サクラ、桜 [日記・雑感]
大阪府北摂地方の桜です。最近、スマホに変えたので、わりあいきれいに写っていると思いました。
新年号「令和」が万葉集からとられたので、「はじめて楽しむ万葉集」上野誠著(角川文庫)を買ってみました。この本の中から、気に入った和歌を2,3紹介しながら、桜の写真もアップいたします。
石走る(いわばしる)
垂水の上の(たるみのうえの)
さわらびの
萌え出ずる春に(もえいずる はるに)
なりにけるかも
(志貴の皇子 巻8の1418)
岩の上を、ほとばしり流れ出る 滝のほとりのわらびが
萌えだすように天に向かって伸びていく………。
春になった!
この和歌は、「万葉集」の中でも一番人気のある歌だそうです。春が来た喜びをこれだけ
率直に、上品に、生き生きと描いた歌は他にないからなのだそうです。これはなんとなく
知っていました。
冬過ぎて
春し来たれば(はるしきたれば)
年月は(としつきは)
新たなれども(あらたなれども)
人は古り行く(ひとはふりゆく)
(作者未詳 巻10の1994)
冬が過ぎて
春がやってくると、
年月は
新しくなるけれども……。
人は古くなっていく……。
一定の年齢を越えると、人は「お誕生日が嬉しくない」と思う。人は、時に年をとることを
喜び、時にそれを嘆くという気持ちが込められている和歌です。言い得て妙だと思います。
忘るやと
物語して(ものがたりして)
心遣り(こころやり)
過ぐせど過ぎず(すぐせどすぎず)
なほ恋にけり
(作者未詳 巻12の2845)
忘れることもあろうかと
人と世間話などをして、
気を紛らわせて
物思いを消し去ってしまおうとしたが……
一層恋心は募るばかりだった……。
恋の歌も多い万葉集。恋は一過性のもの、個人的なもの、一人一人のものである。
しかし同時に恋の気持ちというものは、多くの人が共感する気持ちでもあることが、
この歌からわかるとのこと。
我が背子を(わがせこを)
今か今かと
出で見れば(いでみれば)
沫雪降れり(あわゆきふれり)
庭もほどろに
(作者未詳 巻10の2323)
わたしのいい人を
今か今かと待って、
出てみると……。
沫雪が降っていた。
庭にもうっすらと。
恋人がやってくるのではないかと思って、戸口まで駆け出してみて、見た物は雪だった。
人を待っている女というものは、自分の神経を「待つ」ということに集中させる。それで、
待つ女の自然を見る目が、細やかになるのだそうだ。
万葉集と意識して本を読んだのは初めてでしたが、この本はわかりやすく解説されています。それに、選ばれた和歌もいいものばかりでした。入門書としては最適な本だと思います。もう少し、万葉集の世界を楽しんでみたいと思いました。
新年号「令和」が万葉集からとられたので、「はじめて楽しむ万葉集」上野誠著(角川文庫)を買ってみました。この本の中から、気に入った和歌を2,3紹介しながら、桜の写真もアップいたします。
石走る(いわばしる)
垂水の上の(たるみのうえの)
さわらびの
萌え出ずる春に(もえいずる はるに)
なりにけるかも
(志貴の皇子 巻8の1418)
岩の上を、ほとばしり流れ出る 滝のほとりのわらびが
萌えだすように天に向かって伸びていく………。
春になった!
この和歌は、「万葉集」の中でも一番人気のある歌だそうです。春が来た喜びをこれだけ
率直に、上品に、生き生きと描いた歌は他にないからなのだそうです。これはなんとなく
知っていました。
冬過ぎて
春し来たれば(はるしきたれば)
年月は(としつきは)
新たなれども(あらたなれども)
人は古り行く(ひとはふりゆく)
(作者未詳 巻10の1994)
冬が過ぎて
春がやってくると、
年月は
新しくなるけれども……。
人は古くなっていく……。
一定の年齢を越えると、人は「お誕生日が嬉しくない」と思う。人は、時に年をとることを
喜び、時にそれを嘆くという気持ちが込められている和歌です。言い得て妙だと思います。
忘るやと
物語して(ものがたりして)
心遣り(こころやり)
過ぐせど過ぎず(すぐせどすぎず)
なほ恋にけり
(作者未詳 巻12の2845)
忘れることもあろうかと
人と世間話などをして、
気を紛らわせて
物思いを消し去ってしまおうとしたが……
一層恋心は募るばかりだった……。
恋の歌も多い万葉集。恋は一過性のもの、個人的なもの、一人一人のものである。
しかし同時に恋の気持ちというものは、多くの人が共感する気持ちでもあることが、
この歌からわかるとのこと。
我が背子を(わがせこを)
今か今かと
出で見れば(いでみれば)
沫雪降れり(あわゆきふれり)
庭もほどろに
(作者未詳 巻10の2323)
わたしのいい人を
今か今かと待って、
出てみると……。
沫雪が降っていた。
庭にもうっすらと。
恋人がやってくるのではないかと思って、戸口まで駆け出してみて、見た物は雪だった。
人を待っている女というものは、自分の神経を「待つ」ということに集中させる。それで、
待つ女の自然を見る目が、細やかになるのだそうだ。
万葉集と意識して本を読んだのは初めてでしたが、この本はわかりやすく解説されています。それに、選ばれた和歌もいいものばかりでした。入門書としては最適な本だと思います。もう少し、万葉集の世界を楽しんでみたいと思いました。
zombiekongさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-14 18:30)
コザックさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-14 18:31)
xml_xslさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-14 18:32)
芝浦鉄親父さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-14 20:42)
はっこうさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-14 22:56)
SORIさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-14 22:57)
元号のおかげで万葉集に注目が集まっていますね!
「あかねさす紫野行きしめ野行き 野守は見ずや君が袖振る」
私の知識は、昔々読んだ漫画「天の果て地の限り」レベルです^^;
by ゆきち (2019-04-14 22:59)
ゆきちさんへ
こんばんは。コメントありがとうございます♪
私も万葉集は、なんとなく聞き覚えがあるなという程度です。「令和」のお蔭で、初めてこの本を手に取りました。
ゆきちさんがご存知の和歌は知りませんでした。いい和歌ですね。日本の漫画はレベルが高い!(@_@)
ところで、今日もQueenを聴きました。日本だけのベスト盤、
「JEWELS」です。好きな曲ばっかり。この中でも、やはり「ボヘミアン・ラプソディ」は他と一線を画す名曲だなぁと感心しながら、楽しみました。
by coco030705 (2019-04-15 00:04)
>自分の神経を「待つ」ということに集中させる。
むかーし、文通していた時、毎日の郵便受けに対し
気持ちは「待つ」ことに集中していました。
by いっぷく (2019-04-15 03:37)
いっぷくさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪
文通、懐かしいですね。私は、外国人の人と英語の勉強のために文通していました。が、書くことがなくて(英語力がなかったので)、急に途絶えてしまいました!(^_^;)
by coco030705 (2019-04-15 18:11)
(。・_・。)2kさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-15 18:13)
@ミックさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-15 18:14)
鉄腕原子さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-15 18:15)
ryo1216さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-15 18:16)
Edyさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-15 18:17)
Nakaさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-15 18:17)
angie17さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-15 18:18)
soramoyouさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-15 22:28)
Taekoさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-15 22:29)
きささんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-15 22:46)
cocoさん、日本人に昔から愛されて来た特別の花、さくら、歌にも、たくさん詠まれているけれど、一番古い万葉集からのうたを花に合わせて、すてきな記事ですね。
私も一番上の句は学校で習いました。さわらびの もえいずる はる
蕨がさわらびって、おかしい、と思って覚えてます。
わがせこを今か今かと、、あわゆきふれり、、の句には白い雪のような花の写真、粋でいいですね。
by TaekoLovesParis (2019-04-15 23:55)
Taekoさんへ
こんばんは。コメントもありがとうございます♪
色々おほめいただき、嬉しく思います。(*^-^*)
万葉集は、ほとんど知らなかったのですが、令和をよい機会として、もう少し読んでみたいと思っています。
作者未詳が多いので、きっと歌を交わすというのが、自分の気持ちを伝えるための手段だったんですね。電話もスマホもない時代ですもの。優雅ですね。
by coco030705 (2019-04-16 00:06)
カメラde防犯さんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-16 17:28)
こんばんは、臥竜公園の桜に、コメントを
有難うございました。
桜の名所はたくさん有りますね、
見ごろの桜を訪ねて見ました。
綺麗な桜並木ですね、スマホの画像綺麗です。
by tarou (2019-04-16 18:39)
いにしえの言葉って、響きがいいですよね^^。
桜の写真とともに、紹介してくださった歌を拝見して、心おだやかになりました。
by Inatimy (2019-04-16 19:07)
tarouさんへ
こんばんは。nice!&コメントもありがとうございます♪
桜の美しい映像をいつも見せていただき、ありがとうございます。
私の写真、スマホになってからよくなりましたか。嬉しいです。
(^.^)
by coco030705 (2019-04-16 20:53)
Inatimyさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
おっしゃるとおりですね。昔の言葉はいいと思います。もう少し、万葉集に浸りたいと思っています。
by coco030705 (2019-04-16 20:57)
coco030705さん こんばんは
今年は人の多い上野公園の桜しか見に行っていないので、静かな雰囲気の桜を見るとほっとします。
by SORI (2019-04-16 21:51)
SORIさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
東京は人がすごく多いですものね。神戸のほうの桜が静かに
ご覧になれるのでは。北摂も人は少なかったです。
by coco030705 (2019-04-17 01:17)
ネオ・アッキーさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-17 01:19)
今年は桜が長く楽しめやしたね。
青空の下の桜のお写真、とても綺麗でやす。
令和まであと2週間でやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2019-04-17 19:26)
ぼんぼちぼちぼちさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
ほんとうに、今年は寒の戻りがありましたので、桜が花を保って、
長く楽しめてよかったですね。
写真、おほめいただき、嬉しく思います。(^^♪
とうとう平成もおわりですね。令和がいい時代になることをお祈りしましょう!
by coco030705 (2019-04-17 20:44)
お早うございます、長坂牛池に
コメントを有難うございました。
桜前線は北上していますね、
昨日は、三春の滝桜がテレビで
放送されていました。
◆2016にUPした、「三春の滝桜」お時間が
有りましたらご覧頂ければと思います。
https://webtarou.blog.so-net.ne.jp/2016-04-11-1
by tarou (2019-04-18 07:30)
tarouさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます♪
三春の滝桜、つとに有名ですね。記事見せていただきました。本当に見事な桜、「滝」の名にふさわしいですね。この近くに玄侑宗久さんがご住職の、福じゅう寺があるので、ぜひ一度はこの町を訪れたいと思っています。
by coco030705 (2019-04-18 10:44)
玄侑宗久さん、だいぶ前になりますが、
テレビに良く出られていた方ですね。
福聚寺(ふくじゅうじ)さんにも、
立派なしだれ桜が有ります。
https://webtarou.blog.so-net.ne.jp/2016-04-15-2
by tarou (2019-04-18 10:52)
tarouさんへ
再コメントありがとうございます♪
福聚寺の桜もすばらしいですね。来年ぐらいに行ってみようかなと思いました。
by coco030705 (2019-04-18 11:29)
「直chan」さんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-18 11:31)
かんたんお小遣いかせぎさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-18 18:46)
ハマコウさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-18 21:51)
mayuさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-19 21:45)
お早うございます、春の清春芸術村に
コメントを有難うございました。
いつも、フォトムービーをご覧頂き
有難うございます、古木にたくさんの
花を付けているのが圧巻でした。
by tarou (2019-04-20 08:28)
tarouさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます♪
古木なのに、桜の花が見事ですね。
by coco030705 (2019-04-20 16:19)
mphotoさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-20 16:20)
takaさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-20 21:22)
kazukazuさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-21 12:52)
ニコニコファイトさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-22 10:00)
アルファルハさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-22 22:32)
匁さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-23 22:03)
テリーさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-23 22:04)
miyokoさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-24 23:12)
kontentenさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-04-25 18:39)
万葉集、40年もご無沙汰でした。人の気持ちって、1000年経っても変わらないものですね。ありがとうございました。ちなみに、万葉集の頃はソメイヨシノもなかったので、日本の花は梅でした。数百首詠まれているそうです。また読んでみようと思います。
by ようしゅう (2019-04-26 13:20)
ようしゅうさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
私は、万葉集はほとんど知らなくて、上野 誠さんの本でいい歌集だなと思いました。人間の心は太古から、それほど変わっていないということですね。面白いと思います。
by coco030705 (2019-04-26 17:59)
のどかな春空と、ふわりと咲く桜並木♪
気持ちのよい眺めですね〜♪
万葉集は、ほとんど知らないのですが、
古の人々は、季節の移ろいを感じて、歌を詠む・・・
雅な暮らしをなさっていたのですよね(^.^)
by のらん (2019-04-27 14:25)
のらんさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪
写真、褒めていただき嬉しく思います。(^.^)
古代は、電話も✉もスマホもなかったので、相手に気持ちを伝えるのは、和歌や手紙だったのでしょうね。そんなにすぐに相手にも届かないし、返事もゆっくりですね。ゆったりと時間が流れていたんだなと思います。
それでも、共感できる歌がたくさんあるので、人間ってそんなに変わっていないのだなと興味深く感じました。
by coco030705 (2019-04-27 14:56)
nonさんへ
こんばんは。こちらにも、nice!&ご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-05-04 22:17)
うりくまさんへ
こんばんは。こちらにも、nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2019-05-18 19:25)