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理想の女(ひと) [外国映画]


(きれいなお花をどうぞ☆)

監督:マイク・パーカー  出演: スカーレット・ヨハンソン、 ヘレン・ハント、 トム・ウィルキンソン、スティーブン・キャンベル・ムーアetc.
2004年  英/スペイン/伊/米/ルクセンブルク   DVD

 この映画は、主役のスカーレット・ヨハンソンがポスターや予告編で見たとき、とても美しく、スクリーンで見ようと思っていたのに、見逃していた作品だった。

 これはオスカー・ワイルドの戯曲「ウィンダミア卿夫人の扇」を、1930年のイタリア社交界に舞台を変えて描いた映画である。
 ところは、1930年代の南イタリアの高級リゾート地アマルフィ。ニューヨーク社交界の若いカップル、ロバートとメグ(スカーレット・ヨハンソン)・ウィンダミア夫妻を中心に物語は展開する。

 風景や別荘の建物、女優さんたちの衣裳が豪華ですばらしいのだが、私は最初からなんとなく退屈な映画だなと思ってしまった。

 若いアメリカ人カップル、ロバートとメグ(スカーレット・ヨハンソン)・ウィンダミア夫妻。彼らはこのリゾート地でも、注目の的だった。何の問題もなくここでの日々は過ぎていった。しかしそこへ、派手な恋愛経験を重ねてきたアーリン婦人(ヘレン・ハント)が登場。だが、この人がそんなに男の人にもてる女性にはまったく見えなかった。ヘレン・ハントは、演技力はあるのだろうか?確かにオスカー女優ではあるが。男の人をたぶらかすようなオーラはぜんぜんない。ただの普通の女性っぽかった。

 このアーリンが、ある宝石店でメグの旦那様の明るく健康的なロバートに出会う。メグの誕生日プレゼントに関して、アーリンがアドバイスをして、彼は金の扇子を選ぶのだ。そのあたりから、社交界に、ロバートとアーリン婦人の仲を怪しむ噂が流れる。

 ここで、ストーリーがちょっとおもしろくなる。メグはまだ21歳くらいの若い人で、まったく世間の荒波にさらされていなかった。フランス人形のような女性だ。しかし、ある時、夫の小切手帳から、アリーン婦人に多額のお金が振り込まれていることを知る。

 メグには、ロバートの友達でプレイボーイの男がたびたび言い寄って来ていた。しかし、まだ結婚一年目で真面目な彼女は、相手にもしなかった。けれども、夫とアリーン婦人の関係に心を乱されたメグは、このプレイボーイ氏から、ヨットで駆け落ちしようともちかけられ、それに同意してしまう。

 さて、この夫婦の関係はどうなるのだろうか。アリーン婦人のかかえる大きな秘密とは?

 このように、この映画には、おもしろい要素がいっぱい詰まっていたのだが、この作品は何もかもが中途半端な気がした。アリーン婦人の秘密も比較的早く知らされてしまうし、メグとプレイボーイ氏との関係も、たいしたことが起こらない。しかも、最後がハッピーエンドなのはいいのだけれど、なんか取って付けたようでピリッとしない。人をワクワクどきどきさせるような展開には、なっていなかった。

 もっと、エピソードのどれかに絞って、それを興味深く描いたらずっとおもしろい映画になっていただろうに。結構お金をかけた割には、心に残る作品にはならなかったようだ。

 メグ役のスカーレット・ヨハンソンは好きな女優だ。きれいで透明感があって、初々しい感じがよかった。彼女は、無理せず今の年齢、美しさを充分アピールする作品に出演している気がする。ウディ・アレンの新作「マッチ・ポイント」にも出ているそうだが、この映画の公開はいつになるのだろうか。とにかく楽しみな女優さんだと思う。


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クリス

なるほど~。私も、ヘレン・ハントは嫌いじゃないんですが、どうしてもヤツレてみえちゃって(スカーレットがお人形さんみたいやったし)、説得力に欠けたなぁって思いました。彼女のオスカーは、やっぱりニコルソンあっての受賞だったのかなぁって。
ただ、脚本はけっこう好きでしたね。うまいことまとめたなぁって、後半になるにつれて面白くなってきたのは良かったデス。まぁ、オスカーの戯曲ですしね、脚本の力って訳じゃなさそうだけど、、、。
by クリス (2006-04-24 22:30) 

coco030705

蟻銀さんへ
おはようございます。nice&コメントありがとうございます♪
映画は人によって見方が違ってくるし、好き嫌いの要素が
強いですよね。
私は、アリーン婦人の秘密ももっと最後のほうまでひっぱたら
よかったし、メグとプレイボーイ氏の関係も、もっとスリルのある
展開に描けたんじゃないかって、ちょっと残念に思いました。
蟻銀さんのおっしゃるように、後半がよかったですね。
by coco030705 (2006-04-25 08:02) 

KANAchanMaMa

スカーレット・ヨハンソンは、「アイランド」で 色っぽい☆人だなぁ…と
印象深かったのですが、予告編等を 見る限り、今回は “清純な”ほうを
演じる役回り…どんな感じに演じているのかなぁ…と 思ったりしてました。
原作が 古い(!?)ものだから、ストーリー展開の骨子は しっかりした
面白い話だろう…と 期待していたのですが…。
by KANAchanMaMa (2006-04-25 10:41) 

coco030705

KANAchanMaMaさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
自分でレビューを書いておいて、こんなことをいうのも
なんですが、人の感想ほど当てにならないものはありません。
スカーレット・ヨハンソンがお好きなら、ぜひご覧になってみて
ください。そして、感想をお聞かせください。美しい映画であることは
まちがいないですので・・・。 
by coco030705 (2006-04-25 17:30) 

Naka

確かに詰めの甘いところがありましたが、
上流階級の人々の生活ぶりや、
教訓めいた話はなかなか興味深かったです。
あと、人生を達観しているような、
アリーン婦人の恋人(トム・ウィルキンソン)が印象的でした。

スカーレット・ヨハンソンは「真珠の耳飾りの少女」でも
艶っぽくて素敵でしたね(^^。気になる女優さんです。
by Naka (2006-04-26 00:13) 

coco030705

Nakaさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
トム・ウィルキンソンは、感じのいい紳士でしたね。
女性が本当に心を許すのは、こういうタイプの、寛大な
男性ではないかしら。
「真珠の首飾りの少女」、まだ見てませんでした。(汗)
今度見てみますネ。(^^)
by coco030705 (2006-04-26 00:26) 

coco030705

Soraさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2006-04-26 00:39) 

TaekoLovesParis

お花、きれいですね!
蟻銀さんのコメントにもあるように、ヘレンハントは華がないですよね。
スカーレット・ヨハンセンの透明な感じ、よ~くわかります。肌がきれい
ですものね。北欧系の美人。昔の時代の「真珠の首飾り」の役も現代の「ロストインザワールド」もよかったです。
オスカーワイルドの戯曲、「高慢と偏見」より古い時代ですね。
by TaekoLovesParis (2006-04-26 01:07) 

coco030705

Taekoさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
そうですね、ヘレン・ハントは「華」がないんですね。
アリーン婦人の役どころは、大事な役だったので、
もっと色っぽくて女性にも人気のあるベテラン女優が
良かったと思います。
戯曲というのはあまり読んだことがないのですが、
これはちょっと読んでみたくなりました。
by coco030705 (2006-04-26 08:38) 

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