ロートレック展 ～パリ、美しき時代を生きて～

　大阪港天保山の「サントリーミュージアム」で開催中の「ロートレック展」を見に行ってきた。今回の展覧会の特色は、グラフィック・アーティストとしてのロートレックの全貌を見ることができるところだ。
　私は昔からロートレックのポスターが大好きだった。モダンでセンスのいいポスターと版画は、代表作だけを厳選した130点、ふだんあまり展示されることのない雑誌挿絵約20点、さらに保存上の理由からほとんど公開されることのない素描20数点と非常に充実した内容だった。それに加えて、24点の油彩画は、いずれも名品ぞろい。特にオルセー美術館所蔵の、日本初公開をふくむ7点の油彩がまとまって出品されていた。

　ロートレックは貴族の家系に生まれながら、ダンスホールや劇場、娼婦など19世紀末パリの歓楽の世界に入り浸り、そこに暮らす人々の姿を描き出した画家である。
　人物達の表情は必ずしも美しいわけでなく、華やかな表面とは裏腹に見ようによっては醜いとも取れるような表情をしている。これはロートレックが対象の本質を見抜く鋭さをもっていて、また自分自身が10歳のとき両足の骨折により、成長が止まってしまったというハンディキャップをもっていたことと無関係ではないと思う。特に油絵は全体に暗く、ポスターや版画の明るいモダンさとは対照的だった。

女道化師シャ＝ユ＝カオ

　ポスターは色々な本や図録で見たことのあるものがたくさんあって、本物が見れたことが嬉しかった。想像していたより大きいサイズのものが多かった。今これらを何かのポスターとして使ったとしても、まったく古さを感じないだろう。それは一体なぜなのだろうか。秋の夜長に考えたいテーマである。
　このときのお供はワインとチーズがいいだろうか。それともブランデー（あまり飲んだことがないが）とチョコレート？いや、やはり日本人なら熱燗と土瓶蒸しが最高かしら……。芸術談義はどこへやら。（笑）

　

コメント 20

ワインとチーズとプロシュートがいいですね。
ただしプロシュートを食べ過ぎると夜中に喉が渇いて目が覚めるので要注意。
いいなあ、ロートレック。僕も大好きです。
by ken (2007-10-09 00:32) 

ロートレック、いいですね。僕も好きです。
彼のポスターが自分の部屋に貼ってあったらカッコイイ…けど似合わないか。
by 丹下段平 (2007-10-09 01:25) 

kenさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
ワインとチーズと生ハム（ですね？）いいですねぇ。
いくらでも飲めそう。（＾＾）


丹下段平さんへ
nice&コメントありがとうございます♪
ロートレックのポスターのレトロな感じが、案外日本家屋にも
合うかもしれませんよ。
by coco030705 (2007-10-09 02:22) 

a_Studentさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2007-10-09 02:23) 

ロートレックは、ワタシの趣味よりちょっと地味なんですよ。同時代人では、最近ではあまりにも一般化してしまいましたが、ミュシャが高校の頃から好きなんで。でもロートレックのデカダンな生活とその早世には、ワタシには（性格的にも）真似出来ないがゆえに魅力を感じますね。
しかし展示点数200点超えですか？多いですねぇ。最近どうも展覧会の展示数が多いような気がしますね。cocoさんがどう感じられたか分かりませんが、ワタシ的にはもっと厳選して欲しいです。点数が多くなるとコンセプトがボケる。点数を少なくして充実感を出すのが学芸員の腕の見せ所だと思うのですが・・・。いろいろな制約があると思いますが、美術展などが活況を呈している現在だからこそ、いい展覧会を期待したいです（って、人のブログに書き込む話じゃなかったですね汗・・すいません）。
by tomoart (2007-10-09 02:44) 

tomoartさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
tomoartさんは美術方面は専門でいらっしゃるので、ご意見伺えてよかったです。
「ミュシャ」いいですね。華やかでロマンティックで好きです。大阪の堺市に
「ミュシャ」の美術館があるんですよ。まだ行ってないんですが、いつかいこうと思っています。
展示点数のことですが、今回の展覧会の目的である「グラフィック・アーティストとしてのロートレック」を見せるということでは、良かったんじゃないかと思いました。
油彩をごく限られた点数にして、あとはポスターと版画だけだったんで、疲れないし、満足できました。
ロートレックの油彩はかなり暗いので、これが多いとちょっと疲れちゃいますけど。
私はデパートの美術展が結構好きでもあります。何かのついでに手軽に行けるし、点数が少ないので疲れませんものね。
by coco030705 (2007-10-09 08:09) 

こんばんは
ロートレックといえば、開店以来入り浸りだったムーラン・ルージュでのポスターが有名ですね。それに今では普通に使われるスピッティング用いた石版印刷をポスターに取り入れたり、その辺で私は優れた職人として尊敬しています(^^)
by (2007-10-09 20:29) 

WIZARDさんへ
どうも～。nice&コメントありがとうございます♪
WIZARDさん、お詳しいですね。この人は色々才能があった人なんですよね。
確か料理の本もだしていたはずです。退廃的な生き方と思われがちですが、
それは一般人の偏見であって、自分自身は好きな仕事をして趣味に生きた芸術家なのだと思います。
by coco030705 (2007-10-09 20:59) 

こんばんは～。
わたしも好きですねぇ。ロートレック。作品も人生も。
映画の「ムーラン・ルージュ」にも、登場してましたよね。
足が悪くて、小男だったときいてたのでイメージピッタリでした。
芸術家ってやっぱりどこか屈折してた方がいいのかなぁ。
by (2007-10-09 21:04) 

ERUNさんへ
ようこそ～。コメントありがとうございます♪
映画の「ムーラン・ルージュ」、残念ながら見逃してました。
今度見てみますね。
やはり芸術家は一般人とは違った角度から対象を見て
本質をつかむんでしょうね。どこか屈折してたり不幸だったり・・・。
でも、マチスのように生涯平穏無事な人生を歩んだ人もいるから・・・。
だからマチスの作品はあんなに明るいんですね。（日本人には受けないんですって。私は好きですけど。）
by coco030705 (2007-10-09 21:28) 

高校の時、家庭教師の人が、「今日、これ、買ったんだけど、すごくいいん
だよ」と、ロートレックの画集をあけ、一枚、一枚、説明してくれたのが、
初ロートレックでした。
Cocoさんがおっしゃっているように、古びないというのがすごいですね。
中央の女の人が、極端にデフォルメされ、アニメっぽいから、時代を超えて
古くならないのでしょうか。ポスターとして、デザインが斬新ですよね。
この色合いは日本家屋にもあうでしょう。
３枚目は簡素化された曲線でぴたっと形をとらえていますね。シンプルで
いいなと思います。
秋の夜長は、ゆっくり甘めのワインがいいかなぁ。。
これ、東京でやると、いいけど。。。（希望）
by TaekoLovesParis (2007-10-09 22:16) 

Taekoさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
Taekoさんの家庭教師の人はいい方だったんですね。
人はやはり人に影響を受ける（学ぶ？）のですね。

秋の夜長、甘めのワイン、いいですね～。甘いワインのお供は
何がよろしいでしょうか。フルーツか何か？

東京のサントリー美術館でやるといいですね。
by coco030705 (2007-10-09 23:53) 

takagakiさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2007-10-10 20:29) 

xml_xslさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2007-10-10 20:31) 

たねさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2007-10-11 12:37) 

難しいところですね～～。私は迷わずブランディーに甘めのチョコレート、
カロリーにはこの際目をつぶります。しかし、赤ワインにチーズもすてがたし、、、
。
by aranjues (2007-10-12 22:56) 

aramjuesさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
ブランディーとチョコレート、お洒落ですね～。
ワインとチーズだと、際限なく食べてしまいそうです。
by coco030705 (2007-10-13 18:30) 

大阪港天保山行きたいです。
堺には「ミュシャ」美術館があるんですね！？いいこと聞きました。＾・＾
by キキ (2007-10-15 20:12) 

キキさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
ロートレック、よかったですよ。お時間があれば……。
「ミュシャ」の美術館、なかなかいいそうですよ。こちらは
わたしもまだです。堺市立文化館の中に、この美術館が
あるそうです。アドレスは以下：
http://www.sakai-bunshin.com/mucha.php
by coco030705 (2007-10-15 21:55) 

サイコ・トラベラさんへ
nice ありがとうございます♪
by coco030705 (2007-11-05 15:19)