シェイプ・オブ・ウォーター [外国映画]
久々の映画は「シェイプ・オブ・ウォーター」、ギレルモ・デル・トロ監督です。第90回アカデミー賞監督賞と作品賞のダブル受賞はすごいですね。快挙です!これに先立ち、ベネチア国際映画祭でも金獅子賞を受賞しています。
政府の極秘研究所で掃除婦をしているイライザ(サリー・ホーキンス)は、ある日掃除をしているときに、水槽に居たアマゾンの奥地から運ばれた“クリーチャー”(半魚人)に出会う。言葉を話せないイライザは、一目で気に入ったクリーチャーに食料を運んだり、音楽をきかせたりしているうちに心が通じ合う。しかし、冷酷な軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)は容赦なく“彼”を虐待し、果ては生体解剖を提案する。一方で、背後では熾烈な宇宙開発競争でアメリカと争うソ連がのスパイが動く。イライザは無謀にも“彼”を救出すると心に決めるのだが……。
イライザ(サリー・ホーキンス)とゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)
口のきけないイライザは、お隣のゲイで売れない画家ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)と親しくしている。一方黒人の同僚ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)もイライザの通訳係のような存在で、いつも上司にイライザの手話を翻訳して伝えるのだ。この3人の演技の上手さは小気味よいぐらいだった。オクタヴィア・スペンサーは「ドリーム」にも出演してましたね。
さて、イライザはなぜ、プールのふちにゆで卵をたくさん並べているのでしょうか。それはグロテスクともいえるクリーチャーを気に入ってしまったから、彼に食べ物をあげているのだ。というのもクリーチャーはかなり知性があり、彼女の言いたいことや「卵」という言葉も理解する。彼女は話せない人間なので、クリーチャーと心と心で通じ合ったのである。
デル・トロは小さいころ「大アマゾンの半魚人」(54)をみて、映画はもとより、奇怪でユーモラスなギルマン(半魚人)の形姿をとても気に入ったそうだ。それがこの映画に生かされたのだろろうと評論家は分析している。
この作品の原題は「水の形態」(THE SHAPE OF WATER)で、この映画のすばらしい魅力もいくつかの水中撮影シーンだと思う。クリーチャーを助け出し、自宅の浴槽にかくまうイライザは、ますます"彼"に心惹かれていく。そして浴槽のある部屋全体を、ドアの下の隙間にタオルをギューギュー詰めにして水で満たし、彼(クリーチャー)とに抱き合うシーンは幻想的でとても美しい。
ストリックランドとイライザとゼルダ
だが、残忍きわまりない狂気に満ちた軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)がとうとうイライザの家を突き止め、捜しに来る。この男はこの時代の典型的は中産階級で、家には美人の奥さんとかわいい子供たちがいる。それにキャデラックに乗っている。(彼がキャデラックを買いに行く場面は、すばらしいレトロなキャデラックがたくさん観られる)それなのに、自分の出世のためには人間や生き物を痛めつけても何とも思わない男なのだ。まるでナチの将校のようである。
ストリックランドはイライザとジャイルズがクリーチャーを海に逃がしにいったことに感づいて後を追い、あげくの果てに海までやってくる。愛し合うイライザとクリーチャーの運命は……。
サリー・ホーキンス(42歳)の演技の上手さとヌードの美しさに驚いた。かなりの年をとっても、役柄によりこうして自分の裸体をさらすのが女優なんだなと思った。スタイルを維持するのは、並大抵の努力ではできないことだ。彼女にアカデミー賞主演女優賞をあげたかった。
デル・トロの描くファンタジーはいつも残酷さがつきものだ。(「パンズラビリンス」しかり)この「悪」の存在ゆえに、良きもの美しい心がとても際立って、観客の心を虜にするのではないかと思った。やはり観る価値のある作品ではないだろうか。
原題:THE SHAPE OF WATER 監督:ギレルモ・デル・トロ 出演:サリー・ホーキンス
マイケル・シャノン、 リチャード・ジェンキンス、 オクタヴィア・スペンサー、
ダグ・ジョーンズ(クリーチャー)
2017年 アメリカ
政府の極秘研究所で掃除婦をしているイライザ(サリー・ホーキンス)は、ある日掃除をしているときに、水槽に居たアマゾンの奥地から運ばれた“クリーチャー”(半魚人)に出会う。言葉を話せないイライザは、一目で気に入ったクリーチャーに食料を運んだり、音楽をきかせたりしているうちに心が通じ合う。しかし、冷酷な軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)は容赦なく“彼”を虐待し、果ては生体解剖を提案する。一方で、背後では熾烈な宇宙開発競争でアメリカと争うソ連がのスパイが動く。イライザは無謀にも“彼”を救出すると心に決めるのだが……。
イライザ(サリー・ホーキンス)とゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)
口のきけないイライザは、お隣のゲイで売れない画家ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)と親しくしている。一方黒人の同僚ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)もイライザの通訳係のような存在で、いつも上司にイライザの手話を翻訳して伝えるのだ。この3人の演技の上手さは小気味よいぐらいだった。オクタヴィア・スペンサーは「ドリーム」にも出演してましたね。
さて、イライザはなぜ、プールのふちにゆで卵をたくさん並べているのでしょうか。それはグロテスクともいえるクリーチャーを気に入ってしまったから、彼に食べ物をあげているのだ。というのもクリーチャーはかなり知性があり、彼女の言いたいことや「卵」という言葉も理解する。彼女は話せない人間なので、クリーチャーと心と心で通じ合ったのである。
デル・トロは小さいころ「大アマゾンの半魚人」(54)をみて、映画はもとより、奇怪でユーモラスなギルマン(半魚人)の形姿をとても気に入ったそうだ。それがこの映画に生かされたのだろろうと評論家は分析している。
この作品の原題は「水の形態」(THE SHAPE OF WATER)で、この映画のすばらしい魅力もいくつかの水中撮影シーンだと思う。クリーチャーを助け出し、自宅の浴槽にかくまうイライザは、ますます"彼"に心惹かれていく。そして浴槽のある部屋全体を、ドアの下の隙間にタオルをギューギュー詰めにして水で満たし、彼(クリーチャー)とに抱き合うシーンは幻想的でとても美しい。
ストリックランドとイライザとゼルダ
だが、残忍きわまりない狂気に満ちた軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)がとうとうイライザの家を突き止め、捜しに来る。この男はこの時代の典型的は中産階級で、家には美人の奥さんとかわいい子供たちがいる。それにキャデラックに乗っている。(彼がキャデラックを買いに行く場面は、すばらしいレトロなキャデラックがたくさん観られる)それなのに、自分の出世のためには人間や生き物を痛めつけても何とも思わない男なのだ。まるでナチの将校のようである。
ストリックランドはイライザとジャイルズがクリーチャーを海に逃がしにいったことに感づいて後を追い、あげくの果てに海までやってくる。愛し合うイライザとクリーチャーの運命は……。
サリー・ホーキンス(42歳)の演技の上手さとヌードの美しさに驚いた。かなりの年をとっても、役柄によりこうして自分の裸体をさらすのが女優なんだなと思った。スタイルを維持するのは、並大抵の努力ではできないことだ。彼女にアカデミー賞主演女優賞をあげたかった。
デル・トロの描くファンタジーはいつも残酷さがつきものだ。(「パンズラビリンス」しかり)この「悪」の存在ゆえに、良きもの美しい心がとても際立って、観客の心を虜にするのではないかと思った。やはり観る価値のある作品ではないだろうか。
原題:THE SHAPE OF WATER 監督:ギレルモ・デル・トロ 出演:サリー・ホーキンス
マイケル・シャノン、 リチャード・ジェンキンス、 オクタヴィア・スペンサー、
ダグ・ジョーンズ(クリーチャー)
2017年 アメリカ
@ミックさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-11 20:20)
鉄腕原子さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-11 20:49)
ぼんぼちぼちぼちさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-11 20:51)
本当に、サリーさんに主演女優賞とってもらいたかったですね。
by 真奈美 (2018-03-11 20:51)
真奈美さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
サリー・ホーキンスはこれまで色々な映画でみていたのに、この映画ほど魅力的な彼女を知りません。監督によって女優は変わるんですね。主演女優賞、とってもらいたかった。イギリス人だから、アカデミーはやっぱり米国第一なのかしら?
by coco030705 (2018-03-11 20:59)
いい映画でした。
サリー・ホーキンスの演技は素晴らしかったですね。
大胆なヌードも美しい。
割とファンタジーには辛いアカデミーが作品賞を上げたのがオドロキです。
主演女優賞はその代わりに「スリー・ビルボード」になったのかな。
でもあちらは2度目だしサリー・ホーキンスに上げて欲しかったです。
ストリックランドは申し分のない悪役ですが、影と悲哀があり単純な悪役として描かれていなかったのも良かったと思います。
by きさ (2018-03-11 21:07)
きささんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
サリー・ホーキンスは今まで何度かアカデミー賞ノミネーションに名を連ねていますよね。今回主演女優賞をとれなかったのは本当に残念です。作品賞と監督賞の2冠を手に入れたからでしょうか。スリー・ビルボードの女優さんがアメリカ人好みなんでしょうね。コーエン兄弟もね。
ストリックランドはとっても怖かったんですが、可哀そうな人でもありました。いい映画でした。
by coco030705 (2018-03-11 21:45)
Do夢さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-11 21:47)
怪しい探麺隊さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-11 21:48)
私も見ました!
友達は、小学生の時、「アマゾンの半魚人」を漫画で読んで気に入り、映画を見たんだそうです。「アマゾン川の『黒い入り江』がポイントだったけど、今度の映画では出てこない」って言ってました。ギレルモ・デルトロ監督は、cocoさんのおすすめ「パンズ・ラビリンス」で知りました。サリー・ホーキンスも「ブルージャスミン」で、ブランドで固めたケイト・ブランシェットと対照的な妹役でしたね。すごくスタイルいいですよね。ダンスを踊る場面も体がきれいで美しかったです。もちろん最後の水中の場面も美しいけど、息ができるのかしら、大丈夫?って心配してしまいました。
お互い話せないけど、言葉は理解できる同志、心が通い合うのでしょうね。
私は昔の映画ETに似てると思いました。ETもぎょろ目だったからかしら。
by TaekoLovesParis (2018-03-12 00:29)
Taekoさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
あら、Taekoさんもご覧になっていたなんて、嬉しいです!サリー・ホーキンスはあの「ブルー・ジャスミン」で助演女優賞にノミネートされましたが、受賞を逃しましたね。今回は本当に残念です。
でもホーキンスが女性として輝いていたので、それはよかったと思いますね。ギレルモ監督に感謝でしょうね。恋愛って、ほんとは言葉はいらないんだと思ったり。好きな人とはただ一緒に居るだけで楽しいですものね。この映画で恋愛とは何かをもう一度考えさせられました。ギレルモ・デル・トロはやっぱりただ者ではないですね☆
by coco030705 (2018-03-12 01:25)
半魚人ですぐに思い出したのは、映画「ヘルボーイ」に出てくるエイブ・サピエン。
あれ?っと思ったら、どちらも監督さんが一緒だったんですね^^。
by Inatimy (2018-03-12 07:30)
Inatimyさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪
「ヘルボーイ」は観ていないんですが、エイプ・サピエンは”クリーチャー”を演じたダグ・ジョーンズです。↑のポスターからもわかるように、ダグは凄くスタイルがいいですね。ネットで調べたら瘦せすぎぐらいの俳優さんでした。サリー・ホーキンスもどちらかといえば瘦せすぎな感じがしますので、きれいな映像をとろうと思ったら、やっぱりそうなのかな、と思いました。モデルさんでもほとんどが痩せすぎですものね。まあ体質もあるとは思いますが、
厳しい仕事ですね!
by coco030705 (2018-03-12 18:21)
匁さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-12 18:23)
uminokajinさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-12 18:24)
mayuさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-12 18:25)
コザックさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-12 22:16)
ryo1216さんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-13 07:21)
りんこうさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-13 15:59)
月夜のうずのしゅげさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-14 16:49)
これ是非観てみたいですねぇ。
ちなみにぼくのハンドルネームgillmanは、ジャック・アーノルド監督の大アマゾンの半漁人の名前からとりました。
醜い怪物なのにシャイでそのくせ分不相応な美しいものに憧れて執着している。なんだかその得体のしれないところが逆に人間的で気にいっています。
by gillman (2018-03-15 09:20)
gillmanさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
ええ?!gillmanさんのハンドルネームが、半魚人の名前とは、びっくりしました。(*_*; 文化人の方の名前かなって思っていました。(gillmanさんの文章より想像)楽しいお名前ですね。
(^-^)
シェイプ・オブ・ウォーターの監督ギレルモ・デル・トロは、半漁人が大好きみたいですね。でも映画の方は、1カ所だけ、イライザのアパートにクリーチャーがかくまわれているときに、飼い猫を食べてしまうというシーンがあります。はっきりとは撮っていないのですが、これは私にはNG!最後の方のシーンです。ちょっとお気をつけくださいませ。
by coco030705 (2018-03-15 18:05)
ネオ・アッキーさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-15 18:44)
takaさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-16 21:39)
zombiekongさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-16 22:58)
賞、総なめって感じでしたね〜
私は、なんとなく、こういうファンタジー感がちょっと苦手っていうか・・・(^_^;
どんな映画なのか、よく分からないでいたのですが〜 なるほど。
美しく悲しき寓話を、じっくり観賞するのもいいですね♪
by のらん (2018-03-17 08:07)
のらんさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪
ギレルモ・デル・トロはゆめゆめしいファンタジーではなく、けっこう残酷な場面も躊躇なく入れるので、好みが分かれる人だと思います。この作品は最後がハピーエンドですので、受賞に結び付いたのでは。もしご覧になるなら、DVDでも十分ではないでしょうか。嫌な場面は飛ばしてみたりできますものね。
by coco030705 (2018-03-17 16:32)
yamさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-17 16:33)
こんばんは。
美しくてロマンティックな映像が
素晴らしかったです。
サリー・ホーキンスの演技にも引き込まれました。
いい女優さんですね。
by Naka (2018-03-18 01:35)
Nakaさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪
なかなかよかったですね。ギレルモ・デル・トロはパンズ・ラビリンスが好きです。他のはみていませんが、面白いんでしょうか。
この作品でサリー・ホーキンスにとても興味が湧いてきて。今上映中の「しあわせの絵の具」も観に行く予定です。
by coco030705 (2018-03-18 11:46)
こんばんは
ギレルモ監督色が、いかんなく発揮されていた作品でしたね。
オリジナル脚本でここまでのオトナのファンタジーが書けるのがすばらしい。アカデミーも納得。
サリー・ホーキンスには主演女優賞あげたかったですね。
水の中で抱き合うシーンのあの至福の顔は忘れられません☆
by コザック (2018-03-18 23:22)
コザックさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪
ほんとに面白い映画でしたね。私はパンズ・ラビリンスが好きだったんですが、他の作品は観ていません。コザックさんは何かご覧になりましたか。
オリジナル脚本というのが、監督の才能をうかがわせるに十分ですね。今、私の中ではサリー・ホーキンスがマイブームなんですよ。
「しあわせの絵の具」も観に行きました。またそのうち記事をアップいたします。
by coco030705 (2018-03-19 16:41)
HIDEand爺さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-19 20:22)
読ませて頂きました。
ありがとう。
by U3 (2018-03-22 07:56)
U3さんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
記事をお読みいただきありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。
by coco030705 (2018-03-22 18:32)
アルファルハさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2018-03-22 18:33)
こんばんは。
私もサリー・ホーキンスに主演女優賞をあげたかったと思いました。
素晴らしい演技でしたね~
映像も映画としてもインパクトがありましたけど、彼女の演技が一番印象に残りました☆
by non_0101 (2018-03-31 23:23)
nonさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
ほんとにそうですね!映像もすばらしかったですが、サリー・ホーキンスの上手さが印象的でしたね。サリーの過去の作品もちょっと観てみたいです。
by coco030705 (2018-03-31 23:27)