ミッドナイト・イン・パリ [ウディ・アレン]
御年77歳のウディ・アレンが、2012年度アカデミー賞&ゴールデン・グローブ賞の最優秀脚本賞を受賞した作品である。
映画の冒頭はパリの風景である。それは、とても現実味がある風景だ。画面の色もセピアっぽい色で、生活感があって観客もまるでその中を歩いているかのようだ。パリの名所が短いショットで次々に映し出されていく。ルーブル美術館、ノートルダム寺院、セーヌ河岸、エッフェル塔、凱旋門、そしてまだ閉まっている時間の、ひっそりとしたムーランルージュなど、ウディ・アレンのパリへの愛情が感じられるような素敵な出だしである。
パリにやってきたアメリカ人ギル(オーウェン・ウィルソン)は、ハリウッドの売れっ子脚本家である。しかし私生活では華やかな現代のアメリカよりも、古き良き1920年代のパリをひそかに愛している。そしてある日真夜中にパリの街を歩いていたとき、一台の車がギルの横に停車し、それに乗り込むと着いたところは、憧れの1920年代のパリの酒場であった。つまりギルはタイムスリップしたのだ。そしてそこにはF・フィッツジェラルド夫妻(トム・ヒドルストン&アリソン・ビル)をはじめ、コール・ポーターなどがいてギルと親しく話してくれるのだった。
ギルはフィアンセのイネズ(レイチェル・マクアダムス)と彼女の両親と一緒にパリに来ていたのだが、真夜中のタイムスリップに夢中になる。そして、彼はヘミングウェイ、ガートルード・スタイン、ジョセンフィン・ベーカー、ピカソ、ダリ、マン・レイ、T.S.エリオット、マティス、ロートレック、ゴーギャン、ドガなど超一流の芸術家たちと会い話をかわすのだった。
この中で、最も似ていたのがサルバドール・ダリを演じたエイドリアン・ブロディである。そしてガートルード・スタイン役のキャシィ・ベイツのうまさったらない。また、ロダン美術館のツアーガイドを演じているのが、カーラ・ブルーニ、サルコジ元フランス大統領の夫人である。彼女はカメオ出演だが、ウディ・アレンがサルコジさんに朝食に招待されたときに出演を依頼し、快諾されたそうだ。大変魅力的で美しい人である。ウディ・アレン映画ならではの豪華キャストに大満足。
さて、ジルは小説家になりたい夢をもっていて、その原稿をヘミングウェイとガートルード・スタインに批評してくれるように頼んだ。そして二人からよく書けているから少し手直しすればいいとのお墨付きをもらい、いよいよ小説家として生きて行こうと決心する。そして、ヘミングウェイからある指摘を受けるが、そのことによって婚約者のイネズと別れることになる。そして愛するパリでの作家生活がスタートするのである。
モディリアーニの元恋人でピカソの愛人のデザイナー役にマリオン・コティアールがキャスティングされている。彼女がすごく美しくて、着ているドレスはヴィンテージものだそうだ。すばらしいドレスとバッグである。
またジルが真夜中のパリで乗り込む車は、黄色のプジョー・ヴィンテージカー(Peugeot Type184 Landaulet)であり、フィッツジェラルド夫妻をのせたオープンカーはPeugeot 177 Torpedoなのだそうだ。
音楽はジョセフィン・ベーカーのLa Conga Bliconti やウディ映画おなじみのジャズの数々。フレンチカンカンも少し使われる。申し分ない。
言うまでもなく、俳優一人一人が大事にされ、印象に残る。皆がこぞってウディ作品に出たがるゆえんだろう。また軽妙洒脱なセリフの数々。会話が生き生きとしている。
いつものウディの皮肉っぽさはそれほど強くなく、軽妙でロマンティックなハピーエンディングストーリーだ。一瞬たりとも観客を飽きさせない、会心の一作である。
原題:Midnight in Paris 監督&脚本:ウディ・アレン 出演:オーウェン・ウィルソン、
レイチェル・マクアダムス、マリオン・コティヤール、 キャシー・ベイツ、 マイケル・シーン、
カーラ・ブルーニ、 アリソン・ビル、 レア・セドゥーetc.
2011年 スペイン・アメリカ
映画の冒頭はパリの風景である。それは、とても現実味がある風景だ。画面の色もセピアっぽい色で、生活感があって観客もまるでその中を歩いているかのようだ。パリの名所が短いショットで次々に映し出されていく。ルーブル美術館、ノートルダム寺院、セーヌ河岸、エッフェル塔、凱旋門、そしてまだ閉まっている時間の、ひっそりとしたムーランルージュなど、ウディ・アレンのパリへの愛情が感じられるような素敵な出だしである。
パリにやってきたアメリカ人ギル(オーウェン・ウィルソン)は、ハリウッドの売れっ子脚本家である。しかし私生活では華やかな現代のアメリカよりも、古き良き1920年代のパリをひそかに愛している。そしてある日真夜中にパリの街を歩いていたとき、一台の車がギルの横に停車し、それに乗り込むと着いたところは、憧れの1920年代のパリの酒場であった。つまりギルはタイムスリップしたのだ。そしてそこにはF・フィッツジェラルド夫妻(トム・ヒドルストン&アリソン・ビル)をはじめ、コール・ポーターなどがいてギルと親しく話してくれるのだった。
ギルはフィアンセのイネズ(レイチェル・マクアダムス)と彼女の両親と一緒にパリに来ていたのだが、真夜中のタイムスリップに夢中になる。そして、彼はヘミングウェイ、ガートルード・スタイン、ジョセンフィン・ベーカー、ピカソ、ダリ、マン・レイ、T.S.エリオット、マティス、ロートレック、ゴーギャン、ドガなど超一流の芸術家たちと会い話をかわすのだった。
この中で、最も似ていたのがサルバドール・ダリを演じたエイドリアン・ブロディである。そしてガートルード・スタイン役のキャシィ・ベイツのうまさったらない。また、ロダン美術館のツアーガイドを演じているのが、カーラ・ブルーニ、サルコジ元フランス大統領の夫人である。彼女はカメオ出演だが、ウディ・アレンがサルコジさんに朝食に招待されたときに出演を依頼し、快諾されたそうだ。大変魅力的で美しい人である。ウディ・アレン映画ならではの豪華キャストに大満足。
さて、ジルは小説家になりたい夢をもっていて、その原稿をヘミングウェイとガートルード・スタインに批評してくれるように頼んだ。そして二人からよく書けているから少し手直しすればいいとのお墨付きをもらい、いよいよ小説家として生きて行こうと決心する。そして、ヘミングウェイからある指摘を受けるが、そのことによって婚約者のイネズと別れることになる。そして愛するパリでの作家生活がスタートするのである。
モディリアーニの元恋人でピカソの愛人のデザイナー役にマリオン・コティアールがキャスティングされている。彼女がすごく美しくて、着ているドレスはヴィンテージものだそうだ。すばらしいドレスとバッグである。
またジルが真夜中のパリで乗り込む車は、黄色のプジョー・ヴィンテージカー(Peugeot Type184 Landaulet)であり、フィッツジェラルド夫妻をのせたオープンカーはPeugeot 177 Torpedoなのだそうだ。
音楽はジョセフィン・ベーカーのLa Conga Bliconti やウディ映画おなじみのジャズの数々。フレンチカンカンも少し使われる。申し分ない。
言うまでもなく、俳優一人一人が大事にされ、印象に残る。皆がこぞってウディ作品に出たがるゆえんだろう。また軽妙洒脱なセリフの数々。会話が生き生きとしている。
いつものウディの皮肉っぽさはそれほど強くなく、軽妙でロマンティックなハピーエンディングストーリーだ。一瞬たりとも観客を飽きさせない、会心の一作である。
原題:Midnight in Paris 監督&脚本:ウディ・アレン 出演:オーウェン・ウィルソン、
レイチェル・マクアダムス、マリオン・コティヤール、 キャシー・ベイツ、 マイケル・シーン、
カーラ・ブルーニ、 アリソン・ビル、 レア・セドゥーetc.
2011年 スペイン・アメリカ
怪しい探麺隊さんへ
おはようございます。nice! をありがとうございます♪
by coco030705 (2012-06-08 08:14)
こんにちは。
本当に軽快で楽しい作品でしたね~
海外旅行が苦手な私でもパリに憧れてしまいそうです(^^ゞ
何度でも観たくなる楽しさでした☆
by non_0101 (2012-06-08 08:57)
xml_xslさんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-06-08 23:24)
nonさんへ
こんばんは。nice&コメントありがとうございます♪
楽しかったですね。私もこの映画を観てパリに行きたくなりました。
ウディ・アレンの映画に対する情熱に脱帽ですね!
by coco030705 (2012-06-08 23:27)
yukkoさんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-06-08 23:28)
tomoartさんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-06-08 23:29)
Taekoさんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪
パリって本当に魅力的な街ですね。この映画を観てよくわかりました。
by coco030705 (2012-06-08 23:30)
gillmanさんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-06-10 00:38)
つるむらさきさんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-06-11 17:36)
見ました!ブランド好きの友達と行ったので、ディオールでお買い物したのねとか、イネズのおかあさんのバッグがエルメス、宝石箱がゴディヤールと目を輝かせていました。マリオン・コティアールがダンスをするときのドレスもすてきだったけど、小さなバッグもよかったですね。ギルがイネズの両親と話がかみ合わない辺りもおかしかったです。
次から次へと著名な芸術家たちが出てきて、みんな、すぐわかるほど、そっくりでしたね。ガートルードスタインの部屋には、ピカソが描いたスタインの肖像画がかかっていましたね。
ガイドさんがカーラ・ブルーニだったんですね。友情出演のわりには、出演場面が多かったですよね。
ストーリーは、納得の結末でした。
by TaekoLovesParis (2012-06-12 23:37)
Taekoさんへ
コメントありがとうございます♪
ほんとにお洒落ですよね~。イネズのファッションはカジュアルでしたが、
全てシャネルなのだそうです。私はてっきりラルフ・ローレンかと思ってましたけど。(笑)
マリオンのドレスとバッグ、さすがヴィンテージものですよね。彼女の着こなしもよく最高に素敵でした。
やっぱりウディ・アレンの作品のセリフのうまさには舌を巻きますね。会話が生きていました。
ガートルード・スタインの部屋に、ピカソの描いた彼女の絵がかかっていたのですか!それは知りませんでした。さすが、Taekoさんでいらっしゃいますね。
もう一度観るときに確かめてみますね!
by coco030705 (2012-06-13 00:24)
こんにちは。
ウディ・アレン監督がアカデミー賞脚本賞を受賞したのに授賞式には現れなかったのでどんな作品かと楽しみにしてました。
1920年代のパリをこよなく愛する主人公が真夜中にやってくる車に乗り込むと過去にタイムスリップ。
あこがれの芸術家に囲まれ不思議な体験に驚きながらも楽しむ主人公、あれはアレン監督自身なのかしらなんて思ったんですけど。
by キキ (2012-06-17 19:06)
キキさんへ
こんばんは。こちらにも、nice&コメントありがとうございます♪
ウディ・アレンはアカデミー賞授賞式には出ないんです。権威とかが大嫌いな人なので。ただし、9.11アメリカ同時多発テロの時のアカデミー賞授賞式にはゲストスピーカーとして登場して、スピーチをしました。あれが印象的で忘れられないですね。
ウディは今パリに住んでいるんですよね。あの主人公は自分で演じたかったのかもですね。俳優たちのなりきりようを大いに楽しめた作品でした。
by coco030705 (2012-06-17 20:46)
こんばんは。
エイドリアン・ブロディ最高でした!本当に面白い役者さんですよね〜。
マリオン・コティヤール、本人も衣装も美しかったですね。
アレンが撮って音楽をつけると、パリもやっぱり「アレン風味」になるなぁ〜と嬉しくなりました。
by トミュウ (2012-06-20 20:12)
トミュウさんへ
こんばんは。nice&コメントありがとうございます♪
ほんとですね。エイドリアン・ブロディのダリが最高でした。
マリオンは大人の女性の色気があって、好きです。先日TVでインセプションをやっていたので再見しました。マリオンがディカプリオの妻役モルで出ていてやっぱり素敵でした。
ウディ・アレンのジャズが聞こえてくると、どの映画もほんとにウディの目を通したウディ流作品になりますね。おもしろいですね。今秋と来年、ウディ作品が来るので首を長くして待っているところです!
by coco030705 (2012-06-20 21:11)