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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [外国映画]

 この作品はコメディーなんでしょうか。話題の撮影方法は全編1カットというもので、迫力がありました。共演者も豪華でしたよ。でもとても不思議な作品でした。


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 かつて主演した大人気スーパーヒーロー映画「バードマン」のイメージが払拭できずに、その後は鳴かず飛ばずの俳優人生を送るリーガン(マイケル・キートン)。私生活でも離婚に娘サム(エマ・ストーン)の薬物中毒と、すっかりどん底に。そこで再起を期してレイモンド・カーヴァーの『愛について語るときに我々の語ること』を原作とする舞台を自ら脚色・演出・主演で製作し、ブロードウェイに打って出ることに。ところが、大ケガをした共演者の代役に起用した実力派俳優マイク(エドワード・ノートン)の横暴に振り回され、アシスタントに付けた娘サムとの溝も深まるばかり。本番を目前にいよいよ追い詰められていくリーガンだったが…。(allcinema ONLINE)


バードマン3.jpg
 マイケル・キートンとエマ・ストーン

 アカデミー賞受賞映画で話題作だが、何がいいたいのかよくわからなかった。けれども個々の役者の演技はそれぞれに良かったのではないだろうか。主人公のマイケル・キートンは落ちぶれた役者を好演していたし、エドワード・ノートンもコントロールしにくい激しい性格の役者をうまく演じていた。そしてマイケルの娘サム役のエマ・ストーンが、この間見たウディ・アレンの「マジック・イン・ムーンライト」の怪しい占い師とは全く違った役で、ちょっと白けた娘という感じがおもしろかった。この人は父親役のマイケル・キートンとやりあうところがあるのだが早口のセリフがとてもうまかった。だからこそ、ウディ・アレンが自作に起用したのだなと納得。


バードマン2.jpg


 この作品の中盤頃は、話の展開がリーガン(マイケル・キートン)がまったくダメになって、みじめな最後になり、悲劇で終わりそうなので、こちらも落ち込んで映画館を出なきゃいけないのかと思っていたのだが、さにあらず。終盤のほうに「バードマン」が登場してここからが意外な展開になる。もちろんこのバードマンはリーガンの想像上の存在なのだが、かなり面白かった。まあ、怪しい感じだったけれど。
 最後もやっぱり悲劇で終わるの?と思っていると、どうもそうではなかったらしい。この辺りがはっきりとわかるようには描かれていないのだが、娘サム(エマ・ストーン)が空を見上げて、なんだそうだったの、とでもいいたげな、謎のシニカルな笑いで終わるので嫌な気分にならなくてすんだのだ。この場面は作品を観た人はその謎がわかると思うのだが。シリアスになってもおかしくないストーリーをバードマンの登場によって、コメディーっぽくしたとでもいおうか。

 どこまでが想像でどこからが現実なのかが曖昧で、観客が翻弄されるような映画だった。非常に個性的という観点からは面白い作品といえるかもしれない。
 
原題:BIRDMAN OR(THE UNEXPECTED VIRTURE OF IGNORANCE) 
監督:ゴンザレス・イニャリトゥ  出演:マイケル・キートン、 エドワード・ノートン、 
エマ・ストーン、 ザック・ガリフィナーキス、 ナオミ・ワッツetc.
2014年 アメリカ
  
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TaekoLovesParis

私も見ました。笑える場面がたくさんあるし、エドワード・ノートンは上手いし、飽きないのですが、最後の場面で、? でした。<エマ・ストーンが空を見上げて、なんだそうだったの、とでもいいたげな、謎のシニカルな笑い>→ それなのに、窓の下では何か事件が起きたっぽく、ざわざわしてたでしょ。謎です。空にはバードマンがいたのかしら?とも思えたのですが。
妄想と現実とが入り組んでるけれど、あまり、ごちゃごちゃにならず、、と思ってたのが、最後で覆された感じです。
NY、ブロードウェイに一緒に行った友達と見たので、「あぁ、あそこ」と、わかり、楽しかったです。

エマ・ストーンは、いっちゃってる女の子役も上手ですね。マジック・イン・ムーンライトの時と、全然違う印象。演劇評論家女史とのやりとりも面白かったです。
by TaekoLovesParis (2015-05-11 00:55) 

きさ

ほぼ全シーンがワンカット(撮影は「ゼロ・グラヴィティ」のエマニュエル・ルベツキ)なのには驚きますね。
まあ、全シーンワンカットの映画にはヒッチコックの「ロープ」という前例がありますが、こちらはCGも駆使しているそうなのでリアルです、
話は結構難解でした。主人公の幻想と現実がどちらも描写されますので、どちらが現実が分からなくなります。
ラストの解釈は色々と考えさせられる所、個人的には何とくなくハッピーエンドと思えばいいかな。
お話はちょっと「レスラー」や「ブラックスワン」に似てます。
俳優陣は好演していました。面白いのはみんなアメコミの映画化に出演している事。
マイケル・キートンはむろんバットマン、ノートンはハルク、エマ・ストーンは最近のスパイダーマンに出ていました。
by きさ (2015-05-11 05:34) 

コザック

さいごの場面はどう解釈すればよいのか、、きっとバードマンが居たんでしょうね娘の目には。。で、事実がどっちにころんでたか観た人が想像してくれってことなんでしょうね☆あのシーンのエマはとても良い表情で観る人を悩ませてくれましたね!
バードマンのいろんなアドバイス?によっていろんなこと起こしてしまいますが、パンツのシーンはちょっと笑えましたね(^^)
授賞式でマネしたくなる気持ちもわかります。。
by コザック (2015-05-11 08:30) 

non_0101

こんにちは。
変な作品でしたね~
分かったかと聞かれたら、さっぱり分かりませんという感じなのですけど
何だか強烈な印象が残って可笑しかったなあと感じるような作品でした(^^ゞ
by non_0101 (2015-05-11 12:57) 

coco030705

Taekoさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪

なんとも変わった映画でしたね。Taekoさんは何度もNYにいらしているから、街の風景をよく覚えておられたんでしょう。映画を観るのが一層楽しくなりますね。
俳優陣の演技はとてもよかったですね。前半のほうはかなりシリアスな感じがして笑えなかったんですが、バードマンが出て来てからが、ちょっと拍子抜けがしたというのか……。ラストも曖昧でなかなかでした。

by coco030705 (2015-05-11 17:34) 

coco030705

きささんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪

ワンカットの撮影方法によるのでしょう、映像がなかなか迫力があったと思います。俳優陣の演技はよかったですね。上手い人ばかり。でも全員
アメコミ映画化作品に出演していたんですね。それを考えるとおかしいです。現実と想像が入り混じってちょっと分かりにくかったですが、ラストがきささんがおっしゃるように、私もハピーエンドと捉えました。その方が気持ちいいですものね。
ヒッチコックの「ロープ」は以前DVDでみました。レビューを貼っておきますのでよろしかったらご覧くださいませ。
「ロープ」: http://april2605.blog.so-net.ne.jp/2011-02-19

by coco030705 (2015-05-11 17:48) 

coco030705

コザックさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪

最後の解釈が悩みますよね。私も娘のサムが下を見て何もないので、上を観てからふふっと笑ったので、たぶんバードマン(orお父さん)が見えたのかなぁって思いました。その方が気分がいいのでそうしましょう。そうそう、あのシーンどうなることかとやきもきしました。アカデミー授賞式見逃したんですが、会場でもマネしたんですか?!いやいや非常に印象的なシーンではありましたネ。(^^)

by coco030705 (2015-05-11 18:03) 

coco030705

nonさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪

ほんとにおっしゃる通り、ヘンな映画でしたよね~。私も↑にも書きましたが、よくわかりませんでした。印象は確かに強烈でしたね。まあバードマンの登場によって気が抜けて、ちょっとは笑えたので良かったかもしれません。監督さん、変わった作品が多いですよね?

by coco030705 (2015-05-11 18:13) 

coco030705

怪しい探麺隊さんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

AKIさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

ぼんぼちぼちぼちさんへ
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sugoimonoさんへ
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by coco030705 (2015-05-11 18:19) 

coco030705

tweet_2さんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪


by coco030705 (2015-05-11 19:03) 

coco030705

irukaさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪


by coco030705 (2015-05-11 19:06) 

coco030705

アルファルハさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2015-05-11 23:36) 

coco030705

ケイトさんへ
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uminokajinさんへ
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by coco030705 (2015-05-12 10:19) 

coco030705

ネオ・アッキーさんへ
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by coco030705 (2015-05-14 09:14) 

coco030705

tai-zouさんへ
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by coco030705 (2015-05-15 19:52) 

coco030705

ryo1216さんへ
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by coco030705 (2015-05-16 14:25) 

Naka

こんばんは。
不思議な映画でしたね。
でも映像の迫力でぐいぐい引き込まれました。
ラストはどう解釈していいか
未だに解りませんが(^^;、インパクトありました。
エドワード・ノートンはやっぱり上手いなぁって
思いました。
by Naka (2015-05-16 22:16) 

coco030705

Nakaさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪

まさに、不思議という言葉がピッタリの映画でしたね。ワンカットの映像はさすがに迫力ありました。役者さんたちは皆とても上手かったと思います。ただナオミ・ワッツはあまり存在感がなかったような気がしました。
ラストは観る者の解釈にまかされているんでしょうね。本当に個性的な映画でした!

by coco030705 (2015-05-16 23:13) 

キキ

少し前に観たのですが未だに書きかけのまま放置しています。
お話はすごく面白かったで忘れないうちにアップしようと思っているのですけど…。
by キキ (2015-05-24 21:18) 

coco030705

キキさんへ
こんばんは。こちらにも、nice!&コメントありがとうございます♪

とにかく個性的な映画で、観客の想像をはるかに超える感じでしたね。
それがすごいと言えばすごいなぁと思いました。
俳優さんたちの演技がとても上手かったと思います。私はエマ・ストーンが気に入っているんですが、ウディの映画とは全く違ったキャラクターをなりきりで演じていたので、若いのに実力のある楽しみな女優さんだなと思いました。
by coco030705 (2015-05-24 22:05) 

coco030705

月夜のうずのしゅげさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2015-05-27 10:06) 

coco030705

りんこうさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2015-06-02 17:07) 

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