アクトレス~女たちの舞台~
ジュリエット・ビノシュはこの映画では若い女優に翻弄される年配の女優マリアという設定ですが、画面ではジュリエットの演技力と迫力がすごくて、やはり一番輝いていたように思います。共演のクリステン・スチュワートはマリアの秘書ヴァレンティンです。私は「スノー・ホワイト」が印象に残っていますが、この作品の秘書役は、マリアのわがままに振り回されながらも必死で仕事をこなす現代女性という感じで、今までとは違うクリスティンをみせくれました。彼女はこの役で、アメリカ人として初の第40回セザール賞助演女優賞を受賞しています。またクロエ・グレース・モレッツが、劇中でマリアと共演する奔放な今どきの若い女優を演じて、よく感じがでていました。
ジュリエット・ビノシュの衣装はシャネル
チューリッヒに向かう特急列車に乗る大女優のマリア・エンダース(ジュリエット・ビノシュ)。目的は授賞式を欠席する劇作家ヴィルヘルム・メルヒオールに代わって賞を受け取るため。メルヒオールは若きマリアを発掘し、彼女の出世作となった舞台『マローヤのヘビ』に大抜擢してくれた恩人だった。ところがそこへ、当のメルヒオールが71歳で亡くなったという悲しい知らせが入る。授賞式後のパーティでは、新進気鋭の演出家クラウス(ラース・アイディンガー)からリメイク版『マローヤのヘビ』への出演依頼を受けるマリア。しかしオファーされた役は、若き日に彼女が演じたシグリッドではなく、シグリッドに翻弄され追い詰められていく中年女性ヘレナ。シグリッド役には売り出し中の若手ハリウッド女優ジョアン・エリス(クロエ・グレース・モレッツ)が決まっていた。渋々これを受け入れたマリアは、マネージャーのヴァレンティン(クリスティン・スチュワート)とスイスの山荘に籠り、役作りに没頭していくが…。(allcinema ONLINE)
ジュリエット・ビノシュはメルヒオールの授賞式パーティーでは黒のシャネルの素敵なドレスを着ていた。まさに大女優マリアそのものといった雰囲気で貫禄があり美しかった。その後、彼女が秘書のヴァレンティン(クリスティン・スチュワート)とスイスの山荘で役作りをするときや私生活の場面では、ほとんどノーメイクで女優というよりちょっと男っぽい骨太な姿だった。年相応にみえるし、女優という雰囲気でもない、これは演じているのだろうかそれとも実際にも私生活ではこんな感じなのかと、面白く観た。とても激しくわがままな気性の役だ。それで秘書のヴァレンティンはマリアの相手をするのに、疲れてへとへとになる。彼女は秘書をやめさせてほしいというのだが、マリアはそれを許さない。
イタリア湖
「マローヤのヘビ」現象(雲が動いていく様子がへびというより龍のようだ)
マリアとヴァレンティンはスイスの山に現れる「マローヤのヘビ」と呼ばれる自然現象をみに行く。これは、スイスのマローヤ峠をヘビがはうようにうねりゆく雲のこと。悪天候のサインで、イタリア湖で生じた湿った空気が雲に変わり、山のすきまをはうように伸びて行くことで発生する。この場面が何ともいえず幻想的で美しかった。この現象を見に行きたいと思った。
マリアは舞台「マローヤのヘビ」の役作りをするとともに、共演の売出し中の女優ジョアン・エリスについても気になって、スマホでGoogle検索する。この辺りがとても今、な感じがした。若い女優の素行の悪さが画面で見られた。そしてあるホテルでジョアンと会うことになる。ジョアンは不倫中で相手はとてもハンサムな男だ。彼の妻は有名なアーティストだが、夫の不倫を知って自殺未遂を起こす。それがパパラッチに嗅ぎつけられ、マリアとジョアンが会うホテルまでパパラッチが追いかけてくる。それはマリアが目当てではなく、ジョアンが目当てなのだった。
そしていよいよ舞台稽古がはじまる。この舞台装置はとても現代的で面白い。近未来的なセットといったらよいのか。そしてリハーサルのあと、マリアはジョアンに役作りのアドバイスをするのだが、ジョアンは耳をかさなかった。マリアのプライドは傷つく・・・。
やはりジュリエット・ビノシュはすごいと思った。シャネルの素敵なドレスに身を包んでいるかと思ったら、次の場面ではほとんどノーメイクで普段着のかっこうで自分をさらけ出す。スイスの湖で服を脱いで秘書役のクリスティンと泳ぐシーンがあった。クリスティンはランジェリーをつけていたのだが、ジュリエットは全てを脱ぎ捨てて裸で湖に飛び込んだ。ほんの一瞬のシーンだが。けれどもこれは自分に自信がなくてはできないことだろう。
ジュリエットは恋愛遍歴も多彩だ。レオン・カラックス、ダニエル・デイ・ルイス、オリヴィエ・マルティネス、ブノワ・マジメルetc. やはり女優は恋愛を糧にして生きて行くのだろうか。日本ではちょうど宇野千代さんがそんなタイプだと思う。宇野さんは吉屋信子さん(小説家)に「小説が巧くなるには恋愛しなけりゃだめ。恋愛するには男に惚れなきゃダメなの、わかった?」とアドバイスしたそうだ。いかにも宇野さんらしい言葉だ。
これまでジュリエット・ビノシュをそれほどいいと思わなかったのだが、この映画を観て面白い人だと思った。過去の作品もぜひ見なおしてみたいと思っている。
原題:Sils Maria 監督:オリヴィエ・アサイヤス 出演:ジュリエット・ビノシュ、
クリスティン・スチュワート、 クロエ・グレース・モレッツ、 ラース・アイディンガー、
ジョニー・フリンetc.
2014年 フランス/ドイツ/スイス
ジュリエット・ビノシュの衣装はシャネル
チューリッヒに向かう特急列車に乗る大女優のマリア・エンダース(ジュリエット・ビノシュ)。目的は授賞式を欠席する劇作家ヴィルヘルム・メルヒオールに代わって賞を受け取るため。メルヒオールは若きマリアを発掘し、彼女の出世作となった舞台『マローヤのヘビ』に大抜擢してくれた恩人だった。ところがそこへ、当のメルヒオールが71歳で亡くなったという悲しい知らせが入る。授賞式後のパーティでは、新進気鋭の演出家クラウス(ラース・アイディンガー)からリメイク版『マローヤのヘビ』への出演依頼を受けるマリア。しかしオファーされた役は、若き日に彼女が演じたシグリッドではなく、シグリッドに翻弄され追い詰められていく中年女性ヘレナ。シグリッド役には売り出し中の若手ハリウッド女優ジョアン・エリス(クロエ・グレース・モレッツ)が決まっていた。渋々これを受け入れたマリアは、マネージャーのヴァレンティン(クリスティン・スチュワート)とスイスの山荘に籠り、役作りに没頭していくが…。(allcinema ONLINE)
ジュリエット・ビノシュはメルヒオールの授賞式パーティーでは黒のシャネルの素敵なドレスを着ていた。まさに大女優マリアそのものといった雰囲気で貫禄があり美しかった。その後、彼女が秘書のヴァレンティン(クリスティン・スチュワート)とスイスの山荘で役作りをするときや私生活の場面では、ほとんどノーメイクで女優というよりちょっと男っぽい骨太な姿だった。年相応にみえるし、女優という雰囲気でもない、これは演じているのだろうかそれとも実際にも私生活ではこんな感じなのかと、面白く観た。とても激しくわがままな気性の役だ。それで秘書のヴァレンティンはマリアの相手をするのに、疲れてへとへとになる。彼女は秘書をやめさせてほしいというのだが、マリアはそれを許さない。
イタリア湖
「マローヤのヘビ」現象(雲が動いていく様子がへびというより龍のようだ)
マリアとヴァレンティンはスイスの山に現れる「マローヤのヘビ」と呼ばれる自然現象をみに行く。これは、スイスのマローヤ峠をヘビがはうようにうねりゆく雲のこと。悪天候のサインで、イタリア湖で生じた湿った空気が雲に変わり、山のすきまをはうように伸びて行くことで発生する。この場面が何ともいえず幻想的で美しかった。この現象を見に行きたいと思った。
マリアは舞台「マローヤのヘビ」の役作りをするとともに、共演の売出し中の女優ジョアン・エリスについても気になって、スマホでGoogle検索する。この辺りがとても今、な感じがした。若い女優の素行の悪さが画面で見られた。そしてあるホテルでジョアンと会うことになる。ジョアンは不倫中で相手はとてもハンサムな男だ。彼の妻は有名なアーティストだが、夫の不倫を知って自殺未遂を起こす。それがパパラッチに嗅ぎつけられ、マリアとジョアンが会うホテルまでパパラッチが追いかけてくる。それはマリアが目当てではなく、ジョアンが目当てなのだった。
そしていよいよ舞台稽古がはじまる。この舞台装置はとても現代的で面白い。近未来的なセットといったらよいのか。そしてリハーサルのあと、マリアはジョアンに役作りのアドバイスをするのだが、ジョアンは耳をかさなかった。マリアのプライドは傷つく・・・。
やはりジュリエット・ビノシュはすごいと思った。シャネルの素敵なドレスに身を包んでいるかと思ったら、次の場面ではほとんどノーメイクで普段着のかっこうで自分をさらけ出す。スイスの湖で服を脱いで秘書役のクリスティンと泳ぐシーンがあった。クリスティンはランジェリーをつけていたのだが、ジュリエットは全てを脱ぎ捨てて裸で湖に飛び込んだ。ほんの一瞬のシーンだが。けれどもこれは自分に自信がなくてはできないことだろう。
ジュリエットは恋愛遍歴も多彩だ。レオン・カラックス、ダニエル・デイ・ルイス、オリヴィエ・マルティネス、ブノワ・マジメルetc. やはり女優は恋愛を糧にして生きて行くのだろうか。日本ではちょうど宇野千代さんがそんなタイプだと思う。宇野さんは吉屋信子さん(小説家)に「小説が巧くなるには恋愛しなけりゃだめ。恋愛するには男に惚れなきゃダメなの、わかった?」とアドバイスしたそうだ。いかにも宇野さんらしい言葉だ。
これまでジュリエット・ビノシュをそれほどいいと思わなかったのだが、この映画を観て面白い人だと思った。過去の作品もぜひ見なおしてみたいと思っている。
原題:Sils Maria 監督:オリヴィエ・アサイヤス 出演:ジュリエット・ビノシュ、
クリスティン・スチュワート、 クロエ・グレース・モレッツ、 ラース・アイディンガー、
ジョニー・フリンetc.
2014年 フランス/ドイツ/スイス
ryo1216さんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
nyonyoさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2015-10-28 13:51)
makimakiさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
uminokajinさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2015-10-28 13:53)
怪しい探麺隊さんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
匁さんへ
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by coco030705 (2015-10-28 13:54)
mayuさんへ
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sugoimonoさんへ
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by coco030705 (2015-10-28 13:56)
gillmanさんへ
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by coco030705 (2015-10-28 13:57)
りんこうさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
AKIさんへ
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by coco030705 (2015-10-28 17:16)
アルファルハさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
月夜のうずのしゅげさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2015-10-28 21:25)
面白そうな映画ですね。アサイヤス監督は、私の好きな「夏時間の庭」という映画の監督もしてました。ジュリエット・ビノシュの映画はほとんど見ているので、これも行かなくちゃ。オンとオフの服が大いに違うんですね。
オフもシャネルですか?
by TaekoLovesParis (2015-10-29 01:00)
Taekoさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪
なかなか面白い映画でした、女優さんも三人三様で。でもジュリエットは
演技力、貫録、雰囲気が若い女優さんは足元にも及ばない感じでした。
さすがですね。衣装はドレスやスーツ、ブラウスなどはシャネルじゃないかなと思うんですが、山小屋に籠るときはスポーツメーカーのでしょうね。
男優さんたちも、役柄にピッタリの配役でしたよ。色々な要素が楽しめる作品ですので、ぜひご覧になってくださいませ。
by coco030705 (2015-10-29 09:27)
ネオ・アッキーさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2015-10-29 09:28)
髪の毛が長いか短いかでガラッと雰囲気が変わりますね^^。
最初4人がメインかと思ってしまいました・・・。
どんな結末になるんだろう。 若い頃に演じた役に思い入れがあっても、
また別の役柄でその作品に携われるって、見方が広まっていい経験だと思うけど、
女優さんのプライドが許さないのかしら^^;。
マリアが、もらった中年女性の役も気に入って、
ますます特別な作品となっていくといいのだけれど。
by Inatimy (2015-10-29 17:48)
こんばんは。
髪型でほんとに変わりますよね。ドレスのビノシュとは別人のようでしょう?かなり男っぽいような感じがありました。吉永小百合さんも大原麗子さんも女優って男みたいなものだといってらしたけれど、ほんとにそう思います。
このマリアという役は大女優としての矜持を捨てない人なので、なかなか難しいですよ。そこがこの作品を面白くしているともいえると思います。
実際はどうなのかしら。ジュリエット・ビノシュはたぶん実人生でもマリアのようなタイプみたいに思うのですが……。
by coco030705 (2015-10-29 21:26)
Inatimyさんへ
nice!&コメントありがとうございます♪
後からでごめんなさい。
by coco030705 (2015-10-29 21:31)
大女優 大作家など
頂点に立つ人しか理解できない世界があると思います。
そう 思いました。^^
by iruka (2015-10-30 07:42)
irukaさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
おっしゃる通りですね。やはり頂点に立つ人はそれなりにすごいプレッシャーと戦い、人一倍の努力をしているからこそそうなれるんでしょうね。
とても面白い映画でしたので、もし機会があればご覧くださいませ。
by coco030705 (2015-10-30 17:17)
カメラで防犯さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2015-10-30 18:38)
sterling.hide.jさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2015-10-30 21:50)
ジュリエット・ビノシュは、独特の雰囲気のある人ですね〜
私は、ジュリエットといえば、ショコラですが♪
歳を重ねて貫禄を身につけたジュリエット・・・観てみたいです(^.^)
by のらん (2015-10-31 10:33)
のらんさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
ショコラ、よかったですね~。♡ 私はジョニデのファンなので尚更です。「アクトレス」のジュリエットはやっぱり大女優の名にふさわしい演技でした。若い女優さん二人の追随を許さないって感じでした。
でもクリスティン・スチュワートは秘書役でセザール賞を受賞。たいしたもんです。この作品、もしお時間がございましたらぜひご覧くださいませ。
by coco030705 (2015-10-31 19:16)
見応えのある映画でしたね~
まさにジュリエット・ビノシュの存在感ありきの作品でした。
若い女優二人もとても良かったです。
「マローヤのヘビ」観てみたくなりますよね☆
by non_0101 (2015-11-01 00:44)
nonさんへ
こんにちは。nice!&コメント&TBありがとうございます♪
ほんとにジュリエット・ビノシュの存在感はすごかったですね。まさに大女優でした。クリスティンも今までにない面を見せくれたし、クロエちゃんもかわいかったわ。ジュリエットとホテルで会う時の、シャネルスーツ、よく似合ってました。これからいろんな役ができそうで楽しみですね。
「マローヤのへび」はぜひ一度でもいいから観てみたいですね~。
by coco030705 (2015-11-01 09:55)
prin4795さんへ
こんばんは。こちらにも、nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2015-11-06 01:15)
こんにちは。
「イングリッシュ・ペイシェント」の看護師さん役の女優さんですよね。お美しいです。
「ショコラ」も好きです。
by キキ (2015-11-21 10:04)
キキさんへ
こんばんは、こちらにもnice!&コメントありがとうございます♪
シャネルのドレスに身を包んだジュリエット・ビノシュは、とってもきれいでこれぞ女優!という感じでした。普段着のときは迫力があって、存在感があり、若い女優さん二人が圧倒されていたように感じました。でもクリスティン・スチュワートはセザール賞を受賞。大女優と張り合う気持ちが、クリスティンをがんばらせたんだなと思いました。いい映画でした。
by coco030705 (2015-11-21 23:17)