ナインスゲート(ジョニー・デップ) [外国映画]
監督:ロマン・ポランスキー 出演: ジョニー・デップ、 フランク・ランジェラ、 リアナ・テルファー、
エマニュエル・セニエ
1999年 スペイン・フランス ビデオ
この映画はジョニー・デップが主演なのに公開のとき知らなくて、最初はビデオで見た。それからTVで見て、先日ビデオショップで安く売っていたのを購入して再度鑑賞。何度見てもおもしろい作品だ。
ジョニー・デップは、ニューヨークに住む、腕利きの稀覯書発掘人、ディーン・コルソ役である。コルソは本の収集家ボリス・バルカン(フランク・ランジェラ)の依頼を受け、1666年発表の伝説の悪魔祈祷書『影の王国への九つの扉』を探すことになる。世界に3冊しか現存しないというこの本の1冊を入手したバルカンは、コルソに残る2冊を見つけてどの本が果たして本物なのかを鑑定してほしいというのだ。こうしてコルソは、本物の祈祷書を捜す旅にでる。
最初はニューヨークのビル群が映るのだが、音楽がなんとなく気味が悪く、何がはじまるのか不安と興味がかきたてられる。ジョニー・デップは、どことなく胡散臭い男として登場する。彼は色々な役をやれる役者だが、特にこういう日陰を歩く人間の役が似合うと思う。
ヨーロッパに渡ったコルソは、怪しい男に付きまとわれるはめになる。しかし、危ない目に会うと、どこからか謎の若い美女が駆けつけてきて、コルソを救ってくれる。一体彼女は何者なのか。
コルソはバルカンの本以外の2冊の祈祷書を鑑定するためにスペインに飛んだ。そこの古書店の店主、セニサ兄弟は、すでに本を他の人物に売り渡していた。しかし、彼らは、本の挿絵の版画に悪魔ルシファーの署名があるものが本物であり、それを手に入れて秘密をときあかした者が本物の悪魔と会い、永遠の命を授かるということをコルソに教えてくれる。
そしてコルソは、残る2冊の本の持ち主、ポルトガルのファルガス、パリのケスラー男爵夫人を訪ねる。そして、それぞれの祈祷書を調べたコルソは3冊とも版画が少しずつ違うことに気付く。果たして、本物の版画はどれなのか。しかもファルガスとケスラー夫人は、コルソが訪ねた直後何者かに殺される。一体誰がこの2人を殺害したのだろうか。
こうして、この作品は様々な謎に満ちたまま話が進行していく。それが非常にうまく構成されていて、最後のほうまで各々の謎が解き明かされることがない。だから、興味が持続する。
一体誰がファルガスとケスラー男爵夫人を殺したのか。本物の版画はどれなのか、それはどこにあるのだろうか。(この版画を見つけるシーンはとってもよくできていておもしろい。)そして謎の美しい女(この人はポランスキー監督の夫人だそうだ。ポランスキーはロリータ趣味があるので、若い女性と再婚したのだろう。)の正体は?果たして、コルソは悪魔と出会うことができるのだろうか。などなど、謎が謎を呼ぶ展開に引き込まれること請け合いだ。
そして、ポランスキーの映画はいつも美術の素晴らしさが目を引く。今回も登場人物それぞれの蔵書のすごさが印象的だった。これは小道具もあるのだろうが、本物の古書がかなりの部分をしめているような気がした。そして、例の祈祷書だがこれはつくりものなのだろうが、本当に良くできていて、古書そのもののような感じだった。その中の一枚の挿絵が、最後にあっと驚く謎を隠しているのだ。
オカルトというより、心理的な怖さが、熱帯夜の不快感を吹き飛ばしてくれる映画ではないだろうか。夏にお薦めの作品だ。
私もビデオで見ました。
謎ときがおもしろくてわくわくしながら見ました。舞台がいろいろな国なのも、よかったです。でも、悪魔について、キリスト教についてもっと知識があったら、完全に
わかったんだろうな、、という心残りを未だもったままです。
ジョニー・デップは、ひげで、インテリで鋭い、こういう雰囲気の彼、好きです。
謎の美しい女は、ポランスキーの奥さんだったのですか。。
by TaekoLovesParis (2007-08-20 01:43)
Taekoさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
Taekoさんもご覧になりましたか。おもしろかったですね。
ヨーロッパの美しい国々も垣間見れて、うまくできていたと思います。
ジョニー・デップのコルソは、なかなかはまってました。
そうなんですよ。あの謎の美女がポランスキーの奥さんなんですって。
少し変わった雰囲気のある人ですね。
by coco030705 (2007-08-20 02:53)
こんばんは。
coco030705さんの評を読んだら見てみたくなりましたw
cocoさんのブログのお陰で「イルマーレ」も見たくなっちゃったし(まだTSUTAYAで準新作なんで未見・・・早く旧作になれ〜爆)、また宿題になっちゃったなぁ(笑)。
by tomoart (2007-08-20 04:03)
tomoartさんへ
おはようございます。
nice&コメントありがとうございます♪
tomoartさんのコメントを書いてくださった時間を見て、
ギョッとしました。4:03!いつ寝ておられるんですか?!
この映画おもしろいので、お時間があるときにぜひ。
by coco030705 (2007-08-20 08:33)
sakikopさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
by coco030705 (2007-08-20 17:39)
こんばんは~。
コワそ~、と思って手を出せずにいるんですが、
フランク・ランジェラが出てるじゃないですか~。
これは、観てみなくては!
by (2007-08-20 20:14)
ERUNさんへ
こんばんは~。毎日灼熱地獄でまいっちゃいそうです。
お元気ですか。
コメントありがとうございます♪
この映画、オカルト的な怖さはぜんぜんないんですよ。
それよりサスペンス風で、謎解きがおもしろいですよ。
キモいシーンもほとんどありません。
フランク・ランジェラをご存知とはさすがERUNさんですね。
渋好みだなあ。ぜひ時間のあるときにご覧になってくださいね。
by coco030705 (2007-08-20 21:46)
ご無沙汰してます。
自宅に戻ってこれて、家族と過ごす時間が増えたのはいいのですが、最近映画が全然見れないんです。この映画も見たいのですが、いつ見れるのやら・・・
by (2007-08-21 00:04)
Sparkyさんへ
どうも~。お元気ですか。
コメントありがとうございます♪
私も今年は忙しくて、全然みてないんですよ。
やはり仕事が優先順位1番になっちゃうもので・・・。
DVDもなかなか落ち着いて見れませんね。
なんとか隙間の時間に見れてるという感じです。
まあこれからもブログのほうは、がんばらずに続けられ
ればいいや、という感じで行こうと思います。
by coco030705 (2007-08-21 01:59)
怖いのは苦手だけど、これは見たくなりますね(・v・*)
映画の美術ってとっても好きなので、細部までこだわっている映画は内容に入り込みやすいし、何度みても楽しいですよね(^-^*)
by (2007-08-24 17:43)
Soraさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
映画の美術はほんとうにすごいですよね。特に、ポランスキーは美術に
こだわる人なので、いつも本物を使います。なので、この映画に出てくる
蔵書の数々は本物が多いのではないかと、推察しているわけです。
ストーリーもおもしろいです。ジョニー・デップがお嫌いじゃなかったら、
お薦めですよ。
by coco030705 (2007-08-24 21:12)
DSilberlingさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2007-08-27 17:34)
ポランスキー監督、今も健在なのですね。
『水の中のナイフ』『ローズマリーの赤ちゃん』が傑作だと思います。ハリソン・フォード主演の『フランティック』も地味ながらよかったなと思い出します。
ジョニー・デップ主演ということで、DVDを借りようかどうしようか迷っていたのですが、ココさんの記事を読んで観てみたくなりました。
by 鯉三 (2007-09-06 00:02)
鯉三さんへ
nice&コメントありがとうございます♪
さすがくわしいですね。「水の中のナイフ」はいいと聞いていますが、
レンタルビデオがなかなかありません。
「フランティック」もおもしろかったですね。
この「ナインスゲート」もおもしろいですから、ぜひご覧になってください。
by coco030705 (2007-09-06 07:56)
xml_xslさんへ
こちらにも nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2007-09-09 15:27)