あの日のように抱きしめて

　やはりドイツとユダヤ人と強制収容所の問題は一筋縄ではいかないものだと感じます。年月が経っても忘れ去ることができない、ドイツ史上の汚点です。そして主人公のユダヤ人の女性ネリーは、強制収容所で受けた傷がもとで人生をくるわされます。悲しい物語です。




1945年6月。第二次世界大戦でドイツが降伏した翌月。ユダヤ人の声楽家ネリー（ニーナ・ホス）は、親友レネ（ニーナ・クンツェンドルフ）に連れられて強制収容所からドイツへ戻る。前年の10月に収容所へ送られ、銃で顔をメチャクチャにされていたネリーは、手術を受けることになるが、“別の顔に”という医師の勧めを断って元の顔に戻す。一方、レネは、ネリーと一緒にパレスチナに移住して、ユダヤ人国家の建国を夢見ていた。

やがて、顔の傷が回復したネリーは、生き別れたピアニストの夫ジョニー（ロナルト・ツェアフェルト）を探して過去を取り戻そうとするが、レネはそれに反対する。ジョニーがネリーを裏切ったと信じていたからだった。しばらくしてネリーは、米兵相手のクラブで清掃員として働いていたジョニーと再会。だが、妻が強制収容所で死んだと信じて疑わないジョニーは、目の前に現れた女性が妻であることに気付かず、“妻を演じてほしい。そして、妻の財産を山分けしよう”と持ちかける。

自分に気付いてもらえないことを悲しみながらも、夫に対する愛からその言葉に従うネリー。やがて、自分が収容所に送られた原因が、夫の裏切りであることを裏付ける証言を得ながらも、何か事情があったのだろうと推測する。そして、レネが自殺。ネリーはジョニーと共にベルリンへ向かうが……。（以上goo映画より）





どこまでも夫を信じようとする妻と現実的でずるい夫。そのピアニストの夫の伴奏で最後に思い出の曲を歌う彼女の思いは？

この映画はアイデアは面白いですし、筋書きもちょっとサスペンスフルなところがあってよいのですが、肝心の主人公の女性が、整形手術のあと夫が気付かないほど別人にみえるのかどうか疑問です。確かに顔は傷だらけですが、人間というものは親しい人の顔が少々変わったからといって気付かないでいられるものでしょうか。強制収容所で亡くなったと思い込んでいたとしても、体つきやその女性の持つ雰囲気やなにより声が本人を表わすと思います。しかも筆跡が本人と全く同じですし。この作品にはかなり無理があると思います。それは映画の創り方が悪かったのか、もともと小説だったのを映画にすることに失敗したのかもしれません。最初からそれが気になって映画の中に入り込めませんでした。もしご覧になるなら、DVDで充分ではと思います。

原題：PHOENIX　監督：クリスティアン・ベッツォルト　出演：ニーナ・ホス、　
ロナルト・ツェフェルト、　ニーナ・クンツェンドルフ、　ミヒャエル・マールテンス
2014年　ドイツ

コメント 21

yona-sanさんへ
こんばんは、ようこそ。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2015-09-19 23:33) 

シルフさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

響さんへ
こんばんは、ようこそ。nice!とご訪問ありがとうございます♪


by coco030705 (2015-09-20 01:09) 

雰囲気
それに声は、変わらないです。
それに　仕草
極限状態　どうして　裏切ったのかも
知りたいです。＾＾
by iruka (2015-09-20 09:54) 

bee-15さんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

ソニックマイズルさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

AKIさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

uminokajinさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪


by coco030705 (2015-09-20 15:30) 

irukaさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

そうですよね。夫だった人が妻の顔が変わったからといって、わからないというのがおかしいんですよ。
やはりユダヤ人というのは歴史が複雑なんでしょうね。だから夫のジョニーは本当にネリーのことを愛していたかどうかわかりません。そこに財産が自分に入るかもしれないと思ったら、こういう犯罪を犯してしまったのか……。よくわからない映画でした。

by coco030705 (2015-09-20 15:41) 

コミックンさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

sugoimonoさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

nandenkandenさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪



by coco030705 (2015-09-20 15:44) 

mayuさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

怪しい探麺隊さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪



by coco030705 (2015-09-20 21:05) 

nonさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2015-09-20 21:06) 

こんばんは。
せっかく観に行かれたのに残念でした(T_T)
私も何でこの元夫は判らないのかなと思いながら観ていました。
でも、他人が逢っても、もしかしたらと感じるくらいだったら、普通ならきっと判るだろうと。
だから元夫は妻が死んだと確信できる何かを知っていたのかもとか
どうしても死んだと思いたい理由があったのかもと想像していたら、怖くなってしまいました。
どちらにしろ、想像なのですけどね(^^ゞ
by non_0101 (2015-09-20 21:32) 

nonさんへ
コメントもありがとうございます♪

ちょっと辛口すぎましたね。（＾＾）でも酒場で自分の元の名前をネリーに呼ばれて振り返っているのに、やはり気付かないものなのか、などと観客に疑問を抱かせるようなところが色々あって作品の中に浸り込めなかったので、私はちょっと残念に思いました。nonさんがおっしゃるように、夫のジョニーは妻が死んだと思い込みたかったのかもしれませんね。だとしたら別の意味で怖いですよね。(*_*;
by coco030705 (2015-09-20 21:41) 

mentaikoさんへ
こんばんは、ようこそ。nice!とご訪問ありがとうございます♪

アルファルハさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪


by coco030705 (2015-09-21 00:11) 

こんにちは。
気になっていましたが未見です。
ドイツ映画ってユダヤ人や強制収容所の映画が多いですね。
他のジャンルの映画も観たいなあと思うのですが。
by キキ (2015-09-21 09:39) 

キキさんへ
こんにちは。こちらにもnice!&コメントありがとうございます♪

私も気になっていたのですが、出来はもう一つだったように思います。
↑のnonさんも書いていらっしゃいますが、創り方が甘いというのか、不自然というのか、夫のジョニーがなぜ元妻に気が付かなかったのか、それを観客に納得させるような説得力がチトかけていたような気が……。
ドイツにとってナチスとユダヤ人はこれからも忘れ去ることができないものなんでしょうね。
by coco030705 (2015-09-21 15:29) 

宝生富貴さんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2015-09-21 15:44) 

分かります。気になると
集中～入り込めませんよねえ～

何だっけ？
脳のなかの映画
悲しみと、喜びのこえが
大竹しのぶと竹内結子が
出すぎて～映画
白けました。？
ごめんね！題名言えなくて～
by prin4795 (2015-09-22 00:38) 

prin4795さんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪

どうもこの作品は観客への説得力に欠けていたように思います。
小説はどうなっているのかちょっと興味があります。
大竹しのぶと竹内結子の映画は残念ながら観ていませんでした。

by coco030705 (2015-09-22 01:59) 

cocoさんの映画批評の良い所は率直な所です。DVD待ちにします。
面白そう、って思ったけど、小説ではOKでも、確かに、映画ではムリがあるかもしれませんね。声、仕草、筆跡、、そう考えると、コメントにあるように、元夫はわかっていたのかもしれない、っていう新たな怖さがありますね。
by TaekoLovesParis (2015-09-23 11:08) 

Taekoさんへ
こんばんは、こちらにもnice&コメントありがとうございます♪

夫のジョニーが元奥さんの色々な特徴に気付かないというところがおかしいですよね。ストーリーでは最後まで夫は気が付かなくて、色々な工作をして、最後に奥さんのネリーが歌うところでやっと気が付くという設定なんです。彼がほんとの妻か酷似している別人か半信半疑だったとしても、そういう風にジョニーが思い悩む場面もなかったですし……。あまりいうとよくないでしょうか。この辺でやめておきますね。（＾＾）
by coco030705 (2015-09-23 17:33) 

Inatimyさんへ
こんばんは。こちらにも、nice!＆コメントありがとうございます♪


by coco030705 (2015-09-23 17:35) 

月夜のうずのしゅげさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2015-09-23 20:44) 

nyonyoさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2015-10-06 20:35)