ツナグ [日本&アジア映画]
珍しく3本続けて邦画作品を観た。この「ツナグ」という題の意味は、死者と生者を会わせる使者の役目をするという意味である。死者と生者を「つなぐ(ツナグ)」のだ。これを演じるのが松坂桃李である。彼はなかなか良かった。松坂のマスクはアクの強さがないし、久々の若手正統派俳優である。
死者との再会を一度だけ叶えてくれる“使者(ツナグ)”の役割を祖母(樹木希林)から引き継いだ青年(松坂桃李)の葛藤と、ツナグの仲介を願う3組の男女の切なくも感動的な再会の物語を描く。
“使者(ツナグ)”とは、たった一人と一度だけ、死者との再会を叶えてくれる案内人。そんな都市伝説のような噂にすがって依頼に訪れたのは、癌で亡くなった母との再会を願う中年男性、畠田(遠藤憲一)。しかし彼の前に現われたのは、一見ごく普通の高校生、渋谷歩美(松坂桃李)だった。その歩美のもとにはさらに、喧嘩別れしたまま事故死してしまった親友・奈津(大野いと)に会いたいという女子高生、嵐(橋本愛)7年前に突然失踪してしまった恋人・キラリ(桐谷美鈴)の消息を知りたいサラリーマン土谷(佐藤隆太)が依頼を持ち込んでくる。しかし当の歩美は、ツナグを祖母(樹木希林)から引き継ぐ見習いの身だった。やがて、死者との再会を仲介するという行為に疑問を感じ始める歩美だったが…。(allcinema ONLINE)
誰でも死んでしまった人ともう一度会えたらと思うことがあるだろう。そしてその人の本当の気持ちを聞きたいと願うだろう。その願いをかなえてくれるのが、「ツナグ」である。しかもその亡くなった人は、生前と全く同じ様子で現れ、触れると温かみを感じることもできるのだ。もしこんなことがかなえられるのなら、ぜひツナグにコンタクトをとってみたいと思わずにいられなかった。
3組の男女がツナグのお蔭で亡くなった大事な人と再会を果たす。この中でよかったのは、遠藤憲一と八千草薫の親子である。遠藤健一は頑固でおこりっぽくて一直線な息子であるが、本当はどの兄弟よりも母親を愛していた。そのことが母親の八千草薫はよくわかっていて、「私に会いたいがために、貴重な機会を使ってしまうなんて馬鹿な子だね。」と笑うのだった。八千草さんがあまりに若いので、親子というのも一見「え?」という感じだったが、やはり母親と息子に通じ合う情感を二人の演技が見事に表現していたと思う。
それから親友を突然亡くした女の子の話。この子たちはツナグの渋谷歩美(松坂桃李)と同じ学校の同級生という設定だった。青年期にありがちな親友同士の目に見えない反目を描いている。ここにでていた女子学生を演じた女の子たち(橋本愛・大野いと)はほとんど知らない女優さんだったが、若さの持つ美しさに輝いている感じがした。主演の松坂君ともども将来が楽しみである。
そして最後は事故で死んでしまった恋人キラリ(桐谷美鈴)を思いきれない男の話。佐藤隆太が演じたサラリーマンが彼の新しい面を引き出していた。佐藤隆太といえば、熱血サラリーマンというイメージだったが、突然去ってしまった若い恋人を思い続ける静かな男を演じてなかなか良かったと思う。女優さんもこれまた知らない若い人だったが、かわいかった。
だがこの作品で特筆すべきは松坂桃李の祖母役の樹木希林の演じたツナグである。このおばあさんは長くツナグをやってきて、それを孫に継がせるべく色々なことを教えていくのだった。樹木希林の独特の不思議な雰囲気が、ベテランのツナグのイメージにぴったりだった。樹木希林は色々な役をやるが、どの役にも非常に入れ込んでやるタイプの役者だと思う。だから、役によっては私は受け付けないところがあったのだが、この人は演じるということを本当に愛している役者なのだと感じたのである。
もし現実に「ツナグ」という人が存在したなら、それは都市伝説では終わらず人々はツナグに殺到して、予約で満席になることだろう。やはり亡くなった人との対話は生きている私たちの記憶の中でのみ、繰り広げられるべきものなのかもしれない。
原作:辻村深月 監督:平川雄一朗 出演:松坂桃李、樹木希林、佐藤隆太、桐谷美玲、橋本愛、
遠藤憲一、八千草薫、仲代達矢
2012年 日本
死者との再会を一度だけ叶えてくれる“使者(ツナグ)”の役割を祖母(樹木希林)から引き継いだ青年(松坂桃李)の葛藤と、ツナグの仲介を願う3組の男女の切なくも感動的な再会の物語を描く。
“使者(ツナグ)”とは、たった一人と一度だけ、死者との再会を叶えてくれる案内人。そんな都市伝説のような噂にすがって依頼に訪れたのは、癌で亡くなった母との再会を願う中年男性、畠田(遠藤憲一)。しかし彼の前に現われたのは、一見ごく普通の高校生、渋谷歩美(松坂桃李)だった。その歩美のもとにはさらに、喧嘩別れしたまま事故死してしまった親友・奈津(大野いと)に会いたいという女子高生、嵐(橋本愛)7年前に突然失踪してしまった恋人・キラリ(桐谷美鈴)の消息を知りたいサラリーマン土谷(佐藤隆太)が依頼を持ち込んでくる。しかし当の歩美は、ツナグを祖母(樹木希林)から引き継ぐ見習いの身だった。やがて、死者との再会を仲介するという行為に疑問を感じ始める歩美だったが…。(allcinema ONLINE)
誰でも死んでしまった人ともう一度会えたらと思うことがあるだろう。そしてその人の本当の気持ちを聞きたいと願うだろう。その願いをかなえてくれるのが、「ツナグ」である。しかもその亡くなった人は、生前と全く同じ様子で現れ、触れると温かみを感じることもできるのだ。もしこんなことがかなえられるのなら、ぜひツナグにコンタクトをとってみたいと思わずにいられなかった。
3組の男女がツナグのお蔭で亡くなった大事な人と再会を果たす。この中でよかったのは、遠藤憲一と八千草薫の親子である。遠藤健一は頑固でおこりっぽくて一直線な息子であるが、本当はどの兄弟よりも母親を愛していた。そのことが母親の八千草薫はよくわかっていて、「私に会いたいがために、貴重な機会を使ってしまうなんて馬鹿な子だね。」と笑うのだった。八千草さんがあまりに若いので、親子というのも一見「え?」という感じだったが、やはり母親と息子に通じ合う情感を二人の演技が見事に表現していたと思う。
それから親友を突然亡くした女の子の話。この子たちはツナグの渋谷歩美(松坂桃李)と同じ学校の同級生という設定だった。青年期にありがちな親友同士の目に見えない反目を描いている。ここにでていた女子学生を演じた女の子たち(橋本愛・大野いと)はほとんど知らない女優さんだったが、若さの持つ美しさに輝いている感じがした。主演の松坂君ともども将来が楽しみである。
そして最後は事故で死んでしまった恋人キラリ(桐谷美鈴)を思いきれない男の話。佐藤隆太が演じたサラリーマンが彼の新しい面を引き出していた。佐藤隆太といえば、熱血サラリーマンというイメージだったが、突然去ってしまった若い恋人を思い続ける静かな男を演じてなかなか良かったと思う。女優さんもこれまた知らない若い人だったが、かわいかった。
だがこの作品で特筆すべきは松坂桃李の祖母役の樹木希林の演じたツナグである。このおばあさんは長くツナグをやってきて、それを孫に継がせるべく色々なことを教えていくのだった。樹木希林の独特の不思議な雰囲気が、ベテランのツナグのイメージにぴったりだった。樹木希林は色々な役をやるが、どの役にも非常に入れ込んでやるタイプの役者だと思う。だから、役によっては私は受け付けないところがあったのだが、この人は演じるということを本当に愛している役者なのだと感じたのである。
もし現実に「ツナグ」という人が存在したなら、それは都市伝説では終わらず人々はツナグに殺到して、予約で満席になることだろう。やはり亡くなった人との対話は生きている私たちの記憶の中でのみ、繰り広げられるべきものなのかもしれない。
原作:辻村深月 監督:平川雄一朗 出演:松坂桃李、樹木希林、佐藤隆太、桐谷美玲、橋本愛、
遠藤憲一、八千草薫、仲代達矢
2012年 日本
こんにちは。
松坂桃李くんはドラマに映画に大活躍ですね~
若い人もベテランも役者が揃っていて見応えがありました。
やっぱり樹木希林さんはすごい存在感でしたね。
見ていて納得させられてしまいます。
でも、やっぱり自分の記憶の中にいると思っていることも大切ですね☆
by non_0101 (2012-10-19 08:49)
ryo1216さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-10-19 17:15)
nonさんへ
こんばんは。nice&コメントありがとうございます♪
色々考えさせられるところもあり、感動させられることもある面白い映画
でしたね。いろんなタイプの俳優さんが共演したところが良かったと思います。
松坂桃李くん、今後がとっても楽しみですよね~。(^^)
by coco030705 (2012-10-19 17:21)
Taekoさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-10-19 23:01)
のらんさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-10-20 12:59)
gillmanさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-10-20 18:43)
ネオ・アッキーさんへ
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by coco030705 (2012-10-21 20:53)
マンチ軍団さんへ
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by coco030705 (2012-10-22 11:01)
tomoartさんへ
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by coco030705 (2012-10-22 11:02)
月夜のうずのしゅげさんへ
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by coco030705 (2012-10-22 20:42)
minKさんへ
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by coco030705 (2012-10-23 11:22)
りんこうさんへ
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by coco030705 (2012-10-27 19:21)
Extar15さんへ
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by coco030705 (2012-10-27 23:28)
bee-15さんへ
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by coco030705 (2012-10-30 10:28)
いっぷくさんへ
こんばんは。ようこそ。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-11-08 22:32)
ffmlさんへ
こんばんは。ようこそ。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-11-09 22:33)
くらいふさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-11-12 17:16)
GONさんへ
こんばんは。こちらにも、nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-12-06 00:33)
キキさんへ
こんばんは。こちらにもnice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-12-29 00:17)
きささんへ
こんにちは。niceとご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2014-03-04 08:37)