ファントム・スレッド [外国映画]
ダニエル・デイ=ルイスが引退するとは! この「ファントム・スレッド」が最後の作品となるのだそうです。ちょっと信じられない気持ち。やはり「立つ鳥跡を濁さず」の心境なのでしょうか。
以下、レビューはあらすじを書いていますので、映画を見たい方は先にご覧になって、お読みくださいませ。
1950年代のロンドン。ファッション界の中心に君臨する天才的仕立屋レイノルズ・ウッドコック(ダニエル・デイ=ルイス)は、徹底した完璧主義の男だった。彼はある日、別荘のある田舎のレストランで、ウェイトレスのアルマ(ヴィッキー・クリープス)を見初める。
そして、自身のドレスにあう完璧な体型を持った彼女をミューズに迎えるのだった。
(ダニエル・デイ=ルイスの裁縫のシーンは完ぺきだった。それもそのはず、彼はこの映画のために、ニューヨークのオートクチュールデザイナーの工房で、1年間修行して服作りをマスターし、卒業制作作品として、奥さんのためにグレーのイブニングドレスをつくったとのこと。)
最初は、裕福な男性が身分の低い女性と出会い、女性を花開かせるラブストーリーなのかと思っていた。しかし、レイノルズがアルマに求めたのは、彼女の体型だけ。恋愛感情はなく、アルマはまるで道具のように扱われるのだった。しかしアルマは、彼のドレスを身にまとい美しさと輝きを備えていく。
彼女は甘いロマンスを期待していたのに、そういうものに見向きもせず、自分の厳格な規則を守り続けるレイノルズに大きな不満を持つ。そしてアルマはあることを計画する。それは、レイノルズのために料理をつくって、その料理の中にキノコからとったわずかな毒を混ぜ、それを彼に食べさせるというものだった。
おりしも大事な顧客の、ある国の王女様のウェディングドレスが、もう一息で完成するというときに、レイノルズはアルマの料理で体調に異変が起こり、そのウェディングドレスを汚してしまうのだ。
ドレスをつくり直すお針子さん達のシーンも、すごいものがあった。レイノルズの工房で働く職人役には、実際の仕立て職人を起用したのだそうだ。すごく手が早いので、びっくりした。
アルマは、レイノルズを心を込めて介抱する。そしてさすがの、頑固一徹で完璧主義なエゴイストの男も心を動かされ、ついにアルマにプロポーズする。
けれども結婚してみると、やはり年齢差は歴然としてあり、アルマがパーティーに行きたいと言っても、レイノルズは疲れているので、静かにしていたいという。喧嘩になって、アルマは1人でパーティーに出向くのだった。
やはり心配になったレイノルズはアルマを迎えに行く。そして、レイノルズの心を虜にしたアルマは、彼を優しく支配するのである。それは、食事に例のものを加減して混ぜ込むことによって……。
オートクチュールのすばらしいドレスの数々に目を奪われた。アカデミー賞の衣装デザイン賞を受賞したマーク・ブリッジスの手によるものだ。彼は衣装の裁断や縫製にはかなり気を使ったとのことだった。こんな美しい衣装を着ることができるのは、女優冥利につきるというものでしょうね。
さて、この作品はなかなか怖いストーリーだと思う。最初はアルマがレイノルズに夢中になるのだが、一向に振り向いてくれない彼を振り向かせるために、キノコの毒を使うとは。女性は怖いというべきか。そしてその毒によって体調不良になった彼を、献身的に介抱して、惚れさせるというのは、何とも恐ろしい話ではないだろうか。
これはラブストーリーなのか、それとも女性が男性を支配する物語なのか。最初はレイノルズが、アルマの気持ちを思い測ることなく、彼女をドレスを作るためにマネキンのように扱ったことに問題があったと思う。けれど、彼女がキノコの毒を使ってレイノルズの心を自分に向かせたのが、アルマの怖いところだ。これからもアルマは、レイノルズを支配し続けるのだろうか。女性の念というのはすごいものだ。
衣装のデザイン画
実をいうと、私がダニエル・デイ・ルイスをカッコいいと思ったのは、「ラスト・オブ・モヒカン」を観たときです。あのときは、彼も若かった。これからはダニエルの新作を観られないのが、とても残念です。
原題:PHANTOM THREAD 監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイス、 ヴィッキー・クリープス、 レスリー・マンヴィルetc.
2017年 アメリカ
以下、レビューはあらすじを書いていますので、映画を見たい方は先にご覧になって、お読みくださいませ。
1950年代のロンドン。ファッション界の中心に君臨する天才的仕立屋レイノルズ・ウッドコック(ダニエル・デイ=ルイス)は、徹底した完璧主義の男だった。彼はある日、別荘のある田舎のレストランで、ウェイトレスのアルマ(ヴィッキー・クリープス)を見初める。
そして、自身のドレスにあう完璧な体型を持った彼女をミューズに迎えるのだった。
(ダニエル・デイ=ルイスの裁縫のシーンは完ぺきだった。それもそのはず、彼はこの映画のために、ニューヨークのオートクチュールデザイナーの工房で、1年間修行して服作りをマスターし、卒業制作作品として、奥さんのためにグレーのイブニングドレスをつくったとのこと。)
最初は、裕福な男性が身分の低い女性と出会い、女性を花開かせるラブストーリーなのかと思っていた。しかし、レイノルズがアルマに求めたのは、彼女の体型だけ。恋愛感情はなく、アルマはまるで道具のように扱われるのだった。しかしアルマは、彼のドレスを身にまとい美しさと輝きを備えていく。
彼女は甘いロマンスを期待していたのに、そういうものに見向きもせず、自分の厳格な規則を守り続けるレイノルズに大きな不満を持つ。そしてアルマはあることを計画する。それは、レイノルズのために料理をつくって、その料理の中にキノコからとったわずかな毒を混ぜ、それを彼に食べさせるというものだった。
おりしも大事な顧客の、ある国の王女様のウェディングドレスが、もう一息で完成するというときに、レイノルズはアルマの料理で体調に異変が起こり、そのウェディングドレスを汚してしまうのだ。
ドレスをつくり直すお針子さん達のシーンも、すごいものがあった。レイノルズの工房で働く職人役には、実際の仕立て職人を起用したのだそうだ。すごく手が早いので、びっくりした。
アルマは、レイノルズを心を込めて介抱する。そしてさすがの、頑固一徹で完璧主義なエゴイストの男も心を動かされ、ついにアルマにプロポーズする。
けれども結婚してみると、やはり年齢差は歴然としてあり、アルマがパーティーに行きたいと言っても、レイノルズは疲れているので、静かにしていたいという。喧嘩になって、アルマは1人でパーティーに出向くのだった。
やはり心配になったレイノルズはアルマを迎えに行く。そして、レイノルズの心を虜にしたアルマは、彼を優しく支配するのである。それは、食事に例のものを加減して混ぜ込むことによって……。
オートクチュールのすばらしいドレスの数々に目を奪われた。アカデミー賞の衣装デザイン賞を受賞したマーク・ブリッジスの手によるものだ。彼は衣装の裁断や縫製にはかなり気を使ったとのことだった。こんな美しい衣装を着ることができるのは、女優冥利につきるというものでしょうね。
さて、この作品はなかなか怖いストーリーだと思う。最初はアルマがレイノルズに夢中になるのだが、一向に振り向いてくれない彼を振り向かせるために、キノコの毒を使うとは。女性は怖いというべきか。そしてその毒によって体調不良になった彼を、献身的に介抱して、惚れさせるというのは、何とも恐ろしい話ではないだろうか。
これはラブストーリーなのか、それとも女性が男性を支配する物語なのか。最初はレイノルズが、アルマの気持ちを思い測ることなく、彼女をドレスを作るためにマネキンのように扱ったことに問題があったと思う。けれど、彼女がキノコの毒を使ってレイノルズの心を自分に向かせたのが、アルマの怖いところだ。これからもアルマは、レイノルズを支配し続けるのだろうか。女性の念というのはすごいものだ。
衣装のデザイン画
実をいうと、私がダニエル・デイ・ルイスをカッコいいと思ったのは、「ラスト・オブ・モヒカン」を観たときです。あのときは、彼も若かった。これからはダニエルの新作を観られないのが、とても残念です。
原題:PHANTOM THREAD 監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイス、 ヴィッキー・クリープス、 レスリー・マンヴィルetc.
2017年 アメリカ
ネオ・アッキーさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-16 22:29)
zombiekongさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-17 18:11)
@ミックさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-17 18:12)
鉄腕原子さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-17 18:13)
yamさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-17 18:14)
りんこうさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-17 18:15)
SORIさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-17 18:16)
gillmanさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-17 21:07)
匁さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-17 21:08)
コザックさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-17 21:09)
男女の心の機微には疎い私には分からない映画だと思う。
でも一応恋愛小説も書くんだよね(笑)
by U3 (2018-06-17 22:10)
U3さんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
私も恋愛に関しては、よくわからないほうなんですよ。根が単純な人間ですので。(笑)
by coco030705 (2018-06-17 23:24)
Nakaさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-17 23:25)
Ujiki.oOさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-18 20:55)
アルファルハさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-18 20:56)
宮崎ほぐし屋さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-18 20:57)
オートクチュールとか縁がないけど、好きなので、見たいです。東京では29日までなので、都合をつけて見に行きます。キノコの毒を少しづつ、とか怖いですねー。内容を読んで、タイトルphontom thread の意味がわかる気がしました。
by TaekoLovesParis (2018-06-20 20:48)
ダニエル・デイ=ルイスさん、引退・・・ほんと残念です〜
歳を重ねて、めちゃシブくて、むしろカッコ良さが増してる感じですよね。
私は、ダニエル・デイ=ルイスといえば、「存在の耐えきれない軽さ」とか「NINE」のイメージ♪
by のらん (2018-06-23 08:26)
Taekoさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
美しい映画ですが、ストーリーは結構怖いんですよ。オートクチュールは本当にすばらしいです。見入ってしまいます。お楽しみくださいませ。
ダニエル・デイ・ルイスは完璧主義の人なんだろうなと思います。服作りをマスターして、役に臨んだのですから。それがもう体力的にできないことが、引退の理由なのかもしれませんね。
by coco030705 (2018-06-24 22:48)
のらんさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
ダニエル・デイ・ルイスは名優ですね。多くの映画で主役をはって、すばらしい演技を披露してきました。それがもうできないと、自分の中で感じたんでしょう。そういう引退の仕方もキッパリとしていいものだと思えます。これからDVDで作品を振り返ってみるつもりです。
by coco030705 (2018-06-24 22:52)
mayuさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-06-26 23:11)
nonさんへ
こんばんは、こちらにも、nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-07-08 21:23)
angie17さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-07-20 21:53)
てんてんさんへ
こんにちは。こちらにも、nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-01-02 17:26)