アンナ・カレーニナ [外国映画]
キーラ・ナイトレイのアンナ・カレーニナが光輝くほど美しく素敵だった。本年度アカデミー賞衣装デザイン賞（ジャクリーン・デュラン）を受賞した作品で、監督はジョー・ライト。キーラは「つぐない」でもライト監督と組んだ。ちなみにキーラのつけているダイアモンドジュエリーはシャネルからの提供である。
19世紀後半のロシア。アンナ・カレーニナ（キーラ・ナイトレイ）は社交界の華と謳われる美貌の持ち主。しかし、夫である政府高官カレーニン（ジュード・ロウ）との間に愛を感じられず、満たされぬ日々を送っていた。そんなある日、兄夫婦のもとを訪れた彼女は、若き将校ヴロンスキー（アーロン・テイラー＝ジョンソン）と出会い、一目で恋に落ちてしまう。許されぬ恋に必死に心を鎮めるアンナだったが、舞踏会で再会した２人にもはや燃え上がる情熱を抑える術はなかった。一方、アンナの兄嫁の妹でヴロンスキーに想いを寄せるキティ（アリシア・ヴィキャンデル）。彼女は、田舎の地主で純朴な好青年リョーヴィン（ドーナル・グリーソン）からの求婚も断り、ヴロンスキーとの結婚を信じて待ち続けていたのだが…。（allcinema ONLINE）
大劇場で演じられる舞台劇が映画のセット撮影のドラマに移り変わっていくという凝ったつくりで、とても面白かった。劇場空間を19世紀ロシアの貴族社会になぞらえたジョー・ライト監督の演出は、バレエや人形劇の様式が取り入れられていて、本当にすばらしい。だが、野外の撮影シーンもあり映像に変化があって飽きさせない。
アンナとヴロンスキーが再会する舞踏会は豪華絢爛で、周囲の人物がストップモーションで静止する中、二人だけが踊り続けるのである。これは両者の心情を映像で表現した美しいシーンである。恋に落ちた二人には、もはや周りの人々のことは眼中にないということなのだ。
だがやがて二人の恋愛は周囲の知るところとなり、しかもアンナがヴロンスキーの子を身ごもることで、決定的となる。そしてアンナは夫カレーニンと離婚でき次第、ヴロンスキーと結婚しようと約束する。けれども、そこには家族の反対や社交界からの追放というむごい現実が待っていた。
トルストイの作家としての目は決してロマンティックではなく、非情ともいえるほど現実を見つめていると思った。人間はやはり周りの人々との交流がなくては生きて行けない社会的な存在であり、道を外れたものはそれなりの制裁を受けるということである。
恋愛は地獄であるとある作家が言っていたが、熱病のような時期が過ぎれば過酷な現実が待っているのである。アンナも悲劇に向かって突き進むのであるが、その姿は悲しくも美しかった。やはり恋に身を灼き、翻弄される女性というのは、あこがれの的である。
私はといえば、ジュード・ロウ演じるところのカレーニンが気に入っていた。ジュード・ロウだから、どんなに風采があがらなくて、真面目が取り柄の不器用な男を演じてもどこか魅力があった。アンナを愛して、彼女の不倫も妊娠も許そうとする男が、とてもいいと思った。映画の最後には、アンナが残していった自分たちの男の子と、ヴロンスキーとの間の女の子を引き取って愛情深く見守るカレーニンの笑顔で幕が下りるのである。
脇役陣が豪華で、特にトルストイの分身である地方の地主リョーヴィンを演じたドーナル・グリーソンと、最初はヴロンスキーに惹かれるが、リョーヴィンの愛を受け入れて心の平安を手に入れる女性キティを演じたアリシア・ヴィキャンデルは、私にとって注目の俳優だ。
悲恋物語として何度かリメイクされている「アンナ・カレーニナ」であるが、今作は演出の見事さ、衣装の豪華さ、主役俳優たちの魅力によってとても感動的な映画になったと思うのだ。お勧めの作品である。
原題：ANNA KARENINA 監督：ジョー・ライト 出演：キーラ・ナイトレイ、 ジュード・ロウ、
アーロン・テイラー＝ジョンソン、 ケリー・マクドナルド、 マシュー・マクファディン、
ドーナル・グリーソン、 アリシア・ヴィキャンデル、 オリヴィア・ウィリアムス、 エミリー・ワトソン
2012年 イギリス
19世紀後半のロシア。アンナ・カレーニナ（キーラ・ナイトレイ）は社交界の華と謳われる美貌の持ち主。しかし、夫である政府高官カレーニン（ジュード・ロウ）との間に愛を感じられず、満たされぬ日々を送っていた。そんなある日、兄夫婦のもとを訪れた彼女は、若き将校ヴロンスキー（アーロン・テイラー＝ジョンソン）と出会い、一目で恋に落ちてしまう。許されぬ恋に必死に心を鎮めるアンナだったが、舞踏会で再会した２人にもはや燃え上がる情熱を抑える術はなかった。一方、アンナの兄嫁の妹でヴロンスキーに想いを寄せるキティ（アリシア・ヴィキャンデル）。彼女は、田舎の地主で純朴な好青年リョーヴィン（ドーナル・グリーソン）からの求婚も断り、ヴロンスキーとの結婚を信じて待ち続けていたのだが…。（allcinema ONLINE）
大劇場で演じられる舞台劇が映画のセット撮影のドラマに移り変わっていくという凝ったつくりで、とても面白かった。劇場空間を19世紀ロシアの貴族社会になぞらえたジョー・ライト監督の演出は、バレエや人形劇の様式が取り入れられていて、本当にすばらしい。だが、野外の撮影シーンもあり映像に変化があって飽きさせない。
アンナとヴロンスキーが再会する舞踏会は豪華絢爛で、周囲の人物がストップモーションで静止する中、二人だけが踊り続けるのである。これは両者の心情を映像で表現した美しいシーンである。恋に落ちた二人には、もはや周りの人々のことは眼中にないということなのだ。
だがやがて二人の恋愛は周囲の知るところとなり、しかもアンナがヴロンスキーの子を身ごもることで、決定的となる。そしてアンナは夫カレーニンと離婚でき次第、ヴロンスキーと結婚しようと約束する。けれども、そこには家族の反対や社交界からの追放というむごい現実が待っていた。
トルストイの作家としての目は決してロマンティックではなく、非情ともいえるほど現実を見つめていると思った。人間はやはり周りの人々との交流がなくては生きて行けない社会的な存在であり、道を外れたものはそれなりの制裁を受けるということである。
恋愛は地獄であるとある作家が言っていたが、熱病のような時期が過ぎれば過酷な現実が待っているのである。アンナも悲劇に向かって突き進むのであるが、その姿は悲しくも美しかった。やはり恋に身を灼き、翻弄される女性というのは、あこがれの的である。
私はといえば、ジュード・ロウ演じるところのカレーニンが気に入っていた。ジュード・ロウだから、どんなに風采があがらなくて、真面目が取り柄の不器用な男を演じてもどこか魅力があった。アンナを愛して、彼女の不倫も妊娠も許そうとする男が、とてもいいと思った。映画の最後には、アンナが残していった自分たちの男の子と、ヴロンスキーとの間の女の子を引き取って愛情深く見守るカレーニンの笑顔で幕が下りるのである。
脇役陣が豪華で、特にトルストイの分身である地方の地主リョーヴィンを演じたドーナル・グリーソンと、最初はヴロンスキーに惹かれるが、リョーヴィンの愛を受け入れて心の平安を手に入れる女性キティを演じたアリシア・ヴィキャンデルは、私にとって注目の俳優だ。
悲恋物語として何度かリメイクされている「アンナ・カレーニナ」であるが、今作は演出の見事さ、衣装の豪華さ、主役俳優たちの魅力によってとても感動的な映画になったと思うのだ。お勧めの作品である。
原題：ANNA KARENINA 監督：ジョー・ライト 出演：キーラ・ナイトレイ、 ジュード・ロウ、
アーロン・テイラー＝ジョンソン、 ケリー・マクドナルド、 マシュー・マクファディン、
ドーナル・グリーソン、 アリシア・ヴィキャンデル、 オリヴィア・ウィリアムス、 エミリー・ワトソン
2012年 イギリス
coco030705 さん
愛猫リーちゃん
2015.2.3 リーちゃん昇天す。
ryo1216さんへ
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世界のアイドルさんへ
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怪しい探麺隊さんへ
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gillmanさんへ
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りんこうさんへ
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by coco030705 (2013-05-14 14:09)
有城佳音さんへ
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by coco030705 (2013-05-14 21:08)
sugoimonoさんへ
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by coco030705 (2013-05-15 20:08)
こんばんは。
とても工夫を凝らした演出で面白い作品でした。
それにキーラ・ナイトレイの美しさは格別でしたね。
監督さんが使いたがるのも納得です。
また、アリシア・ヴィキャンデルは可憐な雰囲気が印象的でしたね～
先日に観た「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」も良かったです。
これからの活躍が楽しみな女優さんですね☆
by non_0101 (2013-05-15 23:36)
nonさんへ
こんばんは。nice&コメント&TBありがとうございます♪
本当に面白い映画でした。キーラはきらきらしてましたね！
アリシアは「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」にもでているんですね。
先程ネットで検索して予告編も観ました。いいですね。これからどんな女優さんに育っていくのか、とっても楽しみです。
ジョー・ライト監督の次回作も期待できますね。
（今回はnonさんところへのＴＢ成功しました（＾＾）
by coco030705 (2013-05-15 23:48)
カメラde防犯さんへ
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by coco030705 (2013-05-16 14:53)
さつきさんへ
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by coco030705 (2013-05-16 17:35)
衣装が豪華でジュエリーはシャネル、そしてキーラナイトレイ。見たかったです。過去形なのはもう東京でやってないからなの。ジュードローもカレーニン氏のような役柄をする年齢になったんですね。見に行ったら、cocoさん注目の脇役２人に注目したいです。
by TaekoLovesParis (2013-05-16 22:29)
アルファルハさんへ
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by coco030705 (2013-05-16 23:13)
Taekoさんへ
こんばんは。nice&コメントありがとうございます♪
私もシネ・リーブルで追加上映をやっていたので、観ることができました。
シャネルのダイヤモンドジュエリーは1億7000万相当の品物ですって！
すごいですね。衣装がとてもよかったです。もちろん脇役のご婦人たちのも。ジュード・ロウは私はいい役だったと思いますよ。人柄がすばらしいことが証明されるような役ですもの。
キーラはいままでで一番美しかったです。頂点ですね。これからもっと高みにのぼるのか、それとも全く違う面をみせてくれるのか、楽しみです。
キーラの相手役のブロンスキーのアーロン・テイラー＝ジョンソンもとてもきれいな子で、楽しいですよ。どこかで追加上映があればいいですね。
by coco030705 (2013-05-16 23:24)
キキさんへ
こんばんは。こちらにも、niceとご訪問ありがとうございます♪
この作品はとても気に入ったので、もう一度スクリーンでみたいなと思っています。
by coco030705 (2013-05-17 21:52)
こんにちは。
キーラ・ナイトレイの美しさに豪華な衣装とジュエリー。
そして舞踏会、悲恋。
そんな世界に憧れます。
ジュード・ロウ、渋くなってきて素敵です。
by キキ (2013-05-17 21:54)
キキさんへ
こんばんは。コメントもありがとうございます♪
やはり何度もリメイクされているだけあって、悲恋映画としては本当に
よくできたストーリーですね。それに加えて演出のすばらしさが今作の
目玉だと思います。
キーラもアーロン・テイラー＝ジョンソンもきれいなので見るのが楽しかったです。ジュード・ロウは今まで色々な映画に出演してきたそのキャリアが、だんだんいい味としてにじみ出てきたのかなと思いますね。これからもこういう役をやってほしいと思いました。
by coco030705 (2013-05-17 22:23)
少し前に、一路真輝さん主演で舞台がありましたね。（見てないのですが）
cocoさんのご紹介で、とっても見たくなりました(^^)
by pistacci (2013-05-19 00:00)
alo-hadさんへ
こんばんは。niceとご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2013-05-19 00:47)
pistacciさんへ
こんばんは。nice&コメントありがとうございます♪
一路真輝さんのアンナ・カレーニナ、よかったでしょうね。
宝塚の男役の女優さんは、本当にきれいでカッコいいですもの。
観たかったです。
この映画もぜひ機会があったらご覧くださいませ。
by coco030705 (2013-05-19 00:51)
pom405さんへ
こんにちは。ようこそ。niceとご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2013-05-19 16:29)
月夜のうずのしゅげさんへ
こんにちは。niceとご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2013-05-19 16:31)
midoriさんへ
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by coco030705 (2013-10-01 23:25)