2005年度の好きな映画

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

　去年は、スクリーンとビデオ、DVDをあわせて約60本見ました。映画館には、だいたいひと月に2、3回行ってましたので、約30本です。ビデオ、DVDも約30本見ました。たいした数ではありませんが、自分がいいと思った作品を、見た順番に、以下にあげておきます。

A)　スクリーンでみたもの

＊ネバーランド　　　2004　　イギリス･アメリカ　　　監督：マーク・フォースター　　
　　　　　　　　　　　　主演：ジョニー･デップ

　劇作家J.M.バリが美しい未亡人と出会い、その子供達の面倒をみるうちに、失いかけていた創作意欲を呼び覚まされる。そして、ピーターパンという名作を産み出す。しかし、彼の愛した未亡人は重病でなくなり、彼は子供達の後見人となることを決心する。
　J.デップが、英国紳士の役をうまくこなしていたと思う。また、劇中劇で、J.デップが海賊役で登場するのがおまけというところ。美しい映像と、感動的なストーリーのいい映画だった。

＊マイ・ボディー・ガード　　　2004　　アメリカ･メキシコ　　　監督：トニー･スコット
　　　　　　　　　　　　　　　　　主演：デンゼル･ワシントン

　命知らずの蔭をもつ男が守るのは、小さい女の子。彼女が誘拐され、彼は命を賭けて女の子の行方を追い、次々と真相を明らかにして行く。そして、最後は自分の命とひきかえに、女の子を救い出すのだった。
　全然期待せずに見に行ったけれど、とてもおもしろい映画だった。デンゼル・ワシントンがかっこよかった。レオンと比べられているようだか、まったくちがう作品だ。筋がかなり複雑になっていたし、映像も変わった撮り方でおもしろかった。

＊北の零年　　　2004　　日本　　　監督：行定勲　　　主演：吉永小百合

　幕末の動乱で北海道への移住をよぎなくされた稲田家一族。慣れない北の大地での生活に悪戦苦闘の日々を送っていた。その最低の生活をなんとかするために夫は、札幌へ出かけていくのだが・・・。
　吉永小百合の夫が渡辺謙で、この人の行動が意外性があって面白かった。そういう展開になるのかという感じ。いつもかっこよすぎるトヨエツ（豊川悦司）が、最後がちょっとかっこ悪くて、かえって好きになった。ストーリーがおもしろくて、演技派の俳優が揃っていた。

＊海を飛ぶ夢　　　2004　　スペイン　　　監督：アレハンドロ・アメナーバル
　　　　　　　　　　　主演：ハビエル･バルデム

　スペインの実在の人物ラモン・サンペドロの「レターズ・フロム・ヘル」をもとに、尊厳死を取り上げた作品。
　ラモン（ハビエル・バルデム）は25歳の夏に事故により首を骨折し、寝たきりの生活を送る身体になってしまう。それから、26年後、ラモンは自らの人生にピリオドを打つことを決意する。
　主人公のラモン（ハビエル・バルデム）は、とても頭がよく、ユーモアがある人で見ていてそんなに暗い感じはしなかった。
　たいへん重いテーマを、最後まであきさせず、逃げたい気分にもさせずに見せてくれた。俳優の一人ひとりの演技がとても心がこもっていてよかった。

＊さよなら　さよなら　ハリウッド　　　2004　アメリカ　　監督：ウディ･アレン　　主演：ウディ・アレン

　落ち目になった元アカデミー賞監督のヴァル（W.アレン）に突然、ハリウッドプロデューサーの元妻エリー（ティア・レオーニ）の計らいで、メジャー作品の監督依頼がくる。彼女はヴァルを捨てて、今は製作スタジオの重役の恋人となっている。しかしヴァルは、クランクインの前夜に、極度のストレスから突然盲目になってしまう。さて、映画はどうなるのだろうか・・・
　ウディ・アレンはおん年70歳だ。確かに、最初に出てきたときは、頭もはげが目立ってきてるし、顔もふけたかなと思ったが、演技での彼のテンションの高さは、少しも衰えていなかった。また、セリフ劇としての言葉のやりとりは、やはり天才的なものを感じる。まさに、ウディ･アレンここにありという感じの映画だった。

＊バットマン・ビギンズ　　　2005　　アメリカ　　　監督：クリストファー・ノーラン　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　主演：クリスチャン・ベール

　クリスチャン・ベールがとてもかっこよくて、役にはまっていたと思う。
　この映画のよかったところは、実写が多かったことだ。これによって、迫力あるシーンがたくさん生まれた。
　私が一番感心したのが、バットモービル。これが、スタイリッシュな車とは程遠い、ごつごつした印象だった。装甲車のような外観とスポーツカーの足のよさを兼ね備えた、すごく魅力的な車なのだ。このバットモービルを使った、ゴッサムシティのなかでのカーチェイスが、おもしろかった。実写ならではの迫力があった。俳優陣は、ベテランと個性派ぞろいで、いうことなしといった感じだった。

＊ルパン　　　2004年　　仏・伊・スペイン・英　　監督：ジャン・ポール・サロメ　
　　　　　　　　　主演：ロマン・デュリス

　この映画は「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」のおはなし。見所のひとつは、カルティエが提供した本物の豪華なジュエリーだ。これが本当にすばらしい。女性なら一度は身に付けてみたいと思うだろう。
　さて、映画の筋書きだが、ルパンと悪女カリオストロ夫人の対決である。が、そこに脇役の演じる色々な人物がからんで、少し複雑な筋になっている。
　この映画には、ロマンスありアクションあり、そして悲劇もある。いろんな要素がつまった、ヨーロッパ的な美術に溢れた楽しい作品だと思う。大人のための冒険活劇だ。

＊ふたりの５つの分かれ路　　　2004　　フランス　　　監督：フランソワ・オゾン　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　主演：ヴァレリア・ブルーニ＝テデスキ、　ステファン・フレイス

　この映画は、ある夫婦の分かれのシーンから話がスタートし、五つのエピソードがあり、最後がふたりの出会いのシーンで終わるという、普通とは逆のストーリー展開の映画だった。
　オゾンは一貫して男女の恋愛を描いている。恋愛とは一体何なのだろうか。夫婦は、恋人達は別れるために、出会うのだろうか。しかし、これらの独立した短編映画のようなエピソードを手繰っていっても、その答えは容易にみつからない。これらは謎解きではないのだ。マリオンとジルの間における感情の変化を、私達は見ることになる。
　結局オゾンがこの映画で伝えたかったことは、恋愛はたとえ失敗しても経験することが大事なのだということだ。フランス映画らしい複雑な心理描写で、恋愛というものの色々な要素を浮き彫りにしている作品だと思った。

＊春の雪　　　　　　　　2005　日本　　原作：三島由紀夫　　　監督：行定勲　　
　　　　　　　　　　　　　　主演：妻夫木聡、　竹内結子

　主演の二人がほんとうにきれいだった。妻夫木聡は、屈折したところのある、純粋な清顕（きよあき）という、まだ少年っぽさの残るお坊ちゃまの役がぴったりだった。こんなにきれいな妻夫木を見たのは初めてだ。竹内結子も、大正時代の貴族の、深窓のお姫様聡子（さとこ）という役柄の雰囲気を、よくかもし出していたと思う。顔のつくりも目などもあまり大きくなくて、古風な感じだと思った。
　ストーリーそのものは、よくある悲恋であるが、そのなかに色々な場面がでてきて、脇の役者の演技が光っていた。やはり、行定さんは役者を適材適所で使うのが上手だなと思った。
　美術もすばらしかった。セットやロケなど、色々なものを組み合わせていい雰囲気がでていた。特に、清顕と聡子が逢引する下町の隠微な下宿屋が面白かったと思う。
　三島由紀夫の流麗な文章の世界を、目で見ることができて、幸せだった。

B)　ビデオorDVD

＊恋愛適齢期
＊21ｇ
＊ドッド・ジ・アイ
＊夏至
＊ディープ・ブルー
＊橋の上の娘
＊ロスト･イン･トランスレーション
＊コーヒー＆シガレッツ

あと、「金返せもの」は、
＊ブラザース・グリム
（ほかにもあったと思うが、思い出せない。）

　こんな感じです。皆様はいかかでしたでしょうか。今年もいい映画にたくさん出会いたいものです。
本年もよろしくお願いいたします。

コメント 30

はじめまして。私も「ネバーランド」が一番でした。期待していなかったせいか、すごく印象に残りました。子供心はいつまでも忘れちゃいけないという良い作品でしたよね。
by (2006-01-03 18:19) 

katoyasuさんへ
はじめまして。nice&TB&コメントありがとうございました。
いい映画でしたね。アカデミー賞を取れなかったのが
不思議なくらいです。
今年もどんないい映画に出会えるか、楽しみですね。
by coco030705 (2006-01-03 23:43) 

あけましておめでとうございます。
私も「ネバーランド」と「マイ・ボディガード」はかなり好きでした。
今年も映画の感想を楽しみにしてます！
素敵な映画にたくさん出会えますように☆
by non_0101 (2006-01-04 00:20) 

あけましておめでとうございます！
ことしもすてきな映画、たくさん紹介してくださいね
たのしみにしてます〜
劇場のはほとんどみてないです…
ココさんのおすすめ　なら、そりゃみないと！
by acid_bloom_8322 (2006-01-04 00:22) 

すごーい！たくさんご覧になってるなぁ・・、とは思っていましたが
そんなにとは・・・。
ココさんのお好きな映画は私のみたいと思う映画とは少し傾向がちがうので
かえって参考になります。だって自分の好みだけだとかたよりますものね。
今年も色々と紹介していただくのを楽しみにしてます～！！
by (2006-01-04 01:22) 

nonさんへ
新年おめでとうございます。niceありがとうございます♪
ことしも、1月からいい映画が公開されますね。
さしずめ、「プライドと偏見」は見るつもりです。
見たらまたお部屋へコメントしますね☆
by coco030705 (2006-01-04 02:04) 

Lilyさんへ
新年おめでとうございます。
お正月はいかがでしたか。今年もLilyさんのおもしろい記事と、
「きょうのヒット」を楽しみにしています。ヨロピク☆
by coco030705 (2006-01-04 02:07) 

kurumiさんへ
niceありがとうございます。私も映画の好みが、ちょっと偏ってますので（笑）
「オペレッタ狸御殿」は見てみますね。オダジョーが好きなので。
私こそ、kurumiさんの記事を楽しみにしております。
また色々教えてくださいね☆
by coco030705 (2006-01-04 02:12) 

あけましておめでとうございます。
…はぅわ！私が見ようと思って、タイミングが合わず断念した映画が４本も入っている…orz(「ネバーランド」「バットマン・ビギンズ」「ふたりの５つの分かれ路」「春の雪」)
DVDが出たら是非チェックしなくては…。
私の2005年版映画感想、TBさせていただきますね。
というわけで今年もレビュー期待しております！よろしくお願いいたします。
by (2006-01-04 11:08) 

springsnowさんへ
A Happy New Year!
nice&コメント&TBありがとうございます♪
↑に上げていらっしゃる作品のなかでは、特に「ネバーランド」と｢バットマン･ビギンズ」がお薦めです。
私も、springsnowさんの映画、小説、ベルギービールの記事を楽しみにしています。
ちなみに、年越しにはアンカーリバティーエールを飲みました。おいしかったです。日本のビールよりも個性的な味ですね。
今年も楽しい記事をお願いしま～す☆
by coco030705 (2006-01-04 13:46) 

あけましておめでとうございます＾＾
「ネバーランド」と「ルパン」、ぜひ観てみたいです～。
「金返せもの」にも、怖いもの見たさで大変惹かれますが（笑）。
今年も、どうぞよろしく♪
by (2006-01-04 16:33) 

ERUNさんへ
新年おめでとうございます。
またまたERUNさんの楽しい記事が読めるので、嬉しいです。
マイペースでお願いしますね。
こちらこそ、今年もヨロシク☆
by coco030705 (2006-01-04 21:40) 

はじめまして。
コメントどうもありがとうございました。
映画たくさん観てるんですね。凄いです。
色々気になってる映画について書かれていたので、色々と参考にしてたくさん観て行きたいなと思います。
これからもちょくちょく訪問させていただきますので、どうぞ宜しくお願いします。
by u_yasu (2006-01-05 00:41) 

u_yasuさんへ
はじめまして。
こちらこそ、コメントありがとうございます。
私もこれから時々、u_yasuさんのブログにお邪魔させていただきます。
良いお年でありますように☆
by coco030705 (2006-01-05 11:59) 

明けましておめでとうございます☆
凄いたくさんご覧になってますね～（＾＾）

ルパンと春の雪が気になってました。
ＤＶＤが出たら（もう出てるかも？）レンタルしてみようかな～♪

ココさんにとって、素敵な１年になりますように・・・☆
今年も宜しくお願い致します♪
by d＋ (2006-01-06 00:59) 

オレンジさんへ
A Happy New Year!
nice&コメントありがとうございます。
「ルパン」と「春の雪」はどちらもお洒落な映画なので、
オレンジさんにぴったりですよ。
今年もいいことがたくさんありますように☆
オレンジさんのブログ楽しみにしています。
by coco030705 (2006-01-06 11:24) 

あけましておめでとうございます！
cocoさんの優雅な生活ぶりをうらやましく読ませてもらってます。
これからもよろしくお願いします。

しかし、映画を見るペースが凄いですね。とてもかないません・・・。
by (2006-01-07 00:03) 

あけましておめでとうございます。
今年もcocoさんが、映画三昧の、よい年となりますように。
by monad (2006-01-07 00:37) 

Sparkyさんへ
A Happy New Year!
いえいえ、現実はそう優雅でもないんですよ。
映画は、友人に映画好きが多いので、そのお蔭で結構見るように
なりました。
今年も、Sparkyさんご一家にとりまして、良きお年となりますように☆
by coco030705 (2006-01-07 00:48) 

モナドさんへ
A Happy New Year!
今年もマイペースで無理せずがんばってください。
健康でいいことがたくさんありますように☆
by coco030705 (2006-01-07 00:51) 

あけましておめでとうございます。
コメントありがとうございました♪
ココさんのご感想、私も共感する部分が多いので嬉しく拝読しました（＾＾
「橋の上の娘」も私の大好きな作品です。
とても官能的でロマンティックな愛の世界でしたね。

今年も素敵な映画に沢山出会えますように！
またお邪魔します。今年もよろしくお願いします♪
by Naka (2006-01-08 00:09) 

Nakaさんへ
nice&コメントありがとうございました♪
「橋の上の娘」は、私が実はJ.Deppファンなので、そのお相手はどんな人
なのかと思って見てみたんです。そしたら、映画自体がとっても素敵な
作品だったので、よかったです。ヴァネッサ・パラディもかわいかったので、
仕方ないなあと・・・（爆笑）
今年もお互いたくさん映画を楽しみましょうね☆
by coco030705 (2006-01-08 00:26) 

「さよなら　さよなら　ハリウッド」は観てないですね～。盲目になったウッディがどう作品を監督するのか、非常に気になりマス！（昨日、「Match Point」を観たばかり）
「橋の上の娘」は、いいですよねー。あれを観て以来、ダニエル・オトゥーユのファンです☆
あ、私はクリスチャン・ベールのあの渋い声がたまりません！
by クリス (2006-01-08 01:24) 

蟻銀さんへ
nice&コメントありがとうございます♪
わ、早い！さすがイギリスですね。「Match Point」はスペインが舞台でしたっけ？ウディには珍しく、ニューヨークを脱出して撮った映画だそうですね。
こちらは「僕のニューヨークライフ」が、ようやくこの2月に見れるかなといったところ。
「橋の上の娘」はストーリーがよかったですよね。モノクロの映像もね。
クリスチャン･ベールの次回作はなんなのでしょう？楽しみですね。
by coco030705 (2006-01-08 09:22) 

cocoさん、トラ吉君、あけましておめでとうございます
今年もよろしく
映画いいですよね、僕も大好きで特に1970年代の映画が好きでVTRが2000本くらいあるんですが、なかなか見直す時間がなくて…
ことしこそVTRをみることと、映画館に足を運ぶことをやりたいと思っているところです
by gillman (2006-01-08 22:30) 

gillmanさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
トラ吉も元気です（ニャ～オ)　今年もgillmanさんのブログを楽しみに
しております。よろしくお願いいたします。
by coco030705 (2006-01-09 14:36) 

DSilberlingさんへ
niceありがとうございました♪
by coco030705 (2006-01-18 19:37) 

こんばんはー。かなりお久しぶりにコメントさせて頂きます（汗）
やっぱり「さよなら、さよならハリウッド」は外せないですよね。
ＤＶＤも購入して年末に見直しましたが、やっぱり笑えました。
あのパワーはすごいっすよね。
あと「海を飛ぶ夢」もかなり気に入ってます。
悲しい話ではあるのに力強さがあって、生きる活力を与えて貰った気がします。
by (2006-01-20 23:24) 

番台さんへ
いらっしゃいませ～。
ウディの作品は2月に「僕のニューヨークライフ」がきますよ！
楽しみです。
「海を飛ぶ夢」は、ほんとに見ておいてよかったです。
あの主演のハビエル・バルデムがうまかったですねー。
今年もたくさん映画をみたいものです。
by coco030705 (2006-01-21 01:04) 

DSilberlingさんへ
nice♪ありがとうございました☆
by coco030705 (2006-01-24 18:21)