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コレット [外国映画]

 キーラ・ナイトレイ主演、キーラが美しくなって、驚きました。そういえば昔は「パイレーツ・オブ・カリビアン」に出演していたのですものね。女らしさが増して、しかも独特のキリッとしたイメージはそのままです。


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 フランス文学界で最も知られている女性作家シドニー=ガブリエル・コレット(キーラ・ナイトレイ)。彼女はフランスの田舎町で生まれ育ち、14歳年上の人気作家ウィリー(ドミニク・ウェスト)と出会い、激しい恋に落ちる。やがて1893年、ウィリーと結婚したコレットは、“ベル・エポック”真っ只中のパリに移り住み、華やかな社交界で享楽的な世界に染まっていく。


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 夫ウィリーは、興行師としては才能があったが、女性関係が派手で、しかも浪費癖があった。コレットは実家の母に「そんな男とは別れたほうがいい」と言われるが、ウィリーはコレットの才能を見出し、しかも彼女の性的趣向(バイセクシャル)を認めるという、変わった所のある男だった。


 ウィリーはコレットに文才があるのを見抜き、自分の代わりに、ゴーストライターとして、コレットに小説を書かせる。すると彼女の小説『クロディーヌ』シリーズが大ヒットする。文才が開花したコレットだが、傲慢なウィリーとの波乱万丈な結婚生活やゴーストライターとしての不自由さに次第に不満が募っていく。


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 コレット(キーラ・ナイトレイ)とウィリー(ドミニク・ウェスト)


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 コレットの「クロディーヌ」シリーズの舞台化の成功に上機嫌な夫ウィリーが、テーブルの上で他の美女たちとフレンチカンカンを踊り、テンションも最高潮に達していた。しかしその足元では、コレットの手元にミッシー(デニース・ゴフ)からメッセージ入りのカードが届けられる。


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      ミッシーとコレット

 コレットは、自分を偽ることなく公然と男装をする貴族ミッシーと人生を変える出会いを果たしたのだった。


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 ウィリーは借金がかさみ、にっちもさっちもいかない状態になっていた。そこで金策のため、コレットの「クロディーヌ」シリーズの版権を売り飛ばしてしまう。そのことに気付いたコレットは、ウィリーとの離婚を決意し、今は恋人であるミッシー(デニース・ゴフ)と劇団を立ち上げ、自らが女優となって、地方巡業の旅に出るのだった。


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 コレットは女優としても成功をおさめ、著書も『シェリ』や『ジジ』などが、大作家マルセル・プルーストやアンドレ・ジッドに認められた。そして、ウィリーに版権を売られた「クロディーヌ」シリーズは、自分の手書きのノートがあったことでコレットの作と認められ、裁判に勝って、買い戻すことができたのだった。

 彼女は、ココ・シャネルに気に入られ、『ジジ』は後にブロードウェイで舞台化され、ブロードウェイ版『ジジ』のオーディションに自ら立会い、主演にオードリー・ヘプバーンを抜擢したことでも有名なのだそうだ。


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 シドニー・ガブリエル・コレットご本人の画像

 女性にとって生きにくい時代にあって、自由に自分を解放して生き抜いたコレットは、すごい女性であると思わずにいられない。平凡な私から見たら、雲の上のひとだけれど。


原題:COLETTE  監督:ウオッシュ・ウェストモアランド
出演:キーラ・ナイトレイ、 ドミニク・ウェスト、 デニース・ゴフ
2018年 イギリス/アメリカ






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フレディ・マーキュリーの未発表音源がデジタルリリース! [音楽]

フレディ・マーキュリーの“Time Waits For No One”の未発表パフォーマンス映像が公開されています。


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“Time Waits For No One”は、元々フレディ・マーキュリーが1986年のミュージカル『タイム』のためにレコーディングした楽曲“Time”の未発表バージョンです。プロデュースを手掛けたのは、フレディの長年の友人であり、世界的に成功を収めているミュージシャン/シンガーソングライター兼プロデューサーのデイヴ・クラークで、40年余の月日を越えて、“Time Waits For No One”として6月20日に全世界同時デジタル・リリースされています。とにもかくにも、ご覧ください。


フレディ・マーキュリー「Time For No Body」(ソロパフォーマンス with ピアノ)
https://youtu.be/LGjt291COa0


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同楽曲のパフォーマンス映像はドミニオン劇場で4台のカメラによって3時間をかけて撮影されたもので、撮影された映像のネガと、2014年にデイヴ・クラークのドキュメンタリー番組『グラッド・オール・オーヴァー:ザ・デイヴ・クラーク・ファイヴ&ビヨンド』が制作された際に戻ってきた未現像フィルムを使って今回の映像は制作されている。
このトラックのレコーディングについてデイヴ・クラークは次のように語っている。「僕らはものすごくウマが合ったんだ……何か気に入らないことがあれば、僕はハッキリそう言ったし、彼も同じだった……お互い、目指すところが同じだったんだよ。つまり、何か特別なものを作るってことだね」
今回のバージョンはフレディ・マーキュリーの1トラック・ヴォーカルのみが入った音源を取り出し、そこにオリジナルのキーボード奏者マイク・モーランが新たにピアノ・トラックをレコーディングしたものとなっている。(以上、文章および、映像とも NME JAPANより)


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次に、公式サイトのミュージカル仕立てのパフォーマンスもどうぞ!


フレディ・マーキュリー「Time」(ミュージカル仕立てバージョン)
https://youtu.be/IA1kFkEOEqo


どちらもいいですね。ソロパフォーマンスのほうが、フレディの歌唱力のすごさがよくわかるかも。歌詞がフレディの人生を思い出させて、胸がいっぱいになりました。


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次は、フレディとデイヴ・クラークのインタビュー映像です。
https://youtu.be/ok9Mh4s8APw


英国のiNewsによると、このソロ・ヴァージョンはミュージカルのサウンドトラック・レコーディング当時、英ロンドンのアビー・ロード・スタジオで録音しました。その後長年にわたって行方不明となり、失われたと思われていましたが、10年におよぶ捜索の結果、今回発見されています。

デイヴ・クラークは「アビー・ロードでリハーサルしたヴァージョンは、ピアノとフレディのみのものだった。それは魔法のようだった。鳥肌が立ったよ」「最終的に発売したヴァージョンは48人のヴォーカルが入ったものだった。フレディが歌うオリジナル・マスターテープを見つけるのに何年も費やしたよ」とコメントしています。


フレディ・マーキュリー「In My Defence」ソロバージョン
(同時期にミュージカル『タイム』のためにレコーディングしたもう1曲の歌)
https://youtu.be/44eEOAEC5z8


これで、来年1月のQueen+アダム・ランバートのコンサートがますます楽しみになりました!アダムは「Time Waits For No One」を歌ってくれるでしょうか。情報がほしいですね。




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バレエボーイズ [外国映画]

 先日、北欧映画祭が、大阪梅田阪急百貨店本店で開かれました。これを主催したのが、「キノ・イグルー」という移動映画館。2003年に有坂塁氏と渡辺順也氏が設立されました。東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、無人島などで、世界各国の映画を上映しているそうです。


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          トルゲール、       シーヴェルト、       ルーカス


 「バレエボーイズ」は、ドキュメンタリー映画で、ノルウェーのオスロでプロのバレエダンサーを目指す3人の少年を追った成長物語だ。男子にはめずらしいバレエの世界で、ひたむきにレッスンに打ち込む。


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 彼らにとっては、楽屋でふざけ合いながら3人で女の子の話や、色々なことを語り合うだけが、唯一の息抜きだった。そして、厳しい練習に耐え、お互い切磋琢磨していた。


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  3人の根城、「オペラハウス」(オペラとバレエのための建物)


 16歳になったとき、3人は進学するか、バレエをやめて他の職に就くか、迷う。学校の先生と親を交えての面談もあった。


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 ある日ルーカス1人だけが名門ロンドン・ロイヤル・バレエスクールから招待受験の報をもらった。彼らは人生の分かれ道の選択を余儀なくされる。そのまま、ノルウェーに残れば、進学後の授業料は免除され、しかも他の職業への移行も認められている。

 3人とも、中産階級の至って普通の家の子供だった。ルーカスは「自分にはバレエしかない」と心に決めていたが、英国のロイヤル・バレエ団への入門の道には、多額の資金が必要だった。
 ルーカスは両親と真剣に話し合う。両親はルーカスの気持ちを知っていて「お金のことは心配するな」という。そして、ルーカスの本当に進みたい道へ行くように説得する。これがルーカスの運命を決めることになった。やはり、両親の理解と後押しは、人生において大変重要なもので、心温まる光景だった。

 けれども、他の2人にとって、ルーカスのロイヤルバレエスクール入門は、やはり複雑な心境のようだった。十代とはいえ、人生の戦いは始まっているのだなと思った。だからといって、関係が悪くなることはなかったようだが。
 トルゲールは素直にルーカスの英国行きを喜んで、祝福する。しかし「バレエを続けていると、40歳ぐらいになったら、身体がボロボロになってしまうかもしれない」 と思う。
シーヴェルトは、ルーカスが、英国バレエスクールへの入門が決まったというメールに返事をしなかった。でものちに、会ったときには祝福する。

 
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      卒業式

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      卒業公演


 他の2人はノルウェーでの進学を決める。そして、卒業式と卒業公演があり、ルーカスは仲の良い2人と離れて、ひとり英国のバレエ学校に入学する。そこではまた、厳しい練習の日々が待っていた。


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 ロンドンのバレエ学校での訓練の日々。 

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 まだノルウェーにいて、紅顔の美少年だったころ

 上の写真を比べると、ノルウェーにいたころと、ルーカスの顔が全く変わってきているのがよくわかります。大人っぽい顔に変化しています。


 この作品は、若さのもつきらめきとひたむきさ、夢や友情、葛藤と挫折そして挑戦が、バレエの躍動感あふれる映像の中にはさみ込まれた、すばらしい青春ドキュメンタリー映画でした。

 ちなみに、3人のその後ですが、ルーカスは英国ロイヤル・バレエ団で活躍中で、今は公式プロフィールがあります。シーヴェルト(中国系の子)は、アメリカのテキサスへ渡り、バレエを続けています。そして、トルゲールはノルウェーの軍隊に入隊したそうです。

 これからも彼らが、それぞれの場所で、いい人生を送ることを願ってやみません。

原題:Ballet Boys  監督:ケネス・エルヴェバック   
出演:ルーカス・ビヨルンボー・フレツロド、 シーヴェルト・ロレンツ・ガルシア、
   トルゲール・ルンド
2014年 ノルウェー





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