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オン・ザ・ロック [外国映画]

 ソフィア・コッポラ監督の新作で、ビル・マーレイが主演、2人が長編映画で組むのは、2003年の「ロスト・イン・トランスレーション」以来。新作「On the Rocks」(邦題は「オン・ザ・ロック」)は、昨年11月に複数年契約を結んだ米アップルとA24が共同製作した。


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 ニューヨークに暮らすローラ(ラシダ・ジョーンズ)は、いつも育児や仕事に追われ、自分を見失ってしまいそうだった。夫も忙しくて出張が多く、ローラの誕生を忘れてしまう始末。ローラは、新しく夫の会社に入社した女性と夫が、よく同行しているのを知り、彼の行動にうたがいの目をむける。そして、往年のプレイボーイである父フェリックス(ビル・マーレイ)といっしょに、夫(マーロン・ウェイアンズ)の尾行を開始するのだ。フェリックスは愛車の真っ赤なフィアット(尾行には不向き?)を運転し、2人はキャビア&クラッカーをかじりながら、双眼鏡で夫を追いかける。そして、ときどき車の中で、口笛を吹く。もう、笑っちゃいますよ。


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 ビル・マーレイのそこはかとない、ユーモラスな感じが以前から好きだった。この映画のビルは、元プレイボーイらしく、すごくお洒落。それに悩んでいるローラを案内するバーもとっても素敵。このバーへ行ってみたいです。


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 フェリックスは顔が広く、誰とでもすぐ友達になるタイプ。尾行の時も、スピード違反してポリスにつかまるが、そのポリスの父親とフェリックスが友達とわかり、無罪放免になる。

 そうこうしていると、夫ディーンがメキシコに海外出張をすることになり、ローラはフェリックスにそそのかされて、隠れて夫の出張先に行く。そして……結末はいかに?


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ローラ(ラシダ・ジョーンズ)&ディーン(マーロン・ウェイアンズ)

 なかなか面白い映画だった。ソフィア・コッポラのニューヨーク愛が感じられ、アップタウンのパーティやダウンタウンのホットスポットを色々楽しむことができる。ウディ・アレンとはまた違ったカメラアングルだし、ストーリーはコメディぽいが、女性の悩みをうまく表現していた。
 
 ローラ役のラシダ・ジョーンズは、ストライプシャツや無地の服を着ていてさえない感じなのだが、これは人生にちょっと疲れていて、ワクワクすることがない女性を表現しているのだろうと思った。でも若いモデルみたいに細すぎることもないところが、私は好きだ。

 夫役のマーロン・ウェイアンズがとても素敵だった。スーツの着こなしもよくカッコイイ男性だ。

 監督のソフィア・コッポラは、きれいな人だと思う。好きな監督の1人である。


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   ソフィア・コッポラ

 この作品は、父親と娘、そして妻と夫の関係を面白く描いていて笑えるところもあり、結婚した女性が直面する悩みも現実的に描いているので、共感をもってみることができると思う。楽しい作品である。

原題:ON THE ROCKS 監督:ソフィア・コッポラ 出演:ビル・マーレイ、
ラシダ・ジョーンズ、 マーロン・ウェイアンズ
2020年 アメリカ





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