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波の塔(TVドラマ) [その他]

 これは松本清張没後20年を記念するテレビドラマである。純愛とはこんなにも美しく残酷なものなのか。恋愛ドラマとしてもサスペンスとしても、一級品の作品であった。改めて松本清張作品のおもしろさを堪能した。

 昭和35年、東京・赤坂のダンスホールで一人の踊り子が殺害される。東京地方検察庁の検事・小野木喬夫(沢村一樹)は、容疑者を追って山梨へ。そこで、小野木は美しい女性(羽田美智子)と出会う。まるで樹海の日陰に咲く花のように切なく、はかなげな女性のたたずまいに、小野木は思わず心を奪われてしまう。
 東京に戻った小野木は、踊り子殺しの裏には、建設省をめぐる汚職事件が絡んでいることを知る。巨悪を暴くためには、なんとしても容疑者を確保しなければならない。だが、その思い虚しく容疑者は自殺。小野木らは手がかりの一つを失う。
 そんな中、山梨で会った美女から小野木に連絡が入る。黒田頼子(羽田美智子)と名乗る女性との再会に、小野木は心を躍らせる。頼子には家庭があるのではないか? 小野木はそう直感するのだが、ほとばしる感情を抑えきれず…。


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 沢村一樹と羽田美智子は、年齢的にも若すぎず年をとりすぎてもいない、素敵な組み合わせだった。まさに大人の恋愛ドラマにふさわしいカップリングで、それに加え、政財界の汚職事件がからみ、非常に面白く観ることができた。
 
 薄幸の美女というのはとても男心を引き付けるものなんだろう。二人が惹かれあい、女性の正体がわかるにつれて、ますますドラマはおもしろくなっていく。

 最終的には頼子(羽田)が事件の黒幕のボス黒田(鹿賀丈史)の妻で、しかも頼子の父親の借金のかたに無理やり結婚させられたことがわかる。が、そのころには小野木と頼子の不倫の関係が、頼子の夫と悪徳弁護士によってマスコミにもらされ、新聞記事となってしまう。

 東京地検始まって以来のスキャンダルに追いつめられる小野木だが、上司(佐野史郎)に励まされ黒田頼子の事情聴取を自ら務めるのだった。

 最後は悲しい結果となるが、愛を守ろうとする女性の潔さに胸を打たれた。そして頼子への愛を貫く小野木にも。

 富士山の樹海の緑がとても美しかった。また約50年前の日本家屋や生活の様子、レトロな小道具などが作品を盛り上げるのに一役買っていた。もちろん芸達者な脇役陣もすばらしかった。1960年に映画化されているが、今回の作品がテレビドラマだけではもったいないような良い出来だったので、ぜひとも同じキャストで映画化してほしいものだ。

 美しいラブシーンとともに、純愛というものが人の運命を翻弄するすごいパワーを持っているのだと認めざるを得なかった。こんな恋愛がしてみたいものである。
 

原作:松本清張   監督:佐々部清   出演:沢村一樹、 羽田美智子、 佐野史郎、 杉本哲太、
田山涼成、 山本学、 鹿賀丈史etc.
2012年 日本
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coco030705

マンチ軍団さんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-06-27 00:35) 

coco030705

tomoartさんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪


xml_xslさんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-06-27 02:19) 

coco030705

yukkoさんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪

by coco030705 (2012-06-27 23:01) 

coco030705

Taekoさんへ
こんばんは。nice! ありがとうございます♪

by coco030705 (2012-06-28 01:21) 

キキ

こんにちは。
普段TVは予約録画して見てるので見逃してます。^.^;
サスペンスと純愛、いいですね。
松本清張さんも没後20年となるんですね。
by キキ (2012-06-29 18:07) 

coco030705

キキさんへ
こんばんは。niceとコメントありがとうございます♪
松本清張ってやっぱりおもしろいですね。本のほうは
「波の塔」は読んでいないのですが、ほかの作品を読むと
ぐいぐい引き込まれるおもしろさでした。
by coco030705 (2012-06-29 18:55) 

coco030705

nonさんへ
こんばんは。niceとご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2012-07-02 23:59) 

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