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プライドと偏見 [外国映画]

原作:ジェーン・オースティン     監督:ジョー・ライト      出演:キーラ・ナイトレイ、
マシュー・マクファディン、  ドナルド・サザーランド、   ブレンダ・ブレッシン、 
ジュディ・デンチ etc.
2005年 イギリス

「I love you from the bottom of my heart.(心から愛してます。)」この言葉は、おそらくどんな女性でも言われて悪い気はしないと思う。これは、この映画のヒロイン エリザベス(キーラ・ナイトレイ)がミスター・ダーシー(マシュー・マクファディン)に最後にいわれる言葉だ。
 関東の人は女性に告白するときに、「愛してます」という言葉を使うのだろうか。関西人は絶対いわない。というより、「愛してます」なんて言葉は、関西弁には存在しないのだ。せいぜい、「好きやねん」くらいだろう。

 最初から話がそれたが、この映画の原作はジェーン・オースティンというイギリスの18世紀の女性作家だ。この人の作品は、平和な田舎町が舞台である。日常生活の中のありふれた感情や人物を描き、それを鋭い観察眼で捉えて登場人物のそれぞれの性格を浮き彫りにする。

 18世紀末、女には相続権がなくイギリスの田舎町に住むベネット家の母親は、5人の娘たちの行く末を心配していた。ある日、近所の豪邸に大金持ちで独身男性のビングリー(サイモン・ウッズ)が引っ越してきた。
 ベネット家の長女のジェーンは美しいが内気、次女のエリザベスは勝気でまっすぐな性格だ。また、ビングリーは明朗な人物で、その親友のダーシーは気難し屋だった。この2組のカップルを中心に、物語は展開していく。

 映画はオール・イギリス・ロケで行われたそうだ。英国特有の曇り空、雨、それに石造りの由緒ある豪邸がすばらしい。

 この「プライドと偏見」[原題:自負(高慢)と偏見]は、BBCのTVドラマの録画でみたことがある。このときは、コリン・ファースがダーシー役で、それがとてもよかったので、コリンのイメージが強かった。ダーシーの気難しい様子や人付き合いの下手な雰囲気がよくでていた。

 この新作のマシュー・マクファディンは、コリン・ファースのダーシーよりはスマートな感じだが、女性に対するぎこちない感じなどはうまく表現していたと思う。

 キーラ・ナイトレイは、私はアメリカ人と思い込んでいたのだが、イギリス人だった。かなり現代的なはっきりものを言う女性という感じだった。その気の強さが目立っていたので、誤解がとけて、ダーシーへの想いがだんだんと変わっていくところがもう少し、やわらかい感じだといっそうよかったのにと思った。

 母親役のブレンダ・ブレッシンが大変うまかった。おしゃべりで軽薄な心配性の母親をみごとに演じていた。また気位が高く、いじわるな金持ちの老婦人をジュディ・デンチが貫禄で表現していた。その他、ドナルド・サザーランドも父親役で登場。演技派が脇を固めた。

 人間の性格というものは、型があるのだろうか。この映画のなかの登場人物は、現代でもこういう性格の人がいると思わせるものだった。これは、ジェーン・オースティンが鋭く完璧な写実で、登場人物を描いたからだと思う。そして、女性にとっての結婚。今は色々な考え方が巷にあふれているので、結婚しない人も増えているが、やはり女性としては、結婚は永遠の課題なのではないだろうか。

 こうして見てくると、人間の本質というものは、時代を経てもそんなに変わらないのだということがわかる。だからこそ、こんなに古い小説が現代でも読み継がれ、しかも人々の共感を得ることができるのだろう。

 ジェーン・オースティン原作の作品は、今までも数本ドラマになったり、映画化されたりしている。
 「いつか晴れた日に」(主演:エマ・トンプソン)や「エマ」(主演:グゥイネス・パルトロウ)などだ。これも2本とも好きな映画だ。
 「プライドと偏見」の原作も、この機会に読みなおして見たいと思っている。


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コメント 10

ao-lovestory-dvd

数分違いで同じ記事をアップしていましたね(笑)
私は関東ですが・・・愛してるなんて言われた事も
言った事もないのですが(笑)言う人はいうのかな(笑)
言葉の重さもあってあんまり口には出来ないのですが、
西洋はきちんと明確に伝える言葉を口に出して話す文化なんでしょうけど
「察してくれ」文化の日本ではなかなか耳にしないかもしれませんね(笑)
偶然とはいえこれも何かの縁かと思いましたのでTBさせていただきました…
そしたら二重投稿に…(ノ><)ノ ┫゜・∵。
一度目はエラーだったはずなのに…一個消して下さい。すみませんでした。
by ao-lovestory-dvd (2006-01-20 00:30) 

coco030705

あおさんへ
nice&コメント&TBありがとうございます。
なるほどね、「あいしてる」というのは以心伝心の日本では
使いにくい言葉なのですね~。でも、一度だけでもいってもらいたい
ような気も・・・(笑)相手?やっぱり、コリン・ファースがいいな☆
by coco030705 (2006-01-20 08:57) 

おはようございます。
この映画、気になってます・・・。
ところで、今LaLaTVで「高慢と偏見」を放送しています。
何気に気になって、観るともなしにかけておりました。
今度からしっかり見てみます。コリン・ファースってなかなかいいですよね♪
「愛してる」これって、韓国ドラマでしか聞けないような気が・・。
関西では、ありえない~~~。関西弁の辞書にはない!笑
by (2006-01-20 09:22) 

coco030705

kurumiさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
わ、いいですね。TVで見れるんですね。私は友達に借りたビデオで
見たので、もう一度みたいなあと思ってます。そのうち、BSあたりで
またやるかもしれませんね。
ああ、なるほど。「愛してる」なんて、日本じゃめったに聞かれないのかな。
韓国ドラマには合いそうですネ。(そそ、関西弁じゃありえない、ですよね)
by coco030705 (2006-01-20 14:28) 

gillman

I love you from the bottom of my heart.
僕もこの表現が気に入って
大昔、イギリス人の彼女に
…といったら
その表現は大げさで古すぎると言われたことを想いだしてしまいました
言う人にもよるのね
シュン
by gillman (2006-01-20 21:34) 

non_0101

こんばんは。おじゃまします。
綺麗で上品で楽しい映画でしたね!
私もダーシー役はドラマのコリン・ファースの印象が強かったのですけど
マシュー・マクファディンも落ち着いた感じで良かったです。
先日、書店に新潮文庫の「自負と偏見」が並んでいるのを見て
つい手が出てしまいました。(昔、読んだのは確か岩波文庫だったのです。)
出だしの会話から、やっぱり面白いです!
by non_0101 (2006-01-20 23:04) 

coco030705

gillmanさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
なーるほど、日本人が思っているのと、ネイティブの人が
感じるのとでは、差があるんですね。
この映画は、18世紀が舞台ですから、このころはふつうだったのかも
しれませんね。
by coco030705 (2006-01-21 00:55) 

coco030705

nonさんへ
nice&コメント&TBありがとうございます♪
マシュー・マクファディンも、よかったですね。女性に対して
ぎこちないところが、かわいかったです。
私も今、原作を読み中です。
by coco030705 (2006-01-21 00:58) 

coco030705

Nakaさんへ
niceありがとうございます♪
by coco030705 (2006-01-21 01:09) 

coco030705

DSilberlingさんへ
nice♪ありがとうございました☆
by coco030705 (2006-01-24 18:19) 

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