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京都市京セラ美術館「最初の一歩:コレクションの原点」

 9月になっても暑かったので、私は少々夏バテ気味でした。記事をサボっておりました。皆様きちんと記事を更新なさっている方が多いですね。ss-blogの方々は、お元気な方ばかりですごいと思います。

 今年初めに京都市美術館がリニューアルオープンして「京都市京セラ美術館」となり、「最初の一歩:コレクションの原点」を開催して、コロナで自粛になったりしながら再開しました。最終日の9月6日に行って来ました。


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 京セラ美術館正面玄関


「京都市美術館」のコレクションの「最初の一歩」がどのような内容であったのか、87年の歴史を遡って紹介する特別企画。開館3年目(1935年)の春に初めて開催した「本館所蔵品陳列」に出品された、コレクションの原点となる所蔵作品47点(1926年〜1934年制作)を一挙に展示します。

 その内訳は、日本画22点、洋画10点、彫刻5点、工芸10点ですが、開館記念展となった大礼記念京都美術展や第15回帝展、第21回院展の出品作から美術館が購入した作品(38点)に加えて、美術館建設を推進した大礼奉祝会や作家から寄贈された作品(9点)が含まれていました。
本展を通して、再出発する美術館のコレクションの将来への「夢」を皆様とともに描いていきたいと願っています。

以上、サイトの記事より引用しました。


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 美術館の入り口は地下1階になっていて、正面から大きく広いスロープが作ってあり、階段を降りなくても入れるようになっています。ガラス張りで明るい感じの玄関です。


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 岡田三郎助 「満州記念」昭和8年
 満州国建国1周年を記念して、現在のはん陽にある、北陵の隆恩門を描いた作品。中国らしい朱色と黄土色が美しいです。


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 (五代)清水六兵衛(六和)「大礼磁仙果文花瓶」大正15年
 桃の木に所狭しと止まるオウムを描いています。地は薄桃色で、とても美しい花瓶です。じっと見つめてしまいました。「大礼磁」と名付けた作者の独自技法の代表作。


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 中村大三郎 「ピアノ」大正15年
 赤い振り袖姿の令嬢。作者の妻がモデルだそうです。着物や帯の柄、フロアスタンドの笠、楽譜も全てきっちりと描かれていて、その細かさと美しさに見惚れました。


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 まつ本 一洋 「餞春(せんしゅん)」昭和3年
舞子が扇子で拍子をとりながら、唄の稽古にいそしんでいます。見事な庭園に、藤の花が咲き松の新芽がでている様子からは、春が過ぎて新緑の季節を迎えていることがわかります。
 

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 中村大三郎 「女人像」昭和9年
 端正な線描が女性の気品とみずみずしさを醸し出し、薄紫の着物のなかに赤い唇が艶やかさを添える。帯を締めてウインザーチェア座り、背を伸ばす姿は、正に当代の女性。この絵、本当に美しくて魅せられました。


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   展覧会会場の様子


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 小磯良平 「踊りの前」昭和9年
 出番を待つ踊り子の細く長い首から肩へかけての筋肉が、きたえられた肉体の美しさを物語っている。小磯良平もたくさん作品があるが、なかでもこれはすばらしい絵だと思いました。一番好きな作品です。


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 左:(六代)清水六兵衛 染付草花紋花瓶 昭和9年
 蘭や紫陽花、あさみ、百合などの草花が、大胆にデザイン化された花瓶。白地に紺の模様が美しい。
 右:山崎覚太郎 「蝸牛宝石箪笥」 昭和9年
 宝石箱の蓋に雨と蝸牛がデザインされていて、色も美しくモダンな感じがします。


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 太田聴雨 「種痘」昭和9年
 女医が女性の皮膚にメスで切り込みを入れ、種痘(天然痘の予防接種)を行っている。
 こういう場面の絵は観たことがなかったので、珍しいなと思った。清潔感があり美しい絵画。


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 菊池契月 「散策」昭和9年
 短髪の少女が洋犬と散歩する。当時とてもモダンであった光景を絵描いている。少女とはいえ、この人は、息子と結婚したばかりの若妻だそうだ。着物の柄もモダンな感じがする。当時はやりの柄だったとのこと。

 この他にも、永田春水「猫」(日本画)と大野隆一「猫」(木彫)などすばらしい作品があったが、残念ながら画像がなかった。

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 これは、中庭に展示されていた、岡村ゆかりの「ときどきのミュージアム」という作品である。

 待望のリニューアルだった京都市京セラ美術館、なかなかすばらしい建物で、この展覧会も「最初の一歩」にふさわしい充実した内容でした。これからどんな展覧会が開かれるのかが楽しみです。

 この記事で採用した画像は、全てインターネットのサイトからお借りしました。

 皆さま、夏のお疲れが出ませんよう、お身体をお大切になさってください。

 
 



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