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微笑に出逢う街角 [外国映画]

監督:エドアルド・ポンティ   出演:ソフィア・ローレン、  ミラ・ソルヴィーノ、
デボラ・カーラ・アンガー、  ジェラール・ドパルデュー、  ピート・ポスルスウェイト
2002年 カナダ・アメリカ   スクリーン

 神戸の神戸市立博物館の地下講堂で、「居留地シネマ」というのを年2,3回やっている。これは、
NPO神戸100年映画祭が主催する催しで、女性スタッフの運営により女性が主役の映画を上映している。少し前の作品だが、なかなかいい映画をスクリーンで見れるので、見逃していたものであれば、行くようにしている。

 今回は「微笑に出逢う街角」。これは、ソフィア・ローレンの記念すべき第100作目に当たる映画で、監督が実の息子、エドアルド・ポンティのデビュー作である。

 オリビア(ソフィア・ローレン)、ナタリア(ミラ・ソルヴィーノ)、キャサリン(デボラ・カーラ・アンガー)という世代の異なる3人の女性たちの人生がそれぞれに描かれていく。

 オリビアは車椅子生活の夫がいる日曜画家である。2人の生活は質素だが穏やかだった。しかし、オリビアには絵の才能があり、密かに芸術の都フィレンツェへの憧れをいだきながら生活している。
 ナタリアは、有名なフォト・ジャーナリストを父に持ち、自身も戦場でのスクープ写真で「TIME」の表紙を飾り、華々しいデビューを果たす。しかし、戦場での悲惨な出来事が、彼女の心に重くのしかかっていた。
 キャサリンは、国際的チェリストだが、幼いときに体験した心の傷を消せずにいて、家族と離れ離れに暮らしている。

 この3人の女優がそれぞれとてもよかった。ソフィア・ローレンは、大きな秘密を心に抱えていて、そのために顔に隈ができているのをメイクで現していて、それがアップの寝顔になっていたのには驚いた。こんな大女優が、まったく美しくない顔をカメラの前にさらすというのが驚きだった。しかしやっぱり余裕というか、鷹揚なかんじとか、貫禄があった。

 ミラ・ソルビーノは、ウディ・アレンの「誘惑のアフロディーティ」で、ちょっとおバカでセクシーな女の子の役だったので、なんとなくそんなイメージを持っていた。でも今回は女性カメラマンの役で人間的にも素敵な女性として描かれていた。

 デボラ・カーラ・アンガーは、顔が爬虫類系で今まであまりすきじゃなかったのだが、この映画では美しく見えた。やはり役によって女優さんは変わるのだなと思った。

 それから、この3人の女性をとりまく男性達、つまり、父親、夫、知り合い、仕事仲間などだが、それぞれに有名な演技派俳優が演じている。これはやはり、ソフィア・ローレンの顔でこれだけの人が集まったのかなと思った。

 この映画の鍵は子供である。この女性たち3人は子供によって、自分の歩むべき道を示されるのだ。

 おもしろい筋書きだったが、3人の女性それぞれにここだというベストな場面があったら、もっと印象に残る映画になっていただろう。色々と盛り込みすぎたのかもしれない。

 この作品を見て感じたことは、人は色々な心の傷を抱えて生きているが、その傷はいつか癒されなくてはいけないということだ。それを癒すことができるのは、他ならぬ自分自身なのだ。どうすれば自分は幸せになれるのか、それを考えながら、人は長い人生を生き抜いていかなければならないのだろう。私も今一度、自分の生き方を振り返って見ようと思った。


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コメント 7

gillman

ソフィア・ローレン
ぼくらの時代の象徴ですね
「昨日・今日・明日」が秀逸でした
by gillman (2006-04-02 10:17) 

coco030705

gillmanさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
ソフィア・ローレンの映画は、そんなにたくさん見ていないのですが、
「ひまわり」が好きです。「昨日・今日・明日」も機会があればみて
みたいです。
by coco030705 (2006-04-02 18:10) 

ken

最期の4行にnice!
自分の人生がプラスだったかマイナスだったかを評価するのは
他人ではなく自分ですね。これは間違いありません。
そして誰しも自分の人生は否定したくないので、いつかはほんの少しだけ
プラスに捉えるようになっていると思います。
人間は、「過去の辛い体験が今の自分を支えている」、
或いは「報われている」と思えることを探して生きているのでしょうね。
by ken (2006-04-03 12:05) 

coco030705

kenさんへ
nice&TB&コメントありがとうございます♪
ほんとにおっしゃるとおりだと思います。
>人間は、「過去の辛い体験が今の自分を支えている」

私も辛いときは、回りを見回して、辛いのは自分だけじゃない、
と思うようにしています。最後は笑いたいですものね。
by coco030705 (2006-04-03 18:13) 

KANAchanMaMa

私は、お若い時の ソフィア・ローレン作品を あまり観ていないのですが、
これは 試写会に当たったことが理由で 観ました。が!良かったです~!
夫々の場所で 各々の人生を 生きて、いつか出会い、また 分かれていく
…しっとりとした 情緒 溢れる、大人の鑑賞に堪えうるストーリーだった
…と 思います。
よく 映画を 鑑賞される方なんですネ。(^^♪ なんだか、嬉しい!(*^^)v
他の作品も 覗かせて下さいマセ!
by KANAchanMaMa (2006-04-04 18:45) 

coco030705

KANAchanMaMaさんへ
nice&コメントありがとうございました♪
KANAchanMaMaさんがおっしゃるように、
>大人の鑑賞に堪えうるストーリーだった
ですよね。
いい映画に出逢えてよかったです。
by coco030705 (2006-04-04 20:44) 

kemukemu

こんにちは。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。
ソフィア・ローレンの「河の女」という映画の
昔の広告もとりあげています。
よかったら、寄ってみてください。
http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611
by kemukemu (2007-02-18 20:18) 

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