じていた。けれども藤井は市江の考えを理解し、彼女は今のままでいいのかもしれないと、会社からの移動命令を受けて東京へと転勤していく。
藤井(三浦貴大)と市江(中谷美紀)
藤井が去ってしばらくして、市江は町で偶然車椅子の女性を助ける。その人は、はからずも藤井の妹の葉子(黒木華)だった。そして市江は葉子から、藤井の市江に対する気持ちを聞き動揺する。
葉子は結婚の予定があり、彼女のウェディングドレスを市江に依頼する。それを受けて市江は自分のオリジナルデザインでドレスを創る決心をするのだった。市江はついに自分自身を表現し始めたのである。
藤井の妹、葉子役の黒木華
この映画では、中谷美紀の気骨のある仕立て職人がとても存在感があってすばらしかった。その丁寧な仕事ぶりも細かく描かれていたので、市江という人物像が観客にも容易に理解できた。藤井役の三浦貴大もその若さが市江を想う純情さと相まって、藤井の人物像をうまく表現していたと思う。黒木華は「小さいおうち」で観たときよりも、若々しく楽しそうで等身大の女性という感じだった。ただし、障害のある人というのが黒木の演じる所以なのかもしれない。その他、伊武雅刀の老舗紳士服店の仕立て屋、余貴美子の市江の母、中尾ミエの市江の恩師、片桐はいりのブティックのオーナーもそれぞれの個性がいきてよかったと思う。各々の役者が着ていた衣装も、役にぴったりだった。
一生着続ける洋服、それは本当にすばらしい一着で宝物のようなものかもしれない。着る人の人生と一緒に歩んで行く服、そんな洋服を持ちたいと思わせる映画だった。
原作:池辺葵 監督:三島有紀子 出演:中谷美紀、 三浦貴大、 片桐はいり、 黒木華、
中尾ミエ、 伊武雅刀、 余貴美子etc.
2014年 日本
市江(中谷美紀)が仕事場にいる様子
神戸の街が見渡せる坂の上に小さな仕立て屋「南洋裁店」があった。店主の市江(中谷美紀)は洋装店を祖母から受け継ぎ、贔屓客だけを相手に、一点ものの洋服を何度も手直しし、一生着れるように補修することと、祖母のデザインを流用した洋服を少しだけつくって友人の牧(片桐はいり)の経営する店に卸していた。その評判を聞き、神戸大丸の社員藤井(三浦貴大)が市江のもとに足繁く通いだし、市江を説得して洋服をブランド化して売り出すことを提案する。しかし、市江はその提案を断固拒否するのだった。
南洋装店(実際は川西市の旧平賀邸)
市江と藤井の関係がなかなかおもしろく、藤井は最初は商売根性で市江の説得にあたるのだが、だんだんと「頑固じじい」のような市江の生き方そのものに惹かれて行く。
牧(片桐はいり)の雑貨店NAIFS(ナイーフ)神戸に実在のお店
市江は年に一度、「夜会」を催す。それは山の上の庭園で開かれるダンスパーティーで、招待客は全員先代の祖母の顧客であり現在は市江のお客様だった。皆が着るドレスは祖母の作品のドレスやスーツ。それを市江が手直しして何年もの間皆は大切に着ているのだった。その夜会に、藤井も特別に給仕として参加させてもらった。しかし藤井は市江が、祖母のドレスに手を入れることで一生終えるのではなく、市江自身のオリジナルデザインを発表したいはずだと信じていた。けれども藤井は市江の考えを理解し、彼女は今のままでいいのかもしれないと、会社からの移動命令を受けて東京へと転勤していく。
藤井(三浦貴大)と市江(中谷美紀)
藤井が去ってしばらくして、市江は町で偶然車椅子の女性を助ける。その人は、はからずも藤井の妹の葉子(黒木華)だった。そして市江は葉子から、藤井の市江に対する気持ちを聞き動揺する。
葉子は結婚の予定があり、彼女のウェディングドレスを市江に依頼する。それを受けて市江は自分のオリジナルデザインでドレスを創る決心をするのだった。市江はついに自分自身を表現し始めたのである。
藤井の妹、葉子役の黒木華
この映画では、中谷美紀の気骨のある仕立て職人がとても存在感があってすばらしかった。その丁寧な仕事ぶりも細かく描かれていたので、市江という人物像が観客にも容易に理解できた。藤井役の三浦貴大もその若さが市江を想う純情さと相まって、藤井の人物像をうまく表現していたと思う。黒木華は「小さいおうち」で観たときよりも、若々しく楽しそうで等身大の女性という感じだった。ただし、障害のある人というのが黒木の演じる所以なのかもしれない。その他、伊武雅刀の老舗紳士服店の仕立て屋、余貴美子の市江の母、中尾ミエの市江の恩師、片桐はいりのブティックのオーナーもそれぞれの個性がいきてよかったと思う。各々の役者が着ていた衣装も、役にぴったりだった。
一生着続ける洋服、それは本当にすばらしい一着で宝物のようなものかもしれない。着る人の人生と一緒に歩んで行く服、そんな洋服を持ちたいと思わせる映画だった。
原作:池辺葵 監督:三島有紀子 出演:中谷美紀、 三浦貴大、 片桐はいり、 黒木華、
中尾ミエ、 伊武雅刀、 余貴美子etc.
2014年 日本
こんばんは
なんとも素敵な作品でしたね。神戸の街並みもすごくキレイでしたし、中谷さんも三浦くんも一つ一つのシーンがとても凛としていてよかったです。
夜会を通じてその服が一生を演出しているんだなぁと感じちゃいました。
祖母の葬儀のシーンの街の人が作ってくれた服を着てみおくったのが印象的でした!?
by コザック (2015-03-25 00:05)
コザックさんへ
ほんとに素敵な映画でしたね。仲谷さんをはじめ、出演者の人たちがとてもうまく作品に溶け込んでいるなと感じました。印象的なシーンもたくさんあって、とてもよかったと思います。私も一生寄り添える洋服を探そうかと思っています。
by coco030705 (2015-03-25 19:59)
AKIさんへ
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makimakiさんへ
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sugoimonoさんへ
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uminokajinさんへ
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ライトさんへ
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by coco030705 (2015-03-25 20:57)
予告編を見て、面白そう、行きたいなって思ってました。始まったのですね。映像が綺麗で、神戸だから成り立っている感じがしました。阪神電車も中谷美紀でしたね。
by TaekoLovesParis (2015-03-26 01:22)
Taekoさんへ
こんにちは。nice&コメントありがとうございます♪
この作品は神戸が舞台ですので風景がいいですし、お店も実在の所を使っていますので、楽しいですよ。市江(仲谷美紀)が通う喫茶店サンパウロは実在の店です。ここで仲谷さんがホールのチーズケーキを食べるシーンがあるのですが、このシーンのために、彼女は10個のホールケーキをたべたそうです!>(@_@)vv
仲谷さん、「阪急電車」にも出演してましたね。関西と縁があるのでしょうか。素敵な女優さんです。
ちなみにこの映画は再上映で観ました。東京でも再上映されているといいのですが……。
by coco030705 (2015-03-26 18:08)
アルファルハさんへ
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tweet_2さんへ
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ネオ・アッキーさんへ
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by coco030705 (2015-03-26 18:11)
素敵な映画でしたね~
普段、何となく着ている服を改めて見直してみたくなる作品でした。
いつの日か、こういう一生着られる服を身につけてみたいです(^^ゞ
by non_0101 (2015-03-26 22:47)
nonさんへ
こんばんは。nice!&コメント&TBありがとうございます♪
いい映画でしたね。仲谷さん素敵です。色々なタイプの役ができる女優さんですね。次回作が楽しみです。
一生着られる服、本当に着てみたいですね。こんな洋装店がどこかにないかしら。
コザックさんへ
こんばんは。nice!&コメント&TBありがとうございます♪(書くの忘れてすみません)
by coco030705 (2015-03-26 22:59)
trending-nowさんへ
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(。・_・。)2kさんへ
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by coco030705 (2015-03-26 23:03)
中谷美紀さん
好きな女優さんの一人です。
神戸のモダンな雰囲気が好きです。
職人の頑固さ
だから 良き洋服がつくれすんですね。^^
黒木華の設定
物語上で
違う設定も 面白いかなって思います。
by iruka (2015-03-27 11:16)
irukaさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
仲谷さんも黒木さんも色々なタイプの人物を演じることのできる
俳優さんですね。これからの活躍が楽しみです。
by coco030705 (2015-03-27 21:08)
prin4795さんへ
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neo-kaminewsさんへ
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ぼんぼちぼちぼちさんへ
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one_and_onlyさんへ
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by coco030705 (2015-03-27 21:13)
こんにちは。
神戸が舞台だったんですか。
中谷美紀さんって私も「阪急電車」のイメージが強いです。
神戸が似合う女優さんって事でしょね。
by キキ (2015-03-27 21:15)
キキさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
神戸はやっぱり素敵な街ですね。中谷さんは神戸と縁がある人なのかしらと思います。
中谷さんや黒木さんは色々なタイプの人物像を演じることのできる、すばらしい女優さんですよね。中谷さんの「ゼロの焦点」はとても激しい役でした。こういう女優さん達は監督さんが使いたくなる人々かもですね。
by coco030705 (2015-03-27 21:44)
最後、どうなっちゃうんだろう・・・と気になりますね^^。
オリジナルの服を作って、友人のお店に卸すのかしら。
それとも百貨店でなのかしら。
人に愛される服作り、いいですね。
映画に登場する小物、棚に並ぶものや、家具、食器なども、
見ごたえありそうです♪
by Inatimy (2015-03-27 22:19)
Inatimyさんへ
こんばんは。nice&コメントありがとうございます♪
そうですね、最後のシーンは、初夏みたいな感じで、市江の服装もシャツにジーンズ地のスカートの様なのを着て、はだしで製図机に向って型紙を引いている後姿で終わっていました。それがすっきりとして若々しくてみずみずしい感じがしました。市江はやっと祖母の呪縛から解き放たれたのかもしれません。もちろんそれは市江自身が変わったってことなんですけれど。
by coco030705 (2015-03-28 01:20)
ryo1216さんへ
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by coco030705 (2015-03-28 17:11)
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tarouさんへ
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by coco030705 (2015-03-30 10:59)
大和さんへ
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by coco030705 (2015-03-31 14:10)
月夜のうずのしゅげさんへ
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by coco030705 (2015-04-01 07:59)
どのシーンのスチルを見てもとても味のある絵作りで観てみたくなりました。
by gillman (2015-04-01 22:33)
gillmanさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
そうですね。色もいいし、光線の具合もよくとてもいい絵になっていましたよ。それにストーリーも面白いですから、お時間があったらぜひご覧になってくださいませ。
by coco030705 (2015-04-01 22:58)
kaminews100さんへ
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by coco030705 (2015-04-05 18:00)
さらまわしさんへ
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by coco030705 (2015-04-06 22:29)
りんこうさんへ
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by coco030705 (2015-04-06 22:31)
デジカメさんへ
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by coco030705 (2015-04-07 16:43)