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知られざるミュシャ展 [アート・カルチャー]

 京都の伊勢丹京都店「美術館えき」で開催中の「知られざるミュシャ展」へ行ってきました。


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 以下、チラシに書いてあることですが、読みにくいので、ここに再度書いておきますね。
 アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)。ミュシャは、オーストリア帝国の支配下にあった南モラヴィア地方(現、チェコ共和国)のイヴァン チッツェに生まれました。パリで1894年暮れに舞台女優サラ・ベルナールの公演「ジスモンダ」のポスターの制作依頼を受け、1895年新年、ポスターがパリの街頭に貼り出されるやいなや、ミュシャは一夜にしてパリ中の話題をさらい、画家として一気にスターダムにのしあがったのです。


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 1900年のパリ万国博覧会でもパビリオンの装飾を任されるなど、アール・ヌーヴォーは別名「ミュシャ様式」とも呼ばれるほど、アール・ヌーヴォーの旗手としての地位を不動のものにしました。商業的成功を収めたミュシャは、1910年、故国モラヴィアに帰郷。1918年、チェコスロバキア共和国成立にあたってはほとんど無償で、紙幣、切手、国章などをデザイン、またプラハ市庁舎ホールの装飾を引き受けるなど、あらゆるジャンルにわたり多芸多才ぶりを発揮。パリの華やかな時代とは異なり、晩年は祖国への思いを描き続けました。本展では、チェコのチマル・コレクション(個人コレクション)を中心に、約160点の作品を展覧。日本でのチマル・コレクションの公開は初めてだそうです。


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 私はミュシャが好きなのですが、展覧会にははじめて行きました。この装飾的な、すばらしく美しいリトグラフやポスターのほかに、油絵や肖像画などもあり、充実した展覧会となっています。油絵は(↑のチラシにも載っていますが)初めてみました。興味深かったです。特にチェコスロバキアの切手やポスターなどは珍しく、パリ時代とは一味違った雰囲気です。3月31日まで(会期中無休)。お好きな方はぜひご覧になったらいかがでしょうか。



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カンディンスキーと青騎士展 [アート・カルチャー]

 あまり抽象画は得意ではないのですが、カンディンスキーは以前から好きだったので、兵庫県立美術館に出かけてみました。

 20世紀初頭のドイツ・ミュンヘン。ロシア生まれの巨匠ヴァシリー・カンディンスキーは、仲間とともに斬新な絵画作品を生みだし、1911年、新しい美術運動を展開させるべくグループを結成しました。それが「青騎士」です。彼らは展覧会の開催や書籍の刊行を通して、モダン・アートの歴史に輝かしい足跡を残しました。

 この展覧会では、カンディンスキーの実質的な伴侶であった画家ガブリエーレ・ミュンター旧蔵の作品を中心に、ミュンヘン市立レンバッハハウス美術館が所蔵する世界屈指の青騎士コレクションのなかから、代表作を含む60点の作品と当時の写真や資料によってこの美術運動を紹介しています。

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 ヴァシリー・カンディンスキー 「花嫁」 1903年


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 ヴァシリー・カンディンスキー 「コンポジションⅦのための習作2」 1913年


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 フランツ・マルク 「牛、黄ー赤ー緑」 1911年

 カンディンスキーの絵は色が美しく、はっきりとした色のコントラストが印象的です。またミュンターとヨーロッパを旅したときに描いた小さい風景画がたくさんあり、当時の青騎士の写真もあったりで、とても楽しい展覧会でした。

 カンディンスキーの絵が、だんだんと抽象画に移っていく様子も良くわかる展覧会でした。

 カンディンスキーはロシアに家族がいたものの、ガブリエーレ・ミュンターと意気投合し、彼らは実質的なパートナー関係にありました。カンディンスキーとミュンターは1909年から一緒にムルナウに住み、近くのジンデルスドルフにはマルクとカンペンドンクが居を構えました。

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 ムルナウの家

 ミュンヘン新芸術家協会との諍いの後、カンディンスキーが協会を去った1911年から、カンディンスキーとマルクは協働して新たな芸術運動に精力的に取り組み、ムルナウのミュンターの家は土地の人々に「ロシア人の家」と呼ばれ、またたく間に青騎士の芸術家たちのたまり場となりました。1912年にはカンディンスキーとマルクの編集によって年刊誌『青騎士』第一巻が刊行されました。
 
 カンディンスキーとマルクの他に青騎士に加わったのは、マッケ、ミュンター、ヴェレフキン、ヤウレンスキー、クビンでした。パウル・クレーは公認のメンバーではなかったのですが、青騎士に非常に親近感を持ち、作品を出品しています。青騎士は描写することから解放された抽象絵画を生む母体となりました。

 しかし、第一次世界大戦(1914~)の勃発により、カンディンスキーはロシアへ戻らざるを得なくなり、1916年にはミュンターと別れたということです。そして青騎士のグループもバラバラになっていったのだそうです。

 以上の解説は展覧会のチラシとウィキペディアからのものです。

 カンディンスキーとミュンターの関係を思うに、芸術家と恋愛は切り離すことが出来ないもので、ほんとうのパートナーを得ることによって芸術家はそれを源として作品を生み出していくものなのだなあと、色々想像を膨らませながら、美術館を後にしました。

 
 
 

 
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ウフィツィ美術館自画像コレクション [アート・カルチャー]

 ソネブロアート部門の人気ブロガーTaekoさんの記事を読んで、ぜひ行きたいと思っていました。11月末に、大阪国立国際美術館に巡回してきたので行ってきました。

 ウフィツィ美術館は、イタリア・フィレンツェにある美術館です。これまで公開の機会が限られていた同自画像コレクションから約70点を厳選し、本格的に紹介する展覧会です。教科書に登場するような巨匠たちの素顔に迫るまたとない機会となります。(以上チラシより)

 今まで絵画はよく知っているけれど、画家の素顔はあまり知らなかったのですが、こういう人が描いていたのかと感慨深かったです。また絵画の横にその人の作品が小さい写真で展示されていたのも親切でいいと思いました。

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 「ラヴィニア・フォンターナ/スピネッタの前の自画像」
 よく知らない画家ですが、肖像画がとてもきれいでした。スピネッタは楽器の名前でしょうか?



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 「モーリス・ドニ/家族といる画家の自画像」
 色彩がとても魅力的な絵でした。背景が風景なのも素敵です。



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 「ニコラ・ハヴァラーケン/花輪のなかの自画像(?)」
 美しい花輪のなかに、キャンバスを破って登場する画家。とてもおもしろい構図だと思いました。



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 「エリザベート・シャブラン/緑の傘を手にした自画像」
 これはシャブランが10代のときに描いた絵です。才能のほどが伺えますね。



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 「草間彌生」
 クサマは幼い時からスミレや犬と話したそうです。ユニークな絵です。



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 「マルク・シャガール/自画像」
 幻想的な絵で人気がある画家ですが、生涯妻を敬愛した人なのだそうです。


 このほかにも、レンブラント、アングル、キリコ、レオナルド・藤田、横尾忠則などの自画像があり、この人があの絵を描いたんだなと想像すると、とても楽しかったです。

 ウフィツィ美術館展は、来年の2月20日まで開催しています。

 
 国際美術館の付近でアイススケートリンクが設置され、クリスマスイルミネーションがきれいです。また歩いて5分くらいのところに「リーガロイヤルホテル」があります。ブログサイドのクリスマスの写真はリーガロイヤルのです。ここで豪華にディナーを食してもいいし、お茶だけでもリッチな気分になれること受けあいです。年末の多忙な時期に、ひとときの安らいだ時間を過ごしてはいかがでしょうか。

 この美術展の詳しい解説は、記事トップのTaekoさんのブログを参考になさってくださいね。
 


 



 

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横尾忠則全ポスター展 [アート・カルチャー]

 大阪国立国際美術館で開催中の「横尾忠則全ポスター展」に行ってきました。


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 作品は横尾さんが高校生のころのポスター(上のチラシの中の「西高祭」のポスター)やごく初期の貴重なポスターから、個性あふれる数々のすばらしいポスターが一堂に介し、大変見ごたえがありました。800点超の作品群でした。改めて横尾忠則というアーティストの才能を思い知りました。

 初期のポスターはデザイン的にはとてもきれいなんですが、横尾さんの強烈なイメージはまだぜんぜん感じられなかったです。

 状況劇場の唐十郎、天井桟敷の寺山修司などの時代を象徴する名前がポスターにでていて、懐かしさを感じました。また三島由紀夫のポスターも色々あって、ファンとしては嬉しく思いました。それから猿之助スーパー歌舞伎のポスターもたくさんありました。よく観にいったなあと思い出に浸りました。
 そのほか、時代に活躍した芸能人や歌手の演劇やコンサートのポスターなどがたくさんありました。西城秀樹のポスターもありましたよ。
 横尾さんはピカソの回顧展をニューヨークでみてから「画家宣言」をして、一時油絵なども描いていました。でも結局はグラフィックに戻っていったようです。
 他にも様々なポスターがあり、絵画もありと盛りだくさんでこちらもみるのに体力がいる展覧会でした。

 色の洪水のような展覧会をあとに、一歩美術館から出るといまだに真夏そのものの日差しがギラギラしていて、横尾さんの作品はまさに真夏にふさわしく思えました。

 展覧会は9月12日曜までです。興味のある方はいってみられてはいかがでしょうか。
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ボストン美術館展(京都市美術館) [アート・カルチャー]

 今日は全国的に今年一番の暑さだったようです。そんな中、京都に用事があったので、ついでに京都市美術館で開催中のボストン美術館展に行ってきました。この暑さの中、美術展は平日にもかかわらずたくさんの人でにぎわっていました。


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京都市美術館

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前方の低い山は東山です。緑がほんとうにきれいでした。京都の緑は他の土地の緑とはちがって、澄んだ緑という感じがします。


 この美術展のキャッチコピーは、「名画のフルコースをどうぞ」というもの。本場のボストン美術館が改装中なので、80点もの名画が貸し出されたのだそうです。

 
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 肖像画としては、レンブラントの作品がなんといってもすばらしかったです。全身肖像画で、一対になっています。モデルはオランダ人の牧師夫妻。顔の表情がとても魅力的で活き活きとしていました。レンブラント28歳のときの作品で、天才的な才能の持ち主だったことがよくわかります。ほかにも色々な画家の魅力的な肖像画がたくさんありました。
 
 19世紀のフランス絵画が名品ぞろいであったのもすばらしかったです。特によかったのは、ドガの「田舎の競馬場にて」という風景画で、競馬場と人の乗った馬車と、空がキャンパスの中でほぼ同じ分量で描かれ、それが絶妙のバランスを保っていました。これは、ドガの第一回印象派展出品作品なのだそうです。
 また↑のクロード・モネの「アルジャントゥイユの自宅の庭のカミーユ・モネと子ども」という作品は、明るく美しく品もあって、観る人を幸せな気持ちにさせずにはおかない、魅力的な絵でした。
 それにルノワールの「日傘をさした女性と子ども」は、あのルノワールの流れるようなタッチと色彩の微妙な美しさが際立っていました。


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 そして、モネ・コレクションから10点もの名品が展示されていて、一室全部がモネの風景画でした。こんな幸せなことはありません。変化する風景の色彩のある時間を画面にくぎづけした絵です。すばらしい作品ばかりで、何度も行きつ戻りつしてモネの世界を楽しみました。

 また、宗教画もかなりの数の作品が展示されていました。今回はイタリアのヴェネツィア派とスペイン絵画から選ばれたそうです。このなかでは、エル・グレコの「祈る聖ドミニクス」が印象的でした。

 風景画の系譜として、ライスダールの「森林の眺め」(日本初公開)、コンスタンブルの「ストゥア谷とデダム教会」(日本初公開)、そして、大好きなピサロのすばらしい数枚の風景画がありました。ピサロのなかでは、「ボントワーズ、道を照らす陽光」が好きでした。シスレーのも素敵でした。

 また、ジャン=フランソワ・ミレーの「馬鈴薯植え」も素朴ながら非常に魅力的な絵でした。ゴッホの風景画も力強いタッチとくっきりした色使いが美しかったです。

 またピカソの抽象画も一点あり、ブラックの静物画のモダンな色彩とタッチがよかったし、マチスの楽しい自室の絵もありました。天才たち47名の名作を前に、いつまでもそこを去りたくないという気持ちでした。

 絵画の写真がほとんどアップできなかったので、朝日新聞の記事をご覧ください。

 アドレス:http://www.asahi.com/boston/intro/

ボストン美術館展は8月29日曜まで京都市美術館で開催しています。ぜひ名画のフルコースを味わって暑さを忘れてください。



 


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にゃんとも猫だらけ展 [アート・カルチャー]

 JR京都伊勢丹7階の美術館「えき」で催されている浮世絵の中の猫展に行ってきました。


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 犬と並び、動物の中でも最も人と寝食を共にするのが猫です。この展覧会は、浮世絵の美人画の中に描かれたかわいい猫や、擬人化された猫、歌舞伎の人気役者の似顔絵で人間らしく振舞い、物語の怪猫や魔物として登場する猫など、さまざまな浮世絵の中の猫が描かれ、とても興味深い展覧会でした。

 江戸の昔から猫は、「黒より黒き毛に雪より白きぶち猫、燃え立つ緋縮緬の首玉かけしを美しき娘抱きたるは、牡丹に蝶のとまりたるがごとし」(「黒より黒い毛、雪よりも白いぶち猫、美しい娘が抱いた鮮やかな赤い色の縮緬の首輪をかけた猫などは、牡丹に蝶がとまっているようだ。」『猫の草紙』初編
とたたえられています。
 猫という動物が人間にどんなに愛されてきたか、また人の孤独を慰めてきたかがわかります。そしてまた、そのミステリアスなわかりにくい本性ゆえに、怪猫としても演劇や絵画や本の中に大いに取り上げられてきました。

 この浮世絵展をみて、改めて浮世絵という絵画のすばらしさを堪能するとともに、歌舞伎が庶民の身近な演劇だったことがよくわかりました。  

 ただ単に、浮世絵の中に猫が描かれていて珍しいということ以上に価値のある展覧会だと思います。

 猫好きの方、必見ですよ。7月11日曜までです。会期中は無休です。


                                                         


 このあと四条河原町へ移動し、京都高島屋の「キャピタル東洋亭」でお食事。ここは京都で有名な洋食屋さんで、高島屋の食堂街に入っています。

 ハンバーグ定食ですが、ここのはアルミホイルで包んであり、熱々でおいしいのです。

 まずは小ぶりのトマトを1個使ったトマトサラダ。

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 お次が、熱々ハンバーグ。クレソンと大きなジャガイモのバターのせが添えてあります。ジャガイモも熱々で美味。

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 これにライスかパンがついて、1155円也。

 この後イノダコーヒーに行って、コーヒーを飲みたかったのですが、四条河原町付近にはないとのことでまた次回に行くことにしました。

 高島屋の地下で京都のお惣菜や和菓子を買って帰宅。楽しい一日でした。
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マリー・ローランサン展 [アート・カルチャー]

 マリー・ローランサンは大好きな画家だ。今回の美術展は、ローランサン生誕125周年を記念し、長野の蓼科にある世界的に有名な「マリー・ローランサン美術館」所蔵の油絵、水彩、版画など約90点の作品を通し彼女の生涯を回顧する展覧会である。会場は、大阪天保山のサントリーミュージアムである。

 エコール・ド・パリを代表する女性画家、マリー・ローランサン(1883-1956)。彼女はベルエポックのパリに育ち、ピカソを中心としたエコール・ド・パリの画家たちと交流しながら画家の道を歩みはじめる。当初はキュビズム的な傾向の作品を描いてた。

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 自画像(1908年)

 これなどは、ローランサンのイメージとはまったく違うキュビズムの画風なので、大変驚いた。このほか、やはりキュビズムの手法で、パブロ・ピカソの横顔を描いた絵もあった。どんな天才も、自分の画風を確立するのに、いろいろな道を通るのだなと思った。 


 ローランサンの色はバラ色・灰色・青色など淡い色調である。そして優美な女性たちを描き続けた。彼女は独自の作風を確立し、自立した女性画家として初めて認められた女性でもあるのだそうだ。

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 らっぱをもって(1929年)

 まさに、ローランサンの色と形。彼女の画風とは裏腹に、生活の中では詩人アポリネールとの情熱的な恋と別れを経験し、(アポリネールの有名な詩「ミラボー橋」は、ローランサンとの別れの後書かれたものだそうだ。)その後、ドイツ人男爵と結婚したが、戦争によってスペインへの亡命生活をよぎなくされる。そして、スペインで貴族の女性の援助をうけていたのだそうだ。そしてその女性とは「きわめて親密な仲」であったということだ。その後、ドイツ人男爵とは離婚。かなり波乱に満ちた生涯をおくった人だった。

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 モンテスパンとラヴァリエール(1952年頃)

 上の3枚の写真のような作品が数多く展示されていて、その美しさにうっとりし夢見心地となった。写真をあまりアップできなかったのが、残念だ。

 ローランサンは、一冊だけ「夜の手帳」という詩集もだしている。そのオリジナル版も展示されていた。↓は、私が偶然古本屋で以前買っていた、翻訳版の詩集「夜の手帳」である。ロマンチックな詩と短いエッセイが書かれている。古い本なので、中の絵が白黒なのが残念だ。

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 展示を見終わってから、ミュージアムショップで図録をはじめ、絵葉書や一筆箋、クリアファイルなどを買い込んで、5000円ほど使ってしまった。[あせあせ(飛び散る汗)] 大阪のサントリーミュージアムでの展示は5月11日(日)まで。

 ところで、サントリーミュージアムは大阪港に面して建っている。外観は以下のような感じだ。

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 この日はいいお天気で気持が良かった。
 
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ロートレック展 ~パリ、美しき時代を生きて~ [アート・カルチャー]

 大阪港天保山の「サントリーミュージアム」で開催中の「ロートレック展」を見に行ってきた。今回の展覧会の特色は、グラフィック・アーティストとしてのロートレックの全貌を見ることができるところだ。
 私は昔からロートレックのポスターが大好きだった。モダンでセンスのいいポスターと版画は、代表作だけを厳選した130点、ふだんあまり展示されることのない雑誌挿絵約20点、さらに保存上の理由からほとんど公開されることのない素描20数点と非常に充実した内容だった。それに加えて、24点の油彩画は、いずれも名品ぞろい。特にオルセー美術館所蔵の、日本初公開をふくむ7点の油彩がまとまって出品されていた。

 ロートレックは貴族の家系に生まれながら、ダンスホールや劇場、娼婦など19世紀末パリの歓楽の世界に入り浸り、そこに暮らす人々の姿を描き出した画家である。
 人物達の表情は必ずしも美しいわけでなく、華やかな表面とは裏腹に見ようによっては醜いとも取れるような表情をしている。これはロートレックが対象の本質を見抜く鋭さをもっていて、また自分自身が10歳のとき両足の骨折により、成長が止まってしまったというハンディキャップをもっていたことと無関係ではないと思う。特に油絵は全体に暗く、ポスターや版画の明るいモダンさとは対照的だった。


女道化師シャ=ユ=カオ

 ポスターは色々な本や図録で見たことのあるものがたくさんあって、本物が見れたことが嬉しかった。想像していたより大きいサイズのものが多かった。今これらを何かのポスターとして使ったとしても、まったく古さを感じないだろう。それは一体なぜなのだろうか。秋の夜長に考えたいテーマである。
 このときのお供はワインとチーズがいいだろうか。それともブランデー(あまり飲んだことがないが)とチョコレート?いや、やはり日本人なら熱燗と土瓶蒸しが最高かしら……。芸術談義はどこへやら。(笑)


 


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モディリアーニと妻ジャンヌの物語展 [アート・カルチャー]

 梅田大丸で開催中の「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」に行ってきた。
 モディリアーニは個性的な肖像画で有名な画家だ。今回は彼の最後の恋人であり、子供も儲けたジャンヌとの
2人展という趣向だ。
 ジャンヌが才能ある画家だったということは全然知らなかった。しかし、今回の展示を見てみると、
彼女が一角の画家であることがよくわかった。これはジャンヌの遺族が秘蔵していたものを近年になって
発見し、公開するに至ったのだそうだ。

 舞台は、第一次大戦後、世界各国から若き芸術家たちが集い、華やかな芸術文化が開花した20世紀初頭のパリ。モンパルナス界隈のカフェには、ロシアからシャガール、ポーランドからキスリング、リトアニアからスーチン、日本からはフジタ...とエコール・ド・パリ(パリ派)と呼ばれる新鋭芸術家たちが集まった。そのなかで、イタリア出身で優雅な曲線と哀愁を帯びたうつろな瞳の肖像画で知られるアメデオ・モディリアーニ(1884.7.12~1920.1.24)は、32歳の時に、18歳の美しい画学生ジャンヌ・エビュテルヌ(1898.4.6~1920.1.26)と出会う。それからほどなくしてふたりは生活を共にする。(パンフレットより)


 上はモディリアーニが描いたジャンヌの肖像画である。右は違った服装のジャンヌのデッサン。
下はジャンヌが描いた自画像とモディリアーニのデッサン。これ以外にもたくさんの2人のデッサンがあった。


 この絵が今回の展示の中で一番好きな絵なので、2枚もアップしてしまった。写真をみてもわかるように、
美男美女のカップルである。モディリアーニは若いころのマーロン・ブランドに似てませんか?

 最初の子供が生まれたときは幸せだったカップルだが、モディリアーニは酒と麻薬におぼれ結核に冒される。そして、35歳で早逝してしまう。彼の死の2日後、ジャンヌは8ヶ月になる二人目の子を宿したまま、後を追って両親が住むアパルトマンの6階から身を投げ、亡くなってしまう。出会いから僅か3年で二人の愛と人生は儚く消えて行った。

 やはりモディリアーニの絵はすばらしかった。背景を描かず、時には人物の瞳を描かないという独特の手法だ。本物を見るとその魅力に惹きつけられる。カタログでは感じられない、絵の持つ「気」がこちらに伝わってくるような感じがした。彼の絵はどんなに時を経ても古くならず、モダンなままなのだと思う。

 2人の運命は悲しいものだったが、それを想いながら展示を見ていると、より深く心に迫ってくるものがあった。時には悲劇をかみしめながら絵をみるのもいいものだと思った。

 展覧会は大丸梅田店15階「大丸ミュージアム」で、9月24日まで。



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大エルミタージュ美術館展 [アート・カルチャー]

 ソネブロのTaekoさんのブログを見て、ぜひ行こうと思っていました。やっと仕事や色々な行事が一段落したので、今日、京都市美術館へ行ってきました。ちょうど連休まえの一日で、それほど混雑していなくて、ゆっくり絵を楽しむことができました。
 
 入口をはいったら、作者不詳の「聖母子」の絵が出迎えてくれました。聖母マリアも幼子イエスも親しみやすい表情をしていて、その衣裳や背景の精緻さに驚かされました。ここから、本当にすばらしい作品のオンパレードが始まります。一人の画家につき1,2作品しかありませんが、どれをとってもその質の高さにびっくりしました。
 以下の画像は、大エルミタージュ展の案内のサイトから取ったもので、ほんの数枚しかサイトに写真がありませんでした。もっとたくさんご紹介したかったんですが、残念です。すみません。

 まずはピエール=オーギュスト・ルノワールの「扇子を持つ女」。青みがかった黒い髪とリボンが印象的だが、流れるような透明感のある、ルノワールのタッチも美しかった。ルノワールの絵は女性が本当に魅力的だ。

 次はイタリア人画家ベルナルド・べロットの作品で、「エルベ川から見たピルナの風景」。エルベ川の右岸から見たピルナのパノラマ画である。ピルナはドレスデンの南東約20kmのとろにある小さな町だそうだ。この絵からは、ゆったりとした日常的な時間と空気が漂ってくる。船や馬や人々が今にも動き出しそうだった。

 三つ目は、ルートヴィヒ・クナウスの「野原の少女」。この絵は今回の展覧会カタログの表紙になっていたり、絵葉書や一筆箋になって販売されていたりの、一番人気作品である。少女の愛らしさと素朴で美しい風景という、わかりやすく罪のない作風が皆に受け入れられるのだろう。私も大好きな絵だ。

 四つ目は、アンリ・ルソーの「リュクサンブール公園、ショパン記念碑」。これは写生ではなく、アトリエ内で制作された作品である。だから、ショパン記念碑の本物とは幾分違っているのだそうだ。この絵の木々の葉っぱの緑の美しさ、そして少し紅葉している葉の美しさは格別だった。この色はカタログでもうまく出ていない。やはり本物に接する以外ないのである。

 五つ目は、エドモン=ジョルジュ・グランジャンの「エトワール広場から見たシャンゼリゼ風景」。こういう精密な風景画が残されていると、この時代の様子が正確に伝わってくる。とはいえ、現在のパリもそれほど大きな変化はないのではないだろうか。パリ通の方、いかがでしょうか。

 六枚目は、ポール・ゴーギャンの「果実を持つ女」。やはりゴーギャンの絵はヨーロッパの絵画の中で異彩を放っていると思う。モチーフや色彩がたいへん魅力的だ。独特の絵である。
 

 ほんとうにすばらしい展覧会だった。ぜひ本物のエルミタージュ美術館に行ってみたいものである。
 ここでは、最初に書いたように、ほんの数枚しか紹介していないが、Taekoさんのブログを見ていただくと、違う絵が紹介されている。解説も楽しいのでそちらもぜひご覧ください。

 絵を見終ったあと、食事してそれから、「イノダコーヒー」の本店に行った。ここは私のお気に入りの店である。
店内は広くゆったりとしていて、禁煙席は中庭があり、小鳥のかごが五つほどさげてあって、小鳥達が元気よくさえずっている。店の人もとても感じがいい。京都でお薦めのコーヒー店である。京都へ行かれたら、一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


 イノダコーヒー本店
 住所:京都市中京区堺町通七条下ル道祐町140
 ℡ : 075-221-0507
 営業時間:7:00~20:00

 大エルミタージュ美術館展  2007年5月13日(日)まで  京都市美術館


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