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2021年度の好きな映画5本

 昨年は、コロナのせいであまり映画館へ足を運ぶことができませんでした。観た本数は少なかったのですが、良い映画がありましたので、5本だけ挙げておきます。


1 MINAMATA(ミナマタ)


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 ジョニー・デップが製作・主演を務めた作品です。水俣病の存在を世界に知らしめた写真家ユージン・スミス(ジョニー・デップ)とアイリーン・美緒子・スミス(美波)の写真集「MINAMATA」を題材に描いています。キャスティングがよく、出演した俳優たちの総てが、熱のこもったいい演技だった。

 この水俣病の事件を映画にすることで、皆がよりわかりやすく、そして見やすくこの戦いを理解できると感じた。そして人間の温かさや狡さ、親子の愛、男女の心が通じ合う瞬間などを、映像は自然にみせてくれたと思います。

 エンドロールでは、MAN-MADE DISASTERS(人為的な事件)として、世界各地で起こった(起こっている)公害などが一覧表として流された。今も様々な国で色々な人々が苦しみ闘っているのだということを知り、愕然としました。

 今作で、映画の力というものを、改めて感じました。本当にいい映画でした。音楽は坂本龍一さんで、彼は産業公害に強い関心を抱いている方なのだそうです。人の心を癒してくれるような美しい曲です。

原題:MINAMAYA  監督:アンドリュー・レヴィタス  出演:ジョニー・デップ、
真田広之、 美波、 加瀬亮、 浅野忠信、 岩瀬昌子、 青木柚、and ビル・ナイetc.
音楽:坂本龍一
2020年 アメリカ


2 劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き(2021年)


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 動物写真家の岩合光昭さんが、まったくのネコの目線で、ミャンマーと北海道の2つの土地を舞台に、ネコたちの家族愛を描きます。

 ミャンマーのインレー湖では、湖上に建つ小さな高床式家屋で暮らすネコの家族とヒトの家族が、一緒に生きる様子を記録。猫って泳ぐんですよ。寝食を共にしていてまさに家族ですね。

 北海道の牧場では、たくさんの母ネコ、オスネコ、子ネコたちが牛舎に暮らしていて、まっすぐに生きる姿を映しています。牛との共同生活で牛のミルクがご馳走。そして色々な猫の性格が浮き彫りになっていて、楽しいです。

 この映画を観て、猫たちの「あるがまま」に生きる姿にとても癒されました。けれども、ミャンマーの家族のことはちょっと心配しています。今、ミャンマーは非常事態ですものね。どうか皆が無事でありますように。まだご覧になっていない猫好きの方、必見ですよ。

原題:劇場版 岩合光昭の世界のネコ歩きーあるがままに、水と大地のネコ家族
監督:岩合光昭  出演:岩合光昭、北海道とミャンマーの猫たちとヒト家族
2021年 日本


3 ブータン 山の教室

 ブータン王国の、ヒマラヤ山脈標高4800メートルにある実在の村ルナナを舞台に、都会から来た若い教師と村の子どもたちの交流を描いたブータン映画です。出演の村人と子どもたちは、ほとんどが地元の人たちです。こんなに爽やかな気持ちにさせてくれる映画があったでしょうか。

 本当に物質的には何もない村。だがそこには、山の精霊を敬い、また子供たちに教育を授けてくれる教師を敬う村人たちがいた。そしてブータンの大自然と純粋な子供たちの笑顔があり、ヤクを慈しみその恩恵を理解し暮らす人々がいる。豊かさとは何かを考えさせられる映画でした。

 今のコロナ禍で疲れ果てた私たちの心にしみいる映画だと思います。「ヤクにささげる歌」を歌うセデュを演じたケルドン・ハモ・グルンは、ブータンのカレッジの学生で音楽家。多くの歌をプロデュースしている人だそうです。彼女の歌声を聴いたら、きっと心が澄み渡っていくような気持になるでしょう。

予告編



 原題:Lunana: A Yak in the Classroom  監督:パオ・チョニン・ドルジ  出演:ぺム・ザムちゃん、 シェラップ・ドルジ、 ウゲン・ノルブ・ヘンドゥップ、 ケルドン・ハモ・グルン、 ルナナ村の住人の方々
2019年製作 ブータン


4 キネマの神様


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 この作品全体を通して、暖かい雰囲気が漂っていました。それは最初、主人公ゴウを演じるはずだった亡き志村けんさんへの、出演者全員の想いであり、山田監督の人柄なのだと思いました。

「映画の神様」を信じ続ける男ゴウ(沢田研二/菅田将暉)の波乱万丈の人生と、彼を取り巻く人々との愛や友情、家族の物語。

 映画は若いころのゴウを菅田将暉、その恋人役を永野芽都、ゴウが憧れる女優を北川景子が演じます。そして、かなり年取ったゴウは沢田研二、奥さんは宮本信子、その娘は寺島しのぶです。この3人がケンカする場面の面白いこと!さすがベテランの上手さは違います。

 映画は、原田マハさんの原作とはかなり違っていて、ファンタスティックな終わり方になっています。日本映画の小津安二郎へのオマージュ的なシーンもありました。山田洋次組の映画です。
 沢田研二、宮本信子、寺島しのぶが特にうまかったです。若い菅田将暉、永野芽都、北川景子は次世代を担う俳優陣で、これからが楽しみです。

題名:キネマの神様  原作:原田マハ「キネマの神様」 監督:山田洋次  出演:沢田研二、 
菅田将暉、 永野芽都、 野田洋次郎、 北川景子、 寺島しのぶ、 宮本信子、 
リリー・フランキー、 小林稔侍etc.
2021年 日本


5 007 ノータイム・トゥ・ダイ 2021


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 6代目ジェームス・ボンドをを15年間、5作演じてきたダニエル・クレイグが、いよいよ見納めとなります。

 ダニエル・クレイグのジェームス・ボンドとこれでお別れかと思うと寂しい気がします。それほど、彼のボンドはカッコよく、不死身の男を体現していました。

 やはり007シリーズはおもしろいですね。色々な要素が入っている玉手箱のような映画ではないでしょうか。風光明媚な風景、カッコいいアクション、最新のスタイリッシュな車、女性との恋の駆け引きなど、ワクワク感と、ストーリーも予想できないような展開で、他の映画ではなかなか見られないほどよくできていると思います。

 ダニエル・クレイグはアクションが得意なので、かなりシリアスな作品になりましたが、意外と女性との恋愛もちゃんと描かれていますよね。そういうところが楽しいです。ただのアクションだけではない、娯楽映画としての面白さです。

 また数年後に新しい007が登場するでしょう。いったい誰が新しいジェームス・ボンドを演じるのでしょうか。私は相当若い人だと期待しています。皆さんは誰が、新ボンドにふさわしいと思いますか。今人気が出てきている若い人か、それとも全くの新人か。色々考えながら楽しみに待ちたいと思っています。

原題:No Time to Die  監督:キャリー・ジョージ・フクナガ(「ビースト・オブ・ノー・ネーション」の日系アメリカ人)
出演:ダニエル・クレイグ、 ラミ・マレック、 レア・セドゥー、 ベン・ウィショー、 
ナオミ・ハリス、 ロリー・キニア、 レイフ・ファインズ、 アナ・デ・アルマス、 
ラシャーナ・リンチetc.
2021年製 アメリカ

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