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イン・ハー・シューズ [外国映画]

監督:カーティス・ハンソン  出演:キャメロン・ディアズ、 トニ・コレット、 シャーリー・マクレーン、 
マーク・ファイアスタイン

 キャメロン・ディアズは、ユアン・マクレガーと共演の「普通じゃない」を見て、可愛い人がでてきたと思った記憶がある。けれども、その後で「マルコビッチの穴」をDVDで見たら、まったく普通の女性だったのでびっくりした。メイクですごく変わる人なのだろう。

 この映画でも、モデル出身のスタイルのよさを活かして、色々な服を着ていたがさすがに着こなしは抜群だった。役柄はマギーというルックスを武器に奔放に生きている壊れかけの女の人を演じていて、よく感じが出ていたと思う。

 対するマギーの姉、ローズ役のトニ・コレットは、お堅い弁護士の役で、弁護士ってこんな感じなんだろうなと思わせる役づくりだった。眼鏡とダークスーツと化粧っ気のない顔で表現していた。ローズはたくさんのファッショナブルな靴をコレクションしていた。しかし、めったにその靴をはく機会がなかった。

 マギーは父親と義理の母の住む家に同居していたが、あまりのだらしなさに、義理の母に家を追い出されてしまう。そして、姉ローズの家に転がり込むのだった。そして、色々職を探すが、どこでも断られて仕方なく家に居た。そこに姉の上司で恋人の、弁護士の男が訪ねてくる。マギーの色っぽさに引かれたのか、ローズの恋人はマギーとベッドインする。そこにちょうど出張からローズが戻ってきて、怒り心頭に達した姉に、マギーは家を出て行くように言われる。
 マギーはふとしたことから、フロリダに祖母エマ(シャーリー・マクレーン)がまだ生きていることを知り、訪ねていく。エマはマギーをやさしくつつんでくれた。そこは色々な老人達が住んでいる。マギーは目の見えない寝たきりの、退官した大学教授と知り合い、彼のためにたどたどしい口調で本を読むことに喜びを見出していく。

 人間を支えるものは、一体何なのだろうか。私はそれはやはり仕事だと思う。どんな職業でも仕事というものは、人の役に立つからだ。主婦業もボランティアも立派な仕事だ。会社で働いている人は、人の役に立っているかどうかあまり意識していないと思う。しかしそれはずっとたどっていくと、人の役に立っているのだと思う。

 この映画のマギーは、かわいそうな女性だ。自分をしっかり支えてくれるものになかなか出会えず、その日その日をおもしろおかしく、言い寄ってくる男達と楽しく過ごせればいいという考えで生きてきた。だがそういう風に生活すればするほど、自分がみじめになって行ったのだ。マギーは祖母のもとで、やっと自分が人の役に立てるということに気付く。ようやく彼女は居場所を見つけたのだ。

 一方姉のローズは、尊敬し信じていた恋人に裏切られ、一時仕事をやめてしまう。しかし、ローズは妹のことを憎みきれない。色々思い悩む彼女のもとへ元彼の部下の弁護士の男性が、ローズを気遣って声をかけてきてくれる。彼はローズの同僚で、以前はローズが鼻も引っ掛けなかった男性だった。ローズは以前の恋人への思いを振り切り、新しいパートナーと人生を歩んでいく決心をした。こうして姉妹はそれぞれに、自分にふさわしい「靴」を見つけるのだった。

 マギーとローズは反目し合いながらも、心のどこかで双方を思いあっているのだ。ローズはマギーのお蔭で、以前の恋人がとんでもない男だったことを知ることになった。そのことをローズは後に良かったと思ったに違いない。

 最後はローズの結婚式でジ・エンドとなるのだが、このときのトニ・コレットが着ていたウェディングドレスがとても素敵だった。ウェディングドレスは、やはり女性が一番輝いて見える洋服なのかもしれない。

 マギーとローズの姉妹愛が、温かく心にしみる映画だった。


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coco030705

DSilberlingさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2006-08-17 07:53) 

ken

夫婦、親子、恋人、師弟、同僚、など多様な人間関係の中でも
もっとも「濃い」関係が兄弟だと思います。
だからいろんなドラマがあるし、映画の素材になりやすいのですが、
少子化の時代に、これらの映画が「よく分からない」と言われないように
なるといいなと思います。
姉妹愛は理解できない世界ですが、僕は兄弟の話として楽しみました^^
by ken (2006-08-17 09:53) 

jazzy

こんにちは。毎日暑いですね。
「イン・ハー・シューズ」にどちらかといえばがっかりした小生でありますが、キャメロン・ディアスのスタイルが抜群であることに異論はありません・笑。
さてコメントを拝読いたしまして「へぇ」と驚いたのは

「人間を支えるものは、一体何なのだろうか。私はそれはやはり仕事だと思う。」

というくだりです。
会社大嫌い、仕事大嫌いな小生にとっては「へえ、世間にはこういう考えの人もいるのか」というオドロキがありました。しかしまあ、たしかに「人の役に立つ」という側面は無視できない部分という気はしますね。ただ、ぼく的には「人」の役に立つかどうかはどうでもよい。自分にとって「大切な人」の役に立ちたい。漠然とした「人=他人」はぶっちゃけどうでもよい(というか頭がそこまでまわらない)、というある意味殺伐とした考えがございます。

さて、映画の話に戻りますけども、姉と妹の和解がなんか予定調和的でリアリティに欠けるんですよね。個々のエピソードがうまく一本にまとまってない(これは脚本のせい)のも気になる。
by jazzy (2006-08-17 10:58) 

coco030705

kenさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
わたしも女姉妹はいないんですが、姉弟という関係も、
他の色々な関係とは違う、ある部分は同じだという感覚がありますね。
同じ血が流れているのだから、当然なんでしょうけれど。
この映画は、問題はたくさんあるけど、皆がお互いに愛情を持って姉妹や親子に接しているところが、見ていて気持ちよかったです。
by coco030705 (2006-08-17 13:44) 

coco030705

jazzyさんへ
コメントありがとうございます。
う~ん、厳しいご意見ですね。私はjazzyさんとは反対で、
結構色々な人間がでてきて、エピソードも多かったのに、
うまく最後は収めたもんだと感心しました。
仕事に関しては、人それぞれ考え方がありますよね。(^^)
by coco030705 (2006-08-17 13:52) 

こんにちは
私もこの映画好きです
愛情、信頼、思いやり・・・いろいろと学ぶことが多い映画でした。
by (2006-08-17 13:57) 

coco030705

WIZARDさんへ
nice&TB&コメントありがとうございます♪
お久しぶりです。お元気ですか。今、WIZARDさんのお部屋へ行ってきた
ところだったんですよ!
色々な問題を浮き彫りにしながら、愛情という視点からうまくまとめ上げた
佳作ですね。いい映画でした。
by coco030705 (2006-08-17 14:04) 

KANAchanMaMa

これは、最近の私にしては 珍しく(!)試写会で観ました~♪
シャーリー・マクレーンの “お洒落な おばあちゃま”に、往年の彼女の面影を
投影しつつ 感無量でした。お金持ちな お年寄り達の生活ぶりが、日本映画
では まだ描けないような感性で、舞台設定に されていましたネ。この点を
面白く観た作品でも ありました。(*^_^*)
by KANAchanMaMa (2006-08-17 21:26) 

coco030705

KANAchanMaMaさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
シャーリー・マクレーンが、かなりのお年になっていたのには
びっくりしました。お年寄り達のフロリダでの優雅な生活を垣間見られましたね。日本はどうなんでしょう。あんな風にゆったりと過ごす老後がいつになったら実現できるのでしょうね。時期総理に期待!(ムリかな・・・)
by coco030705 (2006-08-17 21:33) 

TaekoLovesParis

これは私も好きな映画でした。
キャメロン・ディアスがバカっぽく陽気で、かたやトニー・コレットでしょう。
こんな姉妹ありえない、と思って最初は見ていたのですが、だんだん
2人は人生に何かを強く探し求めるタイプという共通点と、姉に反発して
男の人にもてることで優越感を持つ妹という図式がわかってきますね。
姉のお気に入りのジミーチュウの靴を無断拝借したらヒールが折れ
ちゃったり、、靴に寄せる思いが、靴を脱ぐ文化の日本人とはちょっと
違うかなと思いました。
あと、犬の散歩請負のバイトがあるとは。。瀟洒な落ち着いた住宅街
でしたね。対照的に老人ホームの場所は太陽が燦燦の明るい所。
場面切り替えにはもってこいですね。
仕事の種類にもよるでしょうけれど、誰かのために役にたっているという
手ごたえは醍醐味ですよね。
by TaekoLovesParis (2006-08-17 21:43) 

coco030705

Taekoさんへ
nice&コメントありがとうございました♪
おっしゃるとおり、靴というものに対する思いというのは、
日本人とは違うかもしれませんね。
スペインで高級そうな靴屋さんに入ったら、、お客さんが
ソファに腰かけて、店員さんと談笑しながら何足もの靴を
試しているのを見ました。きっと何時間もかけて、自分に
ぴったり合った靴を選ぶのでしょうね。このあたりも、そそくさと
買い物してしまう日本人とは違うなと思いました。
犬の散歩屋さんは、本当にあるみたいですね。以前ドキュメンタリーで
見たことがあります。
仕事というものは本当に大事なものだと思います。人のために何かを
していきたいものです。
by coco030705 (2006-08-17 23:58) 

non_0101

こんばんは。おじゃまします!
最後のキャメロン・ディアスの笑顔がとってもかわいかったです。
家族の愛や心のつながりを描くと共に
姉妹ふたりが段々と自身を取り戻していくところが好きでした。
こんな優しさと元気をくれるストーリーっていいですね~!
by non_0101 (2006-08-18 23:37) 

coco030705

nonさんへ
nice&TB&コメントありがとうございます♪
キャメロンとトニの競演が、2人の持ち味を出し合って
よかったですね。
見終わって元気になったり、温かい気持ちになったりできる
映画はやっぱりいいですね。これからも、色々な映画を
楽しみましょうね☆
by coco030705 (2006-08-19 07:54) 

ノリ

cocoさんコメントありがとうございました。あの長いストーリーを
上手くまとめていらっしゃる!niceです。この映画はほんとに温かくて
元気になれますよね。好きなシーンもたくさんあってまた何度も観たくなります。
by ノリ (2006-10-11 22:15) 

coco030705

ノリさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
来てくださって嬉しく思います。
温かい映画っていいものですね。
これからもよろしくお願いいたします。わたしもまたおじゃましますね。
by coco030705 (2006-10-12 01:08) 

この映画、最近やっと見ました。
姉妹でありながら「親友」だというローズとマギー。
私は男ですが、その関係がわかるような気がします。
by (2006-11-01 07:41) 

coco030705

sonnetさんへ
コメント&TBありがとうございました♪
この姉妹の関係は、温かいものを感じさせて本当に
よかったですね。またこんな映画に出会いたいものです。
by coco030705 (2006-11-01 09:41) 

こんにちわ。今更ですが、これ見ました。
どちらかというと女性向の映画という気がしてたのですが、
(一人で見てたせいもあるのか?)泣いちゃいました。
最近、涙もろいので、感動作の尺度としては僕の涙は怪しいのですが、
でも、メッチャおもろかったです。
by (2007-11-06 15:46) 

coco030705

Sparkyさんへ
コメント&TBありがとうございます♪
こういう映画は楽しいですね。やはり映画はハピーエンドが
いいなあと思います。
by coco030705 (2007-11-07 00:00) 

coco030705

みーちゃんさんへ
ようこそ。nice!ありがとうございます♪
by coco030705 (2010-10-28 21:44) 

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