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モディリアーニと妻ジャンヌの物語展 [アート・カルチャー]

 梅田大丸で開催中の「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」に行ってきた。
 モディリアーニは個性的な肖像画で有名な画家だ。今回は彼の最後の恋人であり、子供も儲けたジャンヌとの
2人展という趣向だ。
 ジャンヌが才能ある画家だったということは全然知らなかった。しかし、今回の展示を見てみると、
彼女が一角の画家であることがよくわかった。これはジャンヌの遺族が秘蔵していたものを近年になって
発見し、公開するに至ったのだそうだ。

 舞台は、第一次大戦後、世界各国から若き芸術家たちが集い、華やかな芸術文化が開花した20世紀初頭のパリ。モンパルナス界隈のカフェには、ロシアからシャガール、ポーランドからキスリング、リトアニアからスーチン、日本からはフジタ...とエコール・ド・パリ(パリ派)と呼ばれる新鋭芸術家たちが集まった。そのなかで、イタリア出身で優雅な曲線と哀愁を帯びたうつろな瞳の肖像画で知られるアメデオ・モディリアーニ(1884.7.12~1920.1.24)は、32歳の時に、18歳の美しい画学生ジャンヌ・エビュテルヌ(1898.4.6~1920.1.26)と出会う。それからほどなくしてふたりは生活を共にする。(パンフレットより)


 上はモディリアーニが描いたジャンヌの肖像画である。右は違った服装のジャンヌのデッサン。
下はジャンヌが描いた自画像とモディリアーニのデッサン。これ以外にもたくさんの2人のデッサンがあった。


 この絵が今回の展示の中で一番好きな絵なので、2枚もアップしてしまった。写真をみてもわかるように、
美男美女のカップルである。モディリアーニは若いころのマーロン・ブランドに似てませんか?

 最初の子供が生まれたときは幸せだったカップルだが、モディリアーニは酒と麻薬におぼれ結核に冒される。そして、35歳で早逝してしまう。彼の死の2日後、ジャンヌは8ヶ月になる二人目の子を宿したまま、後を追って両親が住むアパルトマンの6階から身を投げ、亡くなってしまう。出会いから僅か3年で二人の愛と人生は儚く消えて行った。

 やはりモディリアーニの絵はすばらしかった。背景を描かず、時には人物の瞳を描かないという独特の手法だ。本物を見るとその魅力に惹きつけられる。カタログでは感じられない、絵の持つ「気」がこちらに伝わってくるような感じがした。彼の絵はどんなに時を経ても古くならず、モダンなままなのだと思う。

 2人の運命は悲しいものだったが、それを想いながら展示を見ていると、より深く心に迫ってくるものがあった。時には悲劇をかみしめながら絵をみるのもいいものだと思った。

 展覧会は大丸梅田店15階「大丸ミュージアム」で、9月24日まで。



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コメント 13

キキ

酒と麻薬におぼれ結核に冒される夫(恋人?)を追って高いところから身を投げる・・・最初のお子さんはどうなったのでしょう?
18歳で出会って3年後なら21歳・・・。絵の中で今も生きるジャンヌは美しい方ですね。
by キキ (2007-09-11 22:57) 

coco030705

キキさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
この2人は同棲していましたが、籍はいれていなかったようです。
でもジャンヌの両親とはうまくいっていて、2人が南仏のほうに
移住したときは、母親が一緒についてきて、子供の面倒をみてくれたそうです。
ジャンヌの両親は、最後まで何かと2人の生活をサポートしたようです。
残された子供はおじいちゃん、おばあちゃんに育てられたんですね。
ジャンヌは本当に美しい人です。もったいないですね。
by coco030705 (2007-09-11 23:06) 

TaekoLovesParis

Cocoさん、私もこの展覧会を5月に東京渋谷の東急Bunkamuraで見ました。
「モディリアーニ・真実の愛」という、モディとジャンヌの物語のDVDを見てから行ったので、感激もひとしおでした。モディ役は、アンディ・ガルシア。モディはイタリア人なので、映画の中でもイタリア語を話したりします。なかなか好演でしたよ。
ユトリロやスーチンなども出てきて、その頃の画壇のようすがよくわかります。
ご覧になってなかったら、おすすめです。

ジャンヌはとっても魅力的な人ですね。肩をあらわにした、、私もとっても好き
です。この絵の背景の色ブルーグレーは、この展覧会の他の作品でも多く
使われていましたが、やさしい雰囲気を出す効果があると思いました。
by TaekoLovesParis (2007-09-12 01:24) 

coco030705

Taekoさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
アンディ・ガルシアの「モディリアーニ・真実の愛」、行こうと思って行けなかった
映画です。私もDVDで見てみることに致します。それと、1958年の古い映画
なんですが、ジェラール・フィリップとアヌーク・エーメの「モンパルナスの灯」も
見たいと思っています。

そうですね、ブルーグレーがやさしく、しかもカタログで見ていたより絵がずっと
明るい感じで、新しい発見でした。
by coco030705 (2007-09-12 15:37) 

coco030705

xml_xslさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2007-09-12 21:13) 

2人の運命は悲しいものだった、これは初めて知りました。
そして渋谷での展覧会も見ておくべきだったと後悔・・・。
モディリアーニの画も素敵ですがcocoさんのスキンの夕焼けもnice!
by (2007-09-13 11:50) 

coco030705

sakikopさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
今度,Taekoさんおすすめのモディリアーニの映画「真実の愛」を
見るつもりです。また記事をアップしますネ。
このスキンはいつも使わせてもらっているSoraさん製作のものです。
ほめていただいて嬉しいです。
by coco030705 (2007-09-13 14:48) 

とても魅力的な絵ですね。
でもその後ろにある悲しさも伝わってきますね。
札幌にも来ていたのですが、実物を見ることはできませんでした。
また機会があったら見てみたいです(^-^)

ココさん誕生日プレゼントありがとうございました(^-^*)
ブログの方にメール送りました。
by (2007-09-15 01:07) 

gillman

これ東京に来ないかなぁ
それとも…
by gillman (2007-09-15 16:51) 

coco030705

Soraさんへ
nice!&コメントありがとうございます♪
ブログメールへ書き込みにいきますね。


gillmanさんへ
nice!&コメントありがとうございます♪
この展覧会は東京では5月に東京渋谷の東急Bunkamuraであったそうです。
ちょっと残念ですね。
by coco030705 (2007-09-15 19:13) 

鯉三

一目でそれとわかるモディリアーニの女性像ですね。
本当に美男美女カップルなのでびっくりしました。
短い生涯に命を燃やし尽くした芸術家の二人ですね。
by 鯉三 (2007-09-19 13:32) 

coco030705

鯉三さんへ
nice&コメントありがとうございます♪
世間の常識では計り知れない、情熱的な生き方ですね。
まさに生き方そのものが芸術です。
by coco030705 (2007-09-19 16:11) 

coco030705

inunekoさんへ
こんにちは。niceとご訪問ありがとうございます♪


by coco030705 (2014-06-11 16:06) 

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