この世界の片隅に
先週金曜日、テアトル梅田へ観に行ってきました。小さい映画館でいつもそんなに混んではいないのに、立見まで出ていました。すごいですね。
1944年(昭和19年)2月、18歳の少女・すず(声:のん=能年玲奈)は生まれ故郷の広島市江波を離れ、日本海軍の根拠地で日本一の軍港のある街・呉に嫁いできた。夫の北條周作は海軍で働く文官で優しい男だった。北條家の人々にも温かく迎えられ、すずは段々と家族に馴染み、嫁として一生懸命働いていた。この場面は美しい田舎の風景と畑仕事の様子がよく描かれていた。
しかし戦争は進み、配給物資が不足していく中、すずは畑の野菜を中心に、工夫をこらして食事を作っていく。つつましいが家族の優しさを感じながら、すずはなんとか戦時下の日々を乗り越えていくが、だんだんと戦争は激しさを増す。のんびりした田舎町の空にたくさんの米軍機の来襲があり、畑で仕事をしている人々も集中砲火をあびた。
すずは絵を描くのが好きで、日本海軍の根拠地呉の軍港に浮かぶ戦艦大和や武蔵を描いたいたのだが、それも米軍によって沈没させられる運命だった。
海軍で働く小学校の同級生が、すずの家に1泊の憩いを求めてやってきたとき、夫周作の計らいで、すずと同級生は二人だけで懐かしい学生時代の思い出を語り合った。また、配給物資をもらいに行ったとき、すずは道に迷って遊郭のある所に迷い込み、そこで働く女の人に帰り道を教えてもらったお礼に、得意のスケッチで彼女の思い出の食べ物などを描いてやる。そういうすずの優しい心がこの物語をいいものにしていた。
しかし戦争の残酷さは日に日に増していく。すずは離婚して戻ってきた周作の姉の子供と道を歩いていたとき米軍機に襲撃され、自分は右手を失くし子どもは死んでしまった。それから姉との間がぎくしゃくするようになった。すずは我慢できなくなって広島の実家に戻ることにする。しかしあることで、また呉に戻りしばらくしたとき、広島に原爆が落とされるのだった……。
この作品は残酷な場面や悲惨な場面はほとんど出てこない。だいたいはすずを中心とした家族や友人関係の物語で、日常生活が戦争によってどのように変えられるか、そして住んでいた町や軍港が攻撃され破壊される様子を描いている。それよりも大事なのはすずの性格で、のんびりとした優しい女性である。彼女の持ち味によってこの映画は戦争映画でありながら、温かい家族物語ともなっている。その中で夫婦の細やかな愛情や家族同士の助け合い、人と人との心の交流が丁寧に描かれている。だからこそ、こんなにも人の心をつかむことができるのではないだろうか。
戦争映画はともすれば、その残虐性がクローズアップして描かれるが、それとは別の描き方でこれだけ観客を集めることができたのは、すばらしいことだと思う。今後も人間味のある作品で戦争の悲劇を描くものが、たくさん出てくるのを祈っている。
監督:片渕須直 アニメーション制作:MAPPA 原作:こうの史代
主題歌:コトリンゴ「悲しくてやりきれない」
1944年(昭和19年)2月、18歳の少女・すず(声:のん=能年玲奈)は生まれ故郷の広島市江波を離れ、日本海軍の根拠地で日本一の軍港のある街・呉に嫁いできた。夫の北條周作は海軍で働く文官で優しい男だった。北條家の人々にも温かく迎えられ、すずは段々と家族に馴染み、嫁として一生懸命働いていた。この場面は美しい田舎の風景と畑仕事の様子がよく描かれていた。
しかし戦争は進み、配給物資が不足していく中、すずは畑の野菜を中心に、工夫をこらして食事を作っていく。つつましいが家族の優しさを感じながら、すずはなんとか戦時下の日々を乗り越えていくが、だんだんと戦争は激しさを増す。のんびりした田舎町の空にたくさんの米軍機の来襲があり、畑で仕事をしている人々も集中砲火をあびた。
すずは絵を描くのが好きで、日本海軍の根拠地呉の軍港に浮かぶ戦艦大和や武蔵を描いたいたのだが、それも米軍によって沈没させられる運命だった。
海軍で働く小学校の同級生が、すずの家に1泊の憩いを求めてやってきたとき、夫周作の計らいで、すずと同級生は二人だけで懐かしい学生時代の思い出を語り合った。また、配給物資をもらいに行ったとき、すずは道に迷って遊郭のある所に迷い込み、そこで働く女の人に帰り道を教えてもらったお礼に、得意のスケッチで彼女の思い出の食べ物などを描いてやる。そういうすずの優しい心がこの物語をいいものにしていた。
しかし戦争の残酷さは日に日に増していく。すずは離婚して戻ってきた周作の姉の子供と道を歩いていたとき米軍機に襲撃され、自分は右手を失くし子どもは死んでしまった。それから姉との間がぎくしゃくするようになった。すずは我慢できなくなって広島の実家に戻ることにする。しかしあることで、また呉に戻りしばらくしたとき、広島に原爆が落とされるのだった……。
この作品は残酷な場面や悲惨な場面はほとんど出てこない。だいたいはすずを中心とした家族や友人関係の物語で、日常生活が戦争によってどのように変えられるか、そして住んでいた町や軍港が攻撃され破壊される様子を描いている。それよりも大事なのはすずの性格で、のんびりとした優しい女性である。彼女の持ち味によってこの映画は戦争映画でありながら、温かい家族物語ともなっている。その中で夫婦の細やかな愛情や家族同士の助け合い、人と人との心の交流が丁寧に描かれている。だからこそ、こんなにも人の心をつかむことができるのではないだろうか。
戦争映画はともすれば、その残虐性がクローズアップして描かれるが、それとは別の描き方でこれだけ観客を集めることができたのは、すばらしいことだと思う。今後も人間味のある作品で戦争の悲劇を描くものが、たくさん出てくるのを祈っている。
監督:片渕須直 アニメーション制作:MAPPA 原作:こうの史代
主題歌:コトリンゴ「悲しくてやりきれない」
鉄腕原子さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
AKIさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-01-29 21:01)
月夜のうずのしゅげさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-01-29 21:02)
コザックさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-01-29 21:03)
匁さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-01-29 21:52)
怪しい探麺隊さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-01-30 01:03)
ryo1216さんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-01-30 10:01)
@ミックさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-01-30 10:01)
日常の中に侵食してくる残酷さ、それが戦争なのですね。
by mayu (2017-01-30 10:36)
mayuさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪
おっしゃる通りです。戦争って怖いですね。じわじわと平和な日常が侵され、そして突然激しくなる。それが戦争なんだなと思いました。
いい映画でした。
by coco030705 (2017-01-30 17:35)
sugoimonoさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-01-30 17:36)
呉は実家から近いし、
評判も良いし、ずっと気になっている作品です。
私もいつか観たいと思っています!
by Naka (2017-01-31 00:13)
Nakaさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪
評判がいいので、映画館に行ったら満杯で驚きました。
今映画館に来ているお客様はきっと口コミかなと思います。
いい映画ですので、ぜひご覧くださいませ。関東でもテアトル系、
シネ・リーブル系でやっていると思います。
by coco030705 (2017-01-31 16:53)
いっぷくさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
uminokajinさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-01-31 16:55)
ぽんちゃんさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-01-31 20:18)
ERUNさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-01-31 21:04)
tarouさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-02-01 16:17)
Taekoさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-02-02 11:50)
ネオ・アッキーさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-02-02 11:50)
(。・_・。)2kさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-02-02 19:02)
朱美さんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-02-02 19:22)
観てみたいです。
by アルファルハ (2017-02-03 01:46)
アルファルハさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪
この作品は戦争映画ではありますが、テーマは家族愛なので
心温まるストーリーです。最後は涙があふれるかも?!
by coco030705 (2017-02-03 20:14)
予告編探してみてみました。
戦争の時代の話だけど、色使いが優しくて、
植物や風景の緑がキレイですね。
いつかちゃんと観たいな^^。
by Inatimy (2017-02-04 00:55)
Inatimyさんへ
お帰りなさいませ~‼ nice!&コメントありがとうございます♪
これはいい作品ですよ。ジブリ映画のように細密な絵ではないのですが、ストーリーがとてもよかったです。時間ができたら、ぜひご覧くださいませ。
by coco030705 (2017-02-04 01:02)
この作品はじわじわと公開を広げていますね。
私も観たいです!
by non_0101 (2017-02-04 22:02)
nonさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪
これはとてもすばらしい作品だと思います。戦争映画としてもよくできていますし、そういう非常事態の時の家族の温かさ、人間関係の温かさに感動しました。お時間あるときにぜひ。
by coco030705 (2017-02-04 22:41)
傑作ですね。見て良かった。 昨年の邦画ベストワンです。
前半の淡々とした日常描写が見事なので、一転、呉空襲からの戦争描写のリアリティに鳥肌が立ちました。
後半はかなりつらい展開ですが、だからこそそれでも生きるというテーマが心に迫ってきます。
主演ののん始め声をあてる人たちの演技も見事です。
by きさ (2017-02-05 21:25)
きささんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
おっしゃる通りです、傑作ですね。日常がこんな風に変えられていくのかと悲しくなりました。呉の空襲の描写もすごく迫力がありましたね。アニメの力を感じました。声優さんたちもそれぞれの人物描写が上手かったですね。またこの作者の方のアニメを観てみたいものです。
by coco030705 (2017-02-05 23:42)
norikoさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-02-06 18:22)
gillmanさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-02-06 23:03)
すず役ののんさんのインタビュー。いいですね。
http://filmers.jp/articles/2016/11/07/post_114/
by きさ (2017-02-06 23:05)
きささんへ
こんばんは。再びのコメントありがとうございます♪
インタビュー、読みました。ありがとうございます。いいですね、のんさんはいい女優さんですね。まだまだ女優としても頑張ってほしいと思いました。
by coco030705 (2017-02-06 23:36)
評判通りの映画でした。リアルなものより、ずっとリアルにテーマを伝えることができるアニメの力を感じました。
by 空の下 (2017-02-07 13:06)
空の下さんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
今でもかなりの観客が詰めかけているようです。評判が評判をよぶとはこのことですね。アニメはわかりやすく、そして色々な世代が受け入れやすいという特徴があるかもしれませんね。やはり力のある表現方法でしょうね。
by coco030705 (2017-02-07 20:23)
てんてんさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
by coco030705 (2017-02-08 20:43)
こんばんは
すず=能年ちゃんぴったりの役柄でした。のんびりながらもつらい時期をしっかり生きている姿がこころをうちますね。年明けよい作品に出会えました。
by コザック (2017-02-08 22:56)
コザックさんへ
こんばんは。コメント&TBもありがとうございます♪
この作品、もし昨年末までに観ていたら、きっと2016年度のベスト10入り間違いなしでした~‼ちょっと残念かも。すずは健気につらい時期を乗り越えていましたね。とても感動しました。
by coco030705 (2017-02-09 01:15)
いま、立ち見まででるって、スゴいですね〜(@@;)
このアニメは、知りませんでした。。
火垂るの墓っぽい? やさしい絵が、心に浸みますね(^.^)
by のらん (2017-02-18 08:28)
のらんさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪
そうなんですよ、戦争映画なのですが、夫婦や家族の愛情物語でもある点が人気の秘密でしょうね。「火垂るの墓」はかなり深刻な映画ですよね。この作品もかわいそうな場面はあるのですが、それをうまく描いていて、観客は後味良く観終われると思います。海外にも配信されているようなので、どこまで広がるか興味深いです。
by coco030705 (2017-02-18 19:23)
映画がとても良かったので、GWに呉に行って来ました。
まあ大和ミュージアムに行きたかったというのもあるのですが、この映画のゆかりの舞台も色々と見て来ました。
by きさ (2017-05-27 23:38)
きささんへ
こんにちは。再コメントありがとうございます♪
そうですか、呉に行ってこられましたか。大和ミュージアムは有名ですね。それにロケ地を巡られて、映画の世界に浸っておられたことと思います。よかったですね! 大阪では1日1かい上映ですがまだ一館だけやっているところがあります。何度でも観たい映画だと思います☆
by coco030705 (2017-05-28 09:18)