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グッバイ、リチャード [外国映画]

 ジョニー・デップが主演。リチャード(J.デップ)は大学教授で、ある日余命180日を宣告される。いままで何不自由なく暮らしてきたが、残された時間をやりたいことをやって生きることにしたリチャードの、ハチャメチャともいえる、全く暗さのない、コメディタッチの映画だった。いつでも、どんなときも、ジョニー・デップはジョニー・デップなのである。


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 美しい妻ヴェロニカ(ローズ・マリー・デウィット)や素直な娘クレア(ゾーイ・ドゥイッチ)と何不自由ない暮らしを送る大学教授リチャード(ジョニデ)は、医師からある日思いもかけない余命宣告を受ける。落ち込むリチャードに妻が突然不倫を告白する。


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リチャード(ジョニー・デップ)/クレア(ゾーイ・ドゥイッチ)/ヴェロニカ(ローズマリー・デウィット) 

 死を前に怖いものなしとなった彼は、残りの人生を自分のために謳歌することを決意。ルールや立場に縛られない新しい生き方はこれまでにない喜びをリチャードに与え、そんな彼の自由な言動は学生たちも変化を与えていく。


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 リチャードは、妻に「不倫は知っていたが、今まで黙っていただけだ。でもこれからは、好きなようにさせてもらう」といって、飲んだくれて、ウエイトレスをナンパし、学生たちにマリファナの売人を紹介してほしいという。


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 リチャード(ジョニー・デップ)とクレア(ゾーイ・ドゥイッチ)


 しかしながら、その型破りな行動が、かえって学生たちに受け入れられ、人気が高まる。リチャードは、学生たちに「人生にもがいて失敗して正面からぶちあたれ。自分だけのストーリーを生きるんだ」という。


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 妻ヴェロニカの不倫相手は、リチャードとも親しい男で、その家でパーティーが開かれ家族3人で行くことになった。そしてその場でリチャードは、自分がガンで余命180日とパーティー参加者に明らかにする。娘クレアはショックを受けると同時に、父親のことを理解するのだった。
 この場面のクレア役のゾーイ・ドゥイッチの演技がとてもよかった。父親に対する愛情が沸き上がるのを自然に演じていた。
 そして「やられたらやり返す!」じゃないですけど、リチャードは全員の前で、妻の不倫相手の奥さんに強烈なキスをするのだった。(相手の奥さんはうっとりしてました(^^♪)


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 リチャードは愛犬と一緒に家を出て、夜の月明かりに浮かび上がる、銀色の道へ向かうのだが、その道を左にも右にも行かず、真っすぐに突き進む、ような気がした。この最後の場面がよくわからなかったので、もう一度観てみたいのだが。私の解釈ではリチャードはこのとき、天に召されたのかなと感じたのである。

 2年ぶりの新作公開となったが、ジョニー・デップはどんな映画にでていても、彼の存在感が前面に出て来る役者で、役になりきって演じるというタイプではないように思う。ジョニー・デップはそこに居るだけで、とてつもなく魅力的なのである。

原題:THE PROFESSOR(Richard Says Goodby) 監督:ウェイン・ロバーツ
出演:ジョニー・デップ、 ローズマリー・デウィット、 ダニー・ヒューストン、
ゾーイ・ドゥイッチ、 ロン・リビングストン、 オデッサ・ヤング
2018年 アメリカ

 ジョニー・デップは、1984年「エルム街の悪夢」でデビューして、今年で俳優人生36年、出演(監督作も含む)の作品は70本になります。いままでジョニー・デップの作品をほとんどみていますが、その中で私の好きな映画をあげておきます。

 1993年 妹の恋人
      ギルバート・グレイプ
 1995年 ニック・オブ・タイム
 1999年 ナインスゲート(オカルトチックは映画でなぞ解きもあり)
 2000年 ショコラ(ジプシーの青年役がカッコイイ)
 2001年 耳に残るは君の歌声
 2004年 シークレット・ウインドウ(スティーブン・キングのホラー)
 2010年 アリス・イン・ワンダーランド
 2017年 パイレーツ・オブ・カリビアン最後の海賊
      オリエント急行殺人事件
 2018年 グッバイ・リチャード 

 私がブログを始めたのが2005年からなので、それ以前の記事は「ナインスゲート」を除いてかいていません。他のは、ブログのサイドにある記事検索欄に、映画のタイトルを書き込んでクリック、で出てきます。その際、映画の太字タイトルをクリックしていただくと、記事の全文が表示されます。よろしかったらごらんください。

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京都市京セラ美術館「最初の一歩:コレクションの原点」

 9月になっても暑かったので、私は少々夏バテ気味でした。記事をサボっておりました。皆様きちんと記事を更新なさっている方が多いですね。ss-blogの方々は、お元気な方ばかりですごいと思います。

 今年初めに京都市美術館がリニューアルオープンして「京都市京セラ美術館」となり、「最初の一歩:コレクションの原点」を開催して、コロナで自粛になったりしながら再開しました。最終日の9月6日に行って来ました。


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 京セラ美術館正面玄関


「京都市美術館」のコレクションの「最初の一歩」がどのような内容であったのか、87年の歴史を遡って紹介する特別企画。開館3年目(1935年)の春に初めて開催した「本館所蔵品陳列」に出品された、コレクションの原点となる所蔵作品47点(1926年〜1934年制作)を一挙に展示します。

 その内訳は、日本画22点、洋画10点、彫刻5点、工芸10点ですが、開館記念展となった大礼記念京都美術展や第15回帝展、第21回院展の出品作から美術館が購入した作品(38点)に加えて、美術館建設を推進した大礼奉祝会や作家から寄贈された作品(9点)が含まれていました。
本展を通して、再出発する美術館のコレクションの将来への「夢」を皆様とともに描いていきたいと願っています。

以上、サイトの記事より引用しました。


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 美術館の入り口は地下1階になっていて、正面から大きく広いスロープが作ってあり、階段を降りなくても入れるようになっています。ガラス張りで明るい感じの玄関です。


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 岡田三郎助 「満州記念」昭和8年
 満州国建国1周年を記念して、現在のはん陽にある、北陵の隆恩門を描いた作品。中国らしい朱色と黄土色が美しいです。


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 (五代)清水六兵衛(六和)「大礼磁仙果文花瓶」大正15年
 桃の木に所狭しと止まるオウムを描いています。地は薄桃色で、とても美しい花瓶です。じっと見つめてしまいました。「大礼磁」と名付けた作者の独自技法の代表作。


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 中村大三郎 「ピアノ」大正15年
 赤い振り袖姿の令嬢。作者の妻がモデルだそうです。着物や帯の柄、フロアスタンドの笠、楽譜も全てきっちりと描かれていて、その細かさと美しさに見惚れました。


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 まつ本 一洋 「餞春(せんしゅん)」昭和3年
舞子が扇子で拍子をとりながら、唄の稽古にいそしんでいます。見事な庭園に、藤の花が咲き松の新芽がでている様子からは、春が過ぎて新緑の季節を迎えていることがわかります。
 

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 中村大三郎 「女人像」昭和9年
 端正な線描が女性の気品とみずみずしさを醸し出し、薄紫の着物のなかに赤い唇が艶やかさを添える。帯を締めてウインザーチェア座り、背を伸ばす姿は、正に当代の女性。この絵、本当に美しくて魅せられました。


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   展覧会会場の様子


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 小磯良平 「踊りの前」昭和9年
 出番を待つ踊り子の細く長い首から肩へかけての筋肉が、きたえられた肉体の美しさを物語っている。小磯良平もたくさん作品があるが、なかでもこれはすばらしい絵だと思いました。一番好きな作品です。


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 左:(六代)清水六兵衛 染付草花紋花瓶 昭和9年
 蘭や紫陽花、あさみ、百合などの草花が、大胆にデザイン化された花瓶。白地に紺の模様が美しい。
 右:山崎覚太郎 「蝸牛宝石箪笥」 昭和9年
 宝石箱の蓋に雨と蝸牛がデザインされていて、色も美しくモダンな感じがします。


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 太田聴雨 「種痘」昭和9年
 女医が女性の皮膚にメスで切り込みを入れ、種痘(天然痘の予防接種)を行っている。
 こういう場面の絵は観たことがなかったので、珍しいなと思った。清潔感があり美しい絵画。


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 菊池契月 「散策」昭和9年
 短髪の少女が洋犬と散歩する。当時とてもモダンであった光景を絵描いている。少女とはいえ、この人は、息子と結婚したばかりの若妻だそうだ。着物の柄もモダンな感じがする。当時はやりの柄だったとのこと。

 この他にも、永田春水「猫」(日本画)と大野隆一「猫」(木彫)などすばらしい作品があったが、残念ながら画像がなかった。

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 これは、中庭に展示されていた、岡村ゆかりの「ときどきのミュージアム」という作品である。

 待望のリニューアルだった京都市京セラ美術館、なかなかすばらしい建物で、この展覧会も「最初の一歩」にふさわしい充実した内容でした。これからどんな展覧会が開かれるのかが楽しみです。

 この記事で採用した画像は、全てインターネットのサイトからお借りしました。

 皆さま、夏のお疲れが出ませんよう、お身体をお大切になさってください。

 
 



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