ライフ・アクアティック：ココのつぶやき：So-net blog

	ブログをはじめるログイン

ライフ・アクアティック　[外国映画] [編集]

監督：ウェス・アンダーソン　　　出演：ビル・マーレイ、　オーウェン・ウィルソン、　
ウィレム・デフォー、　　ケイト・ブランシェット、　アンジェリカ・ヒューストン、　ジェフ・ゴールドブラム
2005年　　アメリカ　　　　ＤＶＤ

　最近、ビル・マーレイが結構気に入っている。「ロスト・イン・トランスレーション」や「コーヒー＆
シガレッツ」にも彼が出演していて、いい映画だった。

　「ライフ・アクアティック」はビル・マーレイが、世界的に有名な海洋探検家にして海洋ドキュメンタリー監督のスティーヴ・ズィスーの役である。スティーヴ（ビル・マーレイ）は、幻のジャガーザメに殺された仲間の仇を討つために、かなり古い捜査船に乗って、最後の航海へ乗り出す。ストーリーを聞くと、冒険物かと思うかもしれないが、これは、コメディである。

　この航海中に色々な出来事や事件が起こるのである。しかし、この映画にとってストーリーはそんなに重要なものではない。この映画は、出演している役者の演技を楽しむ映画なのだと思う。

　ビル・マーレイはやはりすごくおもしろかった。彼の独特の、つかみどころのないとぼけたような、ユーモラスな雰囲気がとても好きだ。

　ケイト・ブランシェットも雑誌記者として船に乗り込んでいる。彼女は妊娠5ヶ月のシングル・マザーの役だ。やはりうまい役者だ。どんな役でもこなしてしまう人なんだなと思った。

　出番は短いがキャラがおもしろいウィレム・デフォーも、印象に残った。彼は「スパイダーマン」の敵役として出演していたのが、やはりしっかりと記憶に残っている。個性的な役者である。

　ジョン・ヒューストン監督の娘のアンジェリカ・ヒューストンは、すごく体格がよくてどちらかというといかつい感じで一見怖そうだ。しかし、衣裳がとっても素敵でかっこよかった。彼女はモデルとしても活躍していたそうだ。なるほどと思った。この映画では、スティーブ（ビル・マーレイ）の元妻を演じていた。

　オーウェン・ウィルソンは、ハンサムだがなぜか陰が薄かった。彼自身のインタビューで、彼の役が「いい人」なのでやりにくかったといっていた。やはり悪役とかの個性的なキャラのほうが役者としてはやりやすいのだそうだ。確かに、「いい人」は面白みがないからだろう。

　それからこの映画のセットは、「断面セット」と呼ばれるものだそうで、捜査船の中が、ちょうど縦割りしたように、観客に見えるようになっている。舞台的なセットだ。その船の内部のインテリアがすごく凝っていた。資料室、キッチン、バスルームなど色々な部屋があって、見るだけでも楽しい。

　また、この作品に出てくる海の生き物たち。これは全て創り物で、ストップモーション・アニメで仕上げている。想像上のカラフルな生物が色々でてきて楽しめる。

　それと衣裳だが、男性陣の船のユニフォームがおそろいなのだ。しかも、毛糸の赤い帽子までおそろい。それから、ビルとオーウェン・ウィルソンが紺のペアルックのセーターを着ているシーンもある。なぜペアルックなのか。それは、映画を見てのお楽しみ・・・。

　物語が進んで、この捜査船は海賊に襲われ、乗組員が人質に捕られるという事件が発生する。そして船長以下、男の乗組員が人質の仲間を救出に向かう。ここはアクションシーンである。しかし、東洋人の海賊が乱発する銃の弾に、船長がぜんぜん倒れない。でも彼は次々と海賊をやっつける。ここはツッコミどころ。（笑）

　そして特筆すべきは、この映画の音楽だ。ブラジリアン・ソウルのカリスマ、セウ・ジョルジがポルトガル語でカバーした、デヴィッド・ボウイのヒット・ナンバーなのだ。彼も船の乗組員の一人として登場し、劇中でも歌う。これはすばらしかった。

　色々な見所がある映画だ。この中に好きな監督（ウェス・アンダーソンって、ハンサムでかっこいい！）や俳優がいて、ストーリーにあまりこだわらなかったら、見て楽しめる作品だと思う。

2006-03-11 20:36 nice!(5) コメント(16) トラックバック(5)
共通テーマ：映画

nice! 5

こんばんは！
ビル・マーレイとセウ・ジョルジは本当に良かったですね。
他のクルーも皆個性的で、家族っぽいところがとても好きです。
TBさせていただきます〜。
by トミュウ (2006-03-11 23:29)

トミュウさんへ
おはようございます！お久しぶりで～す。
ほんとに個性的な役者が揃っていて、皆が家族のようでした。
実際の現場もさぞかし楽しかっただろうなって、想像できるような
おもしろい映画でしたね。
ＴＢありがとうございました。
by coco030705 (2006-03-12 08:31)

マーレイはゴーストバスターズ1,2と三人のゴースト(どれも古いですかね)で見ましたが、洒脱な味がなんともいえないですね
by gillman (2006-03-12 08:47)

gillmanさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
「ゴーストバスターズ」も見ました。でも、このときはビル・マーレイのことを
なんとも思わなかったんですよ。彼の持ち味もわからなかったし・・・。
やはり「ロストイントランスレーション」を見てからですね。彼のおもしろさに
気付いたのは・・・。（ちょっと遅れましたが）
by coco030705 (2006-03-12 08:57)

こんばんは。
「ライフ・アクアティック」は未見です。
ウェス・アンダーソン監督の映画は「天才マックスの世界」、
「ロイヤル・テネンバウムズ」の2作品を観たのですがあまりピンと来ず、
とうとう「ライフ・アクアティック」は敬遠してしまいました。
でも、coco030705 さんの記事を読んで観てみたくなりましたよ。
いずれにせよ、ウェス・アンダーソン監督は注目の監督だと思います。
by りんこう (2006-03-13 00:11)

りんこうさんへ
こんばんは。nice&コメントありがとうございます。
わたしは、りんこうさんのご覧になった2作品は未見なので、
これから見てみようと思っているところです。
ウェス・アンダーソンは、細部にこだわる監督のようですね。
彼独特の世界を創りあげるのが、好きなような気がします。
だから、ストーリーがきちんとしていないと嫌な人には、
おもしろくないかもしれませんね。
by coco030705 (2006-03-13 00:56)

cocoさん、こんにちは。
この映画のこと、知らなかったけど、おもしろそうですね！！
私は、「ロイヤル・テネンバウムズ」がお気に入りの映画なんですよ。
現実にそんな家族ありえな～いを豪華キャストが演じてる。
ウェス・アンダーソンとオーウェン・ウィルソンは２人で楽しみながら脚本を
書いている感じがしてほほえましいな、と思ってます。
by TaekoLovesParis (2006-03-13 16:40)

Taekoさんへ
nice&コメントありがとうございます。
「ロイヤル・テネンバウムズ」（私は未見ですが・・・）をお好きなら、
この「ライフ・アクアティック」でも、ウェス・アンダーソンの世界を、きっと
お楽しみになれると思いますよ。私も彼の旧作を、これから順次見ていこうと
思っています。
ウェスって、心底映画創りが好きな人なんですよね。
by coco030705 (2006-03-13 16:59)

私もウェス・アンダーソンと、その周辺の人々の映画、大好きです
が、これ、観そこねたまま、だらだらと過ぎてしまい…
確か、恵比寿ガーデン（東京では）でしたっけ？
ロイヤルテネンバウムは、大爆笑でしたよ
日本大使館の裏の石庭のシーンとか
笑いすぎて劇場で浮いてしまいましたが
by イバン族 (2006-03-14 09:06)

イバン族さんへ
お久しぶりです。nice&コメントありがとうございます♪
ウェス・アンダーソンのファンの方って、結構多いんですね。
「ロイヤルテネンバウム」はぜひ見てみるつもりです。
＞日本大使館の裏の石庭
というのが興味をそそりますね。
by coco030705 (2006-03-14 16:27)