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ラスト・クリスマス [外国映画]

 1984年のワム!の「ラスト・クリスマス」をモチーフに、エミリア・クラークとヘンリー・ゴールディング主演で描いたクリスマスムービー。ありふれたロマコメかと思いきや、最後がちょっと感動的な、いい映画でした。この作品、原案、脚本、出演がエマ・トンプソンなんですよ。だから、ただでは終わらせませんでした。ジョージ・マイケルの素敵な歌声も、ストーリーにマッチしています。


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 ロンドンのクリスマスショップで働くケイト(エミリア・クラーク)。華やかな店内で妖精エルフのコスチュームに身をまとうケイトは仕事に身が入らず、乱れがちな生活を送っていた。


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 ケイトは、子ども時代に旧ユーゴスラビアからイギリスに逃れてきた移民。母親(エマ・トンプソン)、自らの過去そのものなど、多くのものを嫌いながらも、歌手を夢見てオーディションを受ける日々を送っている。しかし努力不足が露呈して落選し続ける。母親とも仲が悪く、自暴自棄になって家を飛び出し、友人たちに頼るが、無軌道で自分勝手な彼女は、皆にさじを投げられてしまう。


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 そんなある日、ケイトの前に不思議な青年トム(ヘンリー・ゴールディング)が現れる。トムはケイトに、自分が力になるといってくれ、ケイトが勤めているクリスマスショップでツリーのデコレーションを手伝ってくれた。そしてケイトの悩みにも、耳を傾けてくれる優しい青年だった。


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 そんなトムにケイトは心をときめかせるが、トムは不思議にも連絡先を教えずケータイすら持っていなかった。それに彼は、ボランティアとしてホームレスの人たちを世話しているというが、ケイトがその施設へ訪ねていくと、そこにはいないのだった。けれども、トムの優しさにケイトのとんがった心は、癒されていくのだが……。


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 ケイトはトムからいい影響を受けて、身勝手な行動を慎むようになっていく。そして最後はホームレスの人たちと一緒に、世話になった家族や店のオーナー、友達、通りすがりの人々のためにクリスマスのコンサートを施設の前の路上で開くのだった。

 ケイトを演じたエミリア・クラークは、本当に歌が上手く最後のワム!の「ラスト・クリスマス」を熱唱するシーンは、すばらしかった。エマ・トンプソンはエミリアの母親役だが、東欧なまりの英語が、笑いを誘うような役。さすがの演技力だった。共演者の人達も、上手い人ばかり。いいキャスティングだと思う。

 ロンドン市内を走るダブルデッカー(2階建てバス)の中で、クロアチア語を話すカップルに、イギリス人の男が、「国へ帰れ!お前たちのような者いらない」というような嫌味をいうシーンがあり、ケイトがそのカップルにクロアチア語で「私はあなたたちを歓迎するわ」というのだが、これは、イギリスの移民問題をうまく取り入れている場面だった。

 ところで、トムのことだが、いったい彼はどうしたんでしょうね。それは映画を観てのお楽しみ。最後に感動的な場面が待っていますよ。

 エマ・トンプソンのインタビューで彼女はこういっています。「自分自身を愛し、人生に責任を持つこと。それは簡単ではないわよね」この作品でエマが伝えたかったことですね。なかなか深い言葉だと思いました。

原題:LAST CHRISTMAS  監督:ポール・フェイグ  原案・脚本:エマ・トンプソン
出演:エミリア・クラーク、 ヘンリー・ゴールディング、 エマ・トンプソンetc.
2019年 イギリス

大阪の方々、「TOHOシネマズなんば別館」(オリエンタルホテルの向かい側)で
12/26(火)まで上映します。


クリスマスプレゼント

映画のサウンドトラックより、エミリア・クラークの熱唱をお聴きください。
https://youtu.be/GxdHPzoZaaQ



本家本元、ジョージ・マイケルの魅力的な歌声です。
Wham!-Last Christmas(4k Video)
https://youtu.be/bwNV7TAWN3M



珍しいクイーンのクリスマスソングです。フレディの静かで力強いボーカルをどうぞ。
Queen "Thank God It's Christmas"
https://youtu.be/EIfZXSXRsYI



やはりジョン・レノンのも聴きたいですよね。ヨーコ・オノの声も入っています。
Jhon Lennon "Happy Xmas (War Is Over)"
https://youtu.be/y1FlCzVaJew

皆様がよいクリスマスを過ごされることを願っています。







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